物価高騰。野菜が高い。その辺の野草を野菜代わりで食費節約。……究極の貧乏飯。

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貧乏飯、栄養を考えれば野菜が食べたい。だが金は払いたくない

 昔の偉い人は言った。「人は炭水化物のみにて生くるものにあらず」と。いや、もっと限定的にパン重点だったかも知れないが。尤も、日本人ならパンより米か。要するに主食ばっかり食ってないで肉や野菜もちゃんと摂れという意味の筈だ。勿論、異議は認める。

 食費を極限まで節約したいなら、米のご飯に塩を振りかけて(実質オニギリ)食べれば安く付くけど、絶対健康には良くなさそう。まあ米は美味いので、白飯だけでも生きてはいけるだろうけど……。そういえば、江戸時代に白米中心の食事の所為で脚気が流行した歴史があった。やはり、主食のみで腹を満たすのは健康に良くない。

 しかし、肉や魚ならまだしも、物価高騰でかなりクソ高くなった野菜を買うのにはどうも抵抗ある。野菜も所詮は草。身体の為には摂取した方が良いのは判っているが、草に高い金を払いたくない。ならもういっそ、身近な道端や川の土手に生えている可食可能な野草を採って食べれば無料だし、食費節約の為には、寧ろ積極的に野草採集を実践すべきではないのか。と、最近真剣に考える様になってきた。主食の米すら恐ろしい事にジワジワ値上がりしだしている。恐るべし、物価高騰。

 今回、米を崇め奉るイメージ・イラストとして、何かこう、霊験あらたかでご利益ありそうな感じの画像を貼って置くことにした。

子供の頃は……野草を食べた。

 子供の頃は、実家が田舎だったので、家の周りには自然が多かった。田圃や畑が在り、未舗装路の脇には、野草が沢山生えていた。

 小学生低学年の頃だったか、春に田の畦道に土筆が大量に群生していたので採って帰り、母親に汚いから其の辺に自生してるのを持ち帰るなと嫌な顔をされるも、炒めて貰って食べたら、子供の舌では全く美味くなかった記憶がある。

 グミの木になっているグミの実を採って食べた事がある。当然市販の果物と比べたら糖度が少なく、美味しく感じなかった気がするが、今なら多分、無料で果物が食えるの最高! と、喜び勇んで貪り食うだろう。

 近所には小山っぽい高台まで在ったので、そこでタラの芽を採ってきて、家で天ぷらにして食べたら、これは至極美味かった。タラの芽は、スーパーで買うと割と高級食材なので当然か。

 その小山で自生の長芋(自然薯?)を掘った事もある。短くて細い貧相なのしか採れた事がないが、擦り下ろして食べたら異様な迄に粘りが強く、市販の長芋とは比べ物にならないレベルで美味かった。

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 学校の立地も小高い丘山だったので、昼休みに山に入って自生の栗の実を拾い、焼却炉の鉄の蓋の上に置いて焼いて食べた事も在った。

 思えば昔は割と、其の辺に自生している野生植物の恵みを口にしていた。田舎の子供の面目躍如……とでも、自慢する処なのだろうか?

野草を食べたいが、採集は面倒。

 子供の頃、自然の恵みを手軽に収穫出来たのは、田舎暮らし故の潤沢な自然のお陰やも知れないが、一番の理由は多分、暇で時間を持て余していたから、だった気がする。

 家に居ても室内の遊びが余りなかったし、四六時中親の顔を見ているのも嫌だったので、よく外をほっつき歩いていた。思えば、駄菓子屋に入り浸り駄菓子片手に店先に置いてある1プレイ¥20円のアーケード・ゲームに夢中でのめり込める程、小遣いに余裕がないので、暇潰しで野草を摘んだりしていただけだ。その頃は家で飯、無料で食えたしね。

 しかし、或る程度の年齢になって家庭用のゲーム機やパソコンで遊ぶ様になってからは、超インドア派まっしぐら。独居を始めてからは、更に輪を掛けて外出しなくなった。

 最低限、生活して時々欲しい物買う金が要るので仕事には行くが、その帰りにスーパーに寄って見切り半額の惣菜でもあれば買って家に帰ったら、その日はもう外にはでない。

 休みの日は、室内にずっと引き籠もるのが至福で定番。踏み台昇降を自宅内でやる様になってからは、運動の為に外出する必要もなくなっているので、正に引き籠もり天国だ。

 ……あれ? こんなので野菜代わりの草採りに行けるのか? 出歩くのキツくね? 態々自然の多い河原へとか遠征したくないし。もしや結構、詰んでる。

大丈夫。家から5分圏内でも、食べられる野草はある

 流石にちょっと、食べ応えがある美味しそうな野草を探すには、自生していそうな場所にまで赴かねばならないので面倒ですが、高望みせず、取り敢えずは、近所の道端にでも生えている手頃な雑草から、可食になる野草を選び抜けばきっと大丈夫な筈。

 多分、オオバコやヨモギくらいなら何処にでも生えていそう。ちょっと下を気を付けて歩けば、直ぐ見付かると思います。この辺りの野草なら、パッと見てこれだと判別が付くし、間違えてよく似た毒草を採ってしまう事もないでしょう。タンポポやドクダミも確か食べられます。ノビルが手に入れば是非食べたいですが、流石に道端には生えてないよね。

 確か、厚生労働省が毎日350gの野菜を摂取すると生活習慣病の予防になる、みたいな推奨をしていた筈。その基準を目安に、オオバコの葉っぱを3、4枚も食べとけば、ちゃんと野菜を採っていますと胸を張っても問題なさそうです。重さが不明なので、それじゃ全く足りてないかも知れませんが。しかし、不足分はホームセンターで大麦若葉粉末が安く売っていたので、そういうので補充すればいいでしょう。何とか充実した野菜生活が送れそう。多分。

でも野草を食べるのは危険がいっぱい!

画像はイメージです

 最後になりましたが、そこら辺に自生した野草を食べる行為には当然、危険が付き纏います。間違いなく、犬猫の糞尿や排気ガス等で汚れているでしょうし、病原菌や寄生虫の卵が表面に大量に付着している可能性も高い。

 寄生虫系はうっかり口に入れてしまうと洒落にならないレベルで本当に危険です。

(小学生の頃読んだ、つのだじろうの漫画「デスマスクの旋律」で、回虫ヤバいわ、と刷り込まれた。)

 ちゃんとした畑で栽培された野菜は、散布される農薬で殺虫(寄生虫含む)処理が施されていますが、野草は無処理。何と言っても自生の草ですから。

 農薬は、野菜を害虫に食い荒らされない為に畑に散布する。と思っている人は多いと思いますが、実際、寄生虫も殺処分してくれるんですよね。

 何でも、昭和40年代迄の日本では、土壌伝播蠕虫の代表格である回虫に人口の4割が寄生されていたといいます。食物が不足した戦時中、終戦直後には、飢えを凌ぐのに当たり前に野草を食して、大勢の人間が寄生虫に寄生されてしまっていたというのだから恐ろしい。

 無料の物は安全性が低い。貧乏飯は常に危険と隣り合わせ。野草に触ったら手をよく洗って、野草もよく洗って、更に絶対に生食は控えて加熱してから食するべきでしょう。手や野草の洗浄に、次亜塩素酸水を使った殺菌を試みても決して大げさではないくらいです。(注意。次亜塩素酸水で手を洗うと実際肌に悪影響。本来非推奨。)

 食費を抑えるのに野草を食べるのなら、衛生面に細心の注意を払って、自己責任で覚悟完了して食べるべきです。

 貧乏飯。ああ貧乏飯。

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