無料で使える作曲ツールsuno aiが凄いらしいので試した
昔からDTM(デスクトップミュージック)で色々な曲を打ち込んで遊んでいました。私の場合、80年代くらいのゲームミュージックが好きなので、もっぱらFM音源やPSGを使ったMML(Music Macro Language/ミュージック・マクロ・ランゲージ)での楽曲コピーがメインです。
最近、無料で使えるオリジナルの楽曲を作成するサービスのsuno aiが凄いと聞いたので、早速試してみました。流行りのAI技術を駆使して作曲をすると言うやつです。
suno aiの登録
suno aiの始め方は簡単です。先ず公式へ飛んで、登録後にログインすればそれでもう使い始められます。
登録方法は、Apple、Discord、Google、Microsoftのアカウントを使うか、電話番号です。電話番号で登録する場合E164(国際電気通信連合の規格)で登録する必要があります。090-xxxx-xxxxなら頭の0を1つ無くして、90-xxxx-xxxxとなります。
無料で使用する場合、1日10曲(1回2曲づつ作成されるので5回)しか、楽曲は作れませんが、アカウントを変えてログインすれば、アカウントの数×10曲作れるので、無課金で使ってもそれなりの曲数を作成して楽しめます。
但し、商用利用はNGです。有料版は作った曲を売ったり出来るらしいですが、無料版は駄目です。個人で使う分には問題無しです。
suno aiの使い方 日本語プロンプト
ログインしたら、左のメニューから「Create」を選択すれば音楽生成が始められます。
デフォルトでは楽曲が自動生成になっているので、上にある「Create」をクリックしてカスタム生成に変更します。
実際に生成する
ボーカルの無い曲を生成したい場合は、「Instrumental」をクリックしてチェックを入れます。デフォルトはボーカルありです。
Lyricsの部分に歌詞と曲調を決める[]で囲ったメタタグを入れます。(歌詞は自分で考えるのが面倒なら、作詞も自動でしてくれます)
今回は取り敢えず、ChatGPTに前期の必殺シリーズ(商売人)のエンディングみたいな歌詞を作って欲しいと頼んで、生成されたものをベースに適当に自分で弄りました。
元々のChatGPTが作った歌詞は必殺っぽく無かったですが、自分で修正した歌詞も、やっぱり全く必殺っぽくないです。
という事で、入力したプロンプトは以下です。
[テンポ120][Aマイナースケール][寂しい][エンディング曲][ブルース][J-pop][演歌]
[Intro][サックス]
[Verse][女性ハスキーボイス]
血の赤
夕焼けの空に 消えてゆく影
ガラスの心に 秘めたる誓い
過ぎし日の思い出 胸に抱きしめ
歩むこの道は 遥か遠く永劫
[Bridge]
むくろ
風がささやく 恨み節
涙こらえて 地獄の道中
[Chorus]
錆びた
夢の果てに 辿り着く場所
戦いの果てに ちらつく絶望
先に逝った 仲間たちの笑顔
今も胸に 強く刻まれてる
[Outro]
エンドレス
夕暮れの中で 静かに響く
死者の歌声 時を越えて
[Chorus 2]
今は
夢は朽ち果てて さまよう場所
戦いの虚しさ 消えゆく希望
今も生き残る 疲れた笑顔
そして胸に 刻まれた無念
[Outro 2]
逃げられない
薄暗闇の中で じっとり染みる
死者の怨嗟は 永劫続く
[Outro 3]
ふう
夕暮れの中で 静かに響く
死者の歌声 時を越えて
Style of Musicにも一応、「Blues,Sad,Ending,j-pop」と入力しました。
Titleは「永劫の闘争」としました。
完成した曲
そしてこちらが完成した曲になります。
自動生成とは思えないほど完成度が高く、凄くかっこいい曲なのですが、必殺シリーズ感は0ですね。アニメと言うか、初期の頃の「ニトロプラス(NITRO PLUS)」のゲームの曲みたい。もっとこう、演歌っぽい感じが欲しい。ボーカルが和田アキ子っぽい声質なら「うらごろし」感が出たかも知れませんが。
因みに、設定方法が悪いのか、[]で囲ったメタタグが全く反映されてません。
[Intro][サックス]何処へ行ったのでしょうか? 出だしが、サックスではなくピアノ演奏ですね。
更に、[テンポ120][Aマイナースケール]の部分ですが……、(そもそも演歌でテンポ120は無理がありますが)
聞いてとてもtempo120の速さ曲とは思えませんが、実際測定してみると、tempo89、Emスケールでした。
なんだこれ。シャープやフラットが付いて欲しくないからAmスケールにしたのに。指示が完全に無視されてますね(笑)。女性ボボーカルでキーがAだと無理があるんでしょうか?
まあ、ピッチ調整なんて後でどうとでもなるから別に良いんですが。
そうそう、右上のCamelot9Aという表示は、Emスケールの事です。GMスケールと同じ音を使います。Emスケールなら、E、F+、G、A、B、C、D。GMスケールならG、A、B、C、D、E、F+です。
日本語プロンプトやメタタグに関しては、もっと検証が必要だと思います。後、AIなので当然ですが、楽曲の生成はかなりガチャです。自分のイメージ通りの曲を完成させたいなら、何度もトライアンドエラーを繰り返す必要がありそうです。
これは使える……でもどうせならMIDIファイルで吐いて欲しい
suno aiは、無料且つ一瞬で、けっこうクオリティの高い楽曲を生成してくれる事が判りました。これはかなり使えると思います。
生成された曲は、192Kbps、48.0KHZ、2チャンネルのMP3ファイルでダウンロード可能です。
ぶっちゃけた話、どうせならMP3ではなく使い易いMIDIで楽曲を吐いてくれよと思ってしまいますが、現状ではどうしようもありません。
MIDIファイルが欲しかったら、自分で作るしか無い様です。
生ボーカルや生楽曲による演奏ではないので、小節毎の長さやビッチベンドのゆらぎは少ないので、一般アーティストの楽曲をコピーしてMIDI化するよりは、楽な作業だと思います。