大容量モバイルバッテリーが安い それ容量詐称かも 偽物を掴まされない用心

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モバイル回線やモバイル端末

普通に出回っている安い価格で大容量 容量詐欺のモバイルバッテリー

 ダイソーに行けば、容量10000mAhのモバイルバッテリーが1100円で買える。
 長方形の板型リチウムポリマー電池に5V昇圧回路と過放電防止回路が一体化した基板がくっついてケースに入っているだけの簡単な構造(モバイルバッテリーの設計としては標準的)だが、USB電源として使うだけなら充分に使える。
 大容量のリチウムポリマー電池が欲しい時、ダイソーのモバイルバッテリーを分解すれば、単体で買うより安くてお手軽に手に入るので、電気工作の好きな人なら、部品取り用に購入してバラした事が一度くらいはあるのではないだろうか?

 しかし、ダイソーのモバイルバッテリーでも充分に大容量だし、価格も安いのだが、実はAmazon等の通販サイトを探すと、20000mAh程度の容量で1000円くらいで売られている超激安品が見付かったりする。
 そういう激安価格のモバイルバッテリーの中には、容量を偽装している詐欺商品もしれっと大量に混じっているので、下手に出を出すと安物買いの銭失いの罠に嵌まるが、ちゃんと使えるマトモな商品も実は普通に存在している。
 そして、これは駄目だろう、これはマトモっぽいというのは、100%ではないが、写真と仕様を見れば或る程度の区別は付く。
 少なくとも、これは容量詐称だろうという製品は、ぱっと見れば大体判るので、ちょっと知識があれば、あからさまに買っては行けない商品の判定は可能だと思う。

普通のモバイルバッテリーは板状のリチウムポリマー電池が使われている

 モバイルバッテリーの中には、殆どな場合、価格の安いリチウムポリマー電池が入っています。
 因って、容量が10000mAhなら、ダイソーの10000mAhのモバイルバッテリーと同じくらいの大きさになるが普通で、ならなければおかしいです。
 容量20000mAhなら、容量10000mAhのリチウムポリマー電池を並列に接続して2枚重ねてあるので、大きさは10000mAhと同じでも、厚みが2倍なっていなければなりません。
 極端にサイズが小さかったり、薄型だったり、真四角の形状をしたモバイルバッテリーで、20000mAh以上の大容量を謳っている製品も結構見掛けますが、これらは容量詐称品である可能性が大なので、下手に買わない方が無難です。

中身のリチウムポリマー電池の容量が同じなら、モバイルバッテリーはメーカー違いの製品でも殆ど同じ様な大きさになる。20000mAh(左)=(10000mAh×2枚重ねで厚みがある)、10000mAh(中央、右)。極端に小さくて大容量のモバイルバッテリーは大体容量詐欺です。

18650リチウムイオン電池が使われているタイプは地雷

 外観は小さ目で厚みがあり、ずんぐりむっくりな形状で12000mAhとかの大容量を謳っているモバイルバッテリーは、中身がリチウムポリマー電池ではなく、18650リチウムイオン電池が4本入っているタイプである可能性が高いです。
 見た目は単三電池を大きくした様な、1本3000mAhの18650リチウムイオン電池を並列に4本繋げば12000mAhのバッテリーになります。
 リチウムイオン電池はリチウムポリマー電池よりも高価なので、普通なら激安のモバイルバッテリーの中身には使いません。
 では何故、リチウムイオン電池を態々使っているのかというと、リチウムイオン電池は中古のリサイクル品が無料みたいな値段で手に入るので、それを組み込んでケースに組み込んで新品の激安モバイルバッテリーとして販売しているだけです。
 使えなくなった電動自動車、自転車や工具のバッテリーをバラすと、中には18650リチウムイオン電池が6セルとか8セルとか、大量に止め込まれています。
 これを1本づつにバラして電圧や内部抵抗を測定すると、例えばバッテリー内の6セル中の2本が駄目になってしまえばバッテリーとしては終わりですが、残りの4本は実は未だ充分に現役で使えたりします。
 こういう選別品の中古電池を再利用して、新品のモバイルバッテリーとして売っている訳です。
 ヤフオク等の出品商品を調べれば、不良品のリチウムイオンバッテリーが安く売っているのが見つかります。
 個人でも、18650リチウムイオン電池が欲しい人は、こういう不良品を買ってバラして中身を取り出して、使える電池を再利用するのです。
 これを書いている私も、不良バッテリーをバラして入手した中古の18650リチウムイオン電池のストックが家に50本以上あります。使い道は沢山あるので、同じ様にストックしている人も多いと思います。

 そんな事情があるので、18650リチウムイオン電池が使われているタイプのモバイルバッテリーも、中身が中古電池の可能性が高いので買わない方が無難です。

18650電池が使われているタイプのモバイルバッテリー(中央)。2つとも容量は10000mAhだが、リチウムポリマー電池を使ったタイプ(右)よりも、縦が少し短く、横が少し長いそして分厚い。安い製品は中身の18650電池が殆どの場合リサイクル品。

3.7V10000mAhのバッテリーは5Vで出力すると6000mAh程度の容量となる

 これは容量詐欺の話ではないです。
 モバイルバッテリーでスマホ等を充電する場合(急速充電、USB PDは除く)、出力電圧は5Vになります。しかし、中身のリチウムポリマー電池の電圧は3.7V程度です。因って、内臓のDC-DC回路で5vに昇圧して出力しているのです。
 しかし、その場合、DC-DCの電圧変換時に2割程度の電力損失が発生するので、3.7V10000mAhのバッテリーであれば、そのままの電圧で使えば、3.7Vx10000mAh=37000mWhの電力を持っているのですが、これを5Vに昇圧すると損失分を引いて37000mWh÷5Vx0.8≒約6000mAhの容量にまで減少してしまいます。
 要するに、3.7V10000mAhのモバイルバッテリーでバッテリー容量5000mAhのスマホを充電するとなると、1.2回分しか満充電に出来ない訳です。
 これは、詐称でもなんでもありません。ただの仕様です。仮に3.7V20000mAhのモバイルバッテリーを使ったとしても、バッテリー容量5000mAhのスマホを2.4回分満充電すれば、モバイルバッテリーは空になってしまいます。

モバイルバッテリーは返品可能な場所でしか買わない Amazonはおすすめ

 モバイルバッテリーを買うのなら、容量詐称品を掴まされる可能性は絶対にあると最初から覚悟を決めて、それがハッキリした場合、問題のある商品として返品を受け取ってくれる場所で買うべきです。
 その点でAmazonは、商品に何かしらの問題があった場合、返却時の送料無負担で返品を受け付けてくれるので安心です。

モバイルバッテリーを買ったら、先ず容量を測定する

 モバイルバッテリーを購入したら最初にすべきは、容量の測定です。
 容量を測定する為には、モバイルバッテリーと充電ケーブルの間に挟むタイプの測定用のUSB治具があると便利です。
 治具は電力測定用のテスターで、安い商品なら1000円くらいから買えます。一つあると非常に便利ですし、無いとバッテリー系の製品を買った時の初期不良チェックが出来ないので、最低限一つは必ず持って置くべきです。

 買ったモバイルバッテリーを先ずは満充電にして、その後、テスターを間に挟んでスマホ等を充電します。
 そして、モバイルバッテリーが空になるまで使い切ります。すると電力の積算容量が表示されす。
 この実測値とモバイルバッテリーに表記された容量を比較して、余りにもかけ離れていたら容量詐称品なので、不具合のある商品として返品します。
 積算容量は◯◯mWhと表示されます。これをモバイルバッテリーの表記と見比べます。電圧×容量×0.8でモバイルバッテリーの電力容量(Wh)が計算出来るので、それと積算容量とを比べて数値に極端に開きがなかったら、そのモバイルバッテリーはマトモです。
 逆に2割3割、時にはもっと少ない物は、容量詐称品かセルの不良品ですので、速やかに返品しましょう。

急速充電対応ならちゃんと急速充電可能かも確かめる

 最近のモバイルバッテリーは、急速充電─USB PD(Power Delivery)等に対応したものが多いです。
 対応を謳った商品を買ったら、一応ちゃんと急速充電が出来るかも確かめましょう。
 USB PDというのは、大電流でスマホ等を充電出来る容量にした技術です。充電時に流せる電流の最大値は、皆さんご存知の通りI=E÷Rで決まります。

 計算式は、
 流せる電流=(モバイルバッテリーの出力電圧-充電対象のバッテリーの電圧)÷色々な抵抗の合計(電池の内部抵抗や配線の抵抗や端子の接触抵抗等)
 となります。

 しかし、元々のUSBの規格で、2.0は500mA、3.0は900mA、充電用のBC1.2で1500mAと最大値が決まっているので、それ以上の電流は流れませんでした。更に、充電対象のバッテリーの電圧が低い間は大きめの電流が流れても、充電が進むにつれて電圧差が少なくなり流れる電流も減ってしまいます。
 USB PDは対応Type-Cのケーブルを使うことで、充電専用の信号ライン─CC(Configuration Channel)を介して充電器とデバイスの間で通信が行われ、充電器側で最適な電力供給量が選択される仕様なので、USBの電圧を最大20Vまで上昇可能(5V、9V、15V、20Vの4種類)、電流の最大は5A、電力として100Wまでを流せる様にした規格です。

 例えば、急速充電20Wまで対応のモバイルバッテリーに急速充電18Wのスマホを繋いだ場合、充電中に充電器側が9V2Aや15V1.2Aを出力しているのを確認出来れば、USB PDはちゃんと動作している事になります。

 偶に、最大出力を詐称しており1Aくらいしか流せないモバイルバッテリーもあります。
 注意すべきは、ケーブルにも同様に3A(最大60W)対応、5A(最大100W)対応と複数の種類があるので、大電流に対応してないケーブルを使った場合、仮にモバイルバッテリーがPD100W出力だったとしても、3A対応のケーブルを使った場合、最大3Aしか流れません。

モバイルバッテリーから直接充電用のケーブルが生えているタイプは避けた方が良い

 ケーブルの断線や端子が駄目になったら使えなくなるので、モバイルバッテリーの本体から直接ケーブルが生えている製品は個人的にはおすすめ出来ません。
 ましてや、ケーブルをストラップとして使えるタイプも販売されていたりしますが、そんなのは絶対に買わない方が良いと思います。

評価の高いレビューは金で買われている可能性あり

 中華の国の激安モバイルバッテリーを買うと、「星5のレビューを投稿して、その画面をキャップチャーしてメールで送ってくれればギフト券で1000円あげます」とか書いてある紙が、高確率で同包さらていたりします。
 要するに、金で高評価を買っている訳です。当然金が貰えるならと、その提案を実行している人も居るに違いないでしょう。提灯記事ならぬ、提灯レビューに騙されぬ様にしましょう。

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