独居におすすめ! 希少な低消費電力200W電気ストーブ
築古物件の電力契約アンペアは低め
電気製品に囲まれて暮らす現代の中で、築古な我が家の契約アンペア数はたったの20Aしかありません。
分電盤が古いタイプなので、電力会社に依頼してもこれ以上は上げられません。古めの賃貸に住んでいて、同じような事情の方も多いのではないでしょうか?
グラボを積んだPCは超・電気食い
20Aというのは、空調を使いながらパソコンで動画エンコードなどの重い処理をしているだけで、すぐに余裕がなくなります。
特に「温める系」の家電に割ける電力は、かなりギリギリです。
私の場合、パソコンは基本的に常時稼働なので、それに加えて夏に冷房を温度設定低めで使い、風呂上がりにうっかりドライヤーを使うと――普通にブレーカーが落ちます。
特に最近のPCは電気食いです。高性能なCPUに加え、さらにグラボを積むことで大電力を消費 します。
ゲーミングPC(うちのは違いますが)で重い3Dゲームを動かすと、電力消費が一気に跳ね上がります。
つまり、分電盤のアンペア数が小さい住まいでは、電力の使い過ぎは命取り。気づいた時には既に遅く、ブレーカーが落ちて「アウト」です。
ブレーカー落ちは心臓にもHDDにも悪い
我が家では、古いPCに複数のHDDを接続し、簡易ファイルサーバー(NAS代わり)として運用しています。そのため、突然ブレーカーが落ちて強制シャットダウンされると、ファイル破損のリスクが一気に高まります。
実際、過去に「ブレーカーのダウン攻撃」を食らって、データ保存用HDDを1台ダメにしたことがあります。精神的ショックも大きく、まさに“ハートブレイカー”でした。
アンペア数の小さい住まいでは、パソコンのような精密機器を使うとき、電力管理には本当に細心の注意が必要だと痛感しています。
電気ストーブも電力消費が高め
私は暑がりで、夏は冷房が欠かせませんが、冬は逆に衣類の重ね着でしのぎ、暖房器具は極力使わないようにしています。
しかし、真冬の深夜から早朝にかけて外気温が最も下がる時間帯になると、室温もぐっと低くなります。指先が悴んで感覚がなくなると、パソコンのキーボードを叩くのも辛くなってきます。
そんなとき、「足元や手先だけをピンポイントで暖められる小さな電気ストーブがあれば…」と、ずっと思っていました。
現実問題として、一般的に入手しやすい電気ストーブは、弱設定でも消費電力が最低400Wほどあります。
ブレーカー容量が小さい住環境では、400Wを常時使うだけで一気に電力の余裕がなくなってしまいます。
加えて、一度使い始めるとその暖かさに慣れてしまい、なしで過ごすのが辛くなります。400Wを一冬使えば電気代もそれなりに跳ね上がります。
消費電力の低い電気ストーブが欲しい
そこで、「もっと消費電力の低い理想的な小型ストーブがあれば買おう」と決意し、家電量販店やホームセンターをあちこち覗いて回りました。しかし、実店舗では200Wクラスの省電力モデルはなかなか見つかりません。
さらにネット通販で「200W 電気ストーブ」と検索しても、なぜか1200Wクラスの大型モデルばかりが上位に表示されます。
それでも諦めず、キーワードを工夫しながら検索を続けた結果――
ついに見つかりました。理想の200W電気ストーブが!
理想の具現化、ユアサの小型省電力ストーブ
見つけたのは、ユアサのサイコロ型の真四角小型ストーブ。サイズは約幅223×奥行218×高さ211mmと超コンパクト。
弱200W/強400Wの2段階切替式で、まさに理想的な仕様です。
ただし、人気商品ではないのか、Amazonではプライム配送の対象外(他社発送)だったのが惜しいところで、少し悔しくもありました。
とはいえ、他の通販サイトと比較しても、送料や配送速度が頭一つ抜けていたため、最終的にはAmazonで購入しました。
プライム特典は使えませんが、「理想が形になった」と言える商品だったので、購入しない理由はありませんでした。
実際に使ってみて分かったこと
200Wとはいえ、熱源があるかないかで体感温度は雲泥の差で違います。
部屋全体を暖めるのはさすがに難しいですが、近くにいれば十分暖かいです。
さらに、ストーブ前に小型ファンを置くと空気が循環し、部屋全体の室温もじんわり上がります。わずかな温度上昇ですが、それでも体感はだいぶ変わります。
そのお陰で2023~2024年、2024~2025年と、2年連続で寒い時期を暖かく過ごせました。
寒さを我慢しない冬は、本当に久しぶりです。
200W縛りでも十分な暖かさ
このストーブは強にすれば400Wですが、私は200Wの弱設定オンリーで使用しています。
200Wなら電気代もぐっと安く済み、他の家電と併用してもブレーカーが落ちる心配がほぼなくなりました。
自分の周囲だけを暖める用途なら、200Wでも十分です。これが1台あるだけで、冬の快適さが大きく変わります。
ここ数年の買い物の中で、間違いなく「購入満足度・家電部門ナンバーワン」と言えるスグレモノです。
電気ストーブの利点と欠点 ― 湿度が上がらない暖房
湿った空気は暖かく感じるが……
同じ室温なら、湿度が高い方が体感的に暖かく感じます。
そのため、電気ストーブよりも、燃焼時に水蒸気を発生させるガスストーブや石油ストーブの方が、同じ温度でも「ぬくもり」を感じやすいわけです。
高湿はカビの温床になる
住宅に「24時間換気システム」の設置が義務化されたのは2003年です。それ以前に建てられた築古の高気密住宅では、換気の設計が悪く湿度が上昇しやすく、それが大問題になります。
部屋の空気を意図して入れ替えない高気密住宅では、冬に窓を閉め切っているだけで、除湿器でも使わない限り湿気がこもり、室内湿度が80%を超えることも珍しくありません。我が家はまさにその典型です。
そんな状態で追い打ちのようにガスや石油ストーブを使えば、室内の暖かく湿った空気が外気で冷やされた窓や壁に触れて表面結露が発生し、連鎖的にカビの大発生も避けられません。換気が不十分だと空気も淀んでしまいます。
その点、電気ストーブは温度は上げても湿度は上げないため、高気密住宅でも安心して使える暖房器具です。
冬は「乾燥」だけでなく「カビ」にも注意
私の経験では、冬の高湿状態は家具や壁紙に深刻なダメージを与えます。
特にMDF素材のカラーボックスは水分を蓄えやすく、MDFほどではないにしろ木製家具も同様で、ニスなどが塗られていない素材むき出しの裏側はカビの温床になりやすいです。一冬置いて気づいたときには、一面が緑や黒のカビに覆われていた……ということも珍しくありません。
そんな事例は、枚挙に遑がないレベルで多発します。
外見的には異常がなくても、壁紙の裏や断熱材にまでカビが広がっているケースもあります。
湿度計は冬の必需品、除湿と加湿は使い分ける
部屋の湿度は感覚で判断せず、数値でしっかり管理するのが一番です。
以前、冬だからと石油ストーブに加えて加湿器まで併用していた知人の部屋の湿度を測ったところ、なんと95%を超えていたことがありました。
湿度計を参考に、部屋の湿度は40〜60%を目安に保つのが理想です。
しかし、それはなかなか難しく、住宅環境によっては 1時間に1回ほど窓を開けて空気を丸ごと入れ替える くらいしないとその範囲を維持できない場合もあります。
そこまで頻繁に窓を開けられない換気不十分な我が家では湿気が溜まりやすく、むしろ「冬こそ除湿器が必要」という状況になっております。
まれに、使い捨て除湿剤を部屋の四隅に置いておけば湿気対策は十分だと考えている人もいるようですが、そんなことは決してありません。
除湿剤には部屋全体の湿度を下げられるほどの除湿力はなく、1日に10L以上を除湿できる除湿器の代わりには到底なりません。
なお、冬の除湿には低温環境に強い「ゼオライト式」が定番ですが、室温が15℃以上あるなら、電気代の安い「コンプレッサー式」でも十分実用的です。
私は山善の自動霜取り機能付きコンプレッサー除湿器を愛用しています。冬に使うには、この霜取り機能がとても重要です。これがないとコンプレッサーが凍ってしまい、最悪の場合は停止してしまいます。
まとめ
冬の室内環境は「湿度」と「体感温度」が鍵
冬の室内は温度だけでなく湿度によっても快適さが大きく変わります。湿度が低すぎれば肌の水分が奪われ、同じ室温でもより寒く感じますし、逆に適度な湿度を保てば体感温度が上がり、暖房効率も高まります。
ただし、湿度が高くなりすぎると今度はカビの発生リスクが跳ね上がるため、“上げれば良い” わけではない点が冬の湿度管理の難しさです。
冬の理想的な湿度と管理のコツ
冬の理想的な湿度は一般に 40〜60% とされます。しかし住宅の気密性・換気量・暖房の種類によっては、この範囲を保つのが意外に難しいこともあります。
湿度が低めの部屋では、加湿器や室内干しなどを併用すると体感温度が安定し、暖房の効きもよくなります。一方で、窓を少し開けて新鮮な空気を入れるだけでも湿度の急上昇を抑えられる場合もあります。
湿度が高い冬こそ「カビ」に注意
冬は暖房で部屋を温めると、暖かく湿った空気が窓や壁の冷えた面に触れて結露しやすくなります。結露はカビの発生源になりやすく、表面に見えなくても壁紙の裏側や家具の内部で広がることもあります。
カビのリスクを下げたい場合は、湿度を50%以下 に抑えるのがひとつの目安です。
冬場の実用的な湿度・カビ対策
- こまめな換気
暖房中は空気がこもりやすいので、ときどき窓を開けて湿った空気を逃がします。特に寝室や水まわりは湿気が溜まりやすい場所です。 - 結露対策を徹底
結露した窓は放置せず拭き取り、可能なら断熱シートや結露防止フィルムで冷えを抑えます。 - 加湿器の使いすぎに注意
加湿器は湿度計を見ながら調整し、フィルターのカビ対策も忘れずに。 - 室温は上げすぎない
過度な暖房は結露を招きやすくなるため、20℃までを目安に。
このように、冬の快適さとカビ対策は「湿度と温度のバランス取り」がすべてです。湿度計で状況を把握しつつ、除湿と加湿を適切に使い分けることで、冬でも過ごしやすく清潔な室内環境を維持できます。
また、高湿を避けつつ室温をしっかり上げたい場合は、電気ストーブの併用もおすすめです。燃焼系暖房と違って水蒸気を発生させないため、部屋の湿度を不必要に押し上げず、結露やカビ対策にも相性が良い暖房手段です。

