紫外線A波LED UV-A 5mm砲弾型 OptoSupply 365nm OSV1YL5111A
別に特別安い訳でも無いけれど、Amazonでポチれば送料込み680円で手軽に通販で入手可能な紫外線A波のLED、OptoSupply製のOSV1YL5111Aの現物を入手したのでレビューしたいと思います。
まずは、この商品の詳細な仕様ですが……。
- メーカー:Opto Supply
- 型番:OSV1YL5111A
- VF(順方向電圧):3.4V(3.0-3.8V)
- IF( 順電流):定格20mA(MAX30mA)
- VR(逆耐圧):5V
- PD(許容損失):114mW
- RF(放射束):4mW
- ピーク波長:365nm(WD:360-370nm)
Amazonや秋月電子の販売ページを参考にすると、如上の様な感じでした。
お値段に関しては、他の商品と纏めて大量買いするのなら秋月電子で買った方が安いですが、10個とかの少数で良いのなら、Amazonで買った方が早いし、送料を考えたらお得です。
OSV1YL5111Aは、特にこれと言った注目点も無く、至極普通のUV-A帯の紫外線を発生させるよくあるLEDの1つです。
……とはいえ、ピーク波長がA波としては短目の365nmなので、レジン硬化等に使用する場合の紫外線強度は、それなりに期待出来そうです。
VF(順方向電圧)はバラ付きが大きいのかな、と思いきや、予想に反してかなりきっちり揃ってました
OSV1YL5111Aの仕様を秋月電子で見ると、VF(順方向電圧):3.0-3.8Vとなっていたので、結構VFがバラ付いているのかと思いましたが、実際にはそんな事はありませんでした。
USBの5V電源に80Ωの抵抗を中に挟んで、OSV1YL5111Aの点灯テストを行い、その時に流れる電流を測定してみたら、全て略20mAだったので、VFが全部綺麗に揃っているのが判りました。
80Ω✕20mAで抵抗には1.6Vの電圧が掛かっていることになりますので、LEDのVFは約3.4Vと見て大丈夫の様です。
VFが揃っていてくれるので、これは使い易いLEDだと思います。値段の安い訳アリ品だとこうは行きません。
バラ付きの多い特価品を買うと、本当にVFがバラバラなので、LED1個1個に電流を調整する為の抵抗を挟む必要があり、工作が面倒です。
LEDは定電流で点灯させるのが普通だがVFが揃っているので定電圧でも大丈夫そう
複数のLEDを纏めて点灯させるのには、普通は定電流回路を利用します。
しかし、今回は定電流回路を用意するのが面倒だったので、定電圧回路で点灯させる事にしました。(この方法は、VFのバラ付きが大きい複数LEDの点灯には向きません。)
電源は、モバイルバッテリーのUSB出力の5Vを使います。LEDのVFが3.4Vなので、抵抗2本を使った分圧で、大元の電圧の5Vから3.4Vを作ります。
しかし、端に分圧で3.4Vを作っただけでは電流が足りないので、安いNPNトランジスター、2N2222を使って電流を増幅します。
よく知られた、エミッタフォロアというトランジスターの使い方です。ベースに入力した電圧がVBE分(約0.6V)だけ下がるものの、電流が増殖されて電圧は殆どその儘、エミッタから吐き出されます。
即ち、分圧(510Ω:2KΩ)で4Vを作って2N2222に入力すれば、出力は大体3.4Vの電圧になる訳です。(実際には0.1V程度の誤差が出ます。)
流せる電流はトランジスターのhfe(電流増幅率)で決まります。この回路だと多分、200mAくらい迄は流せると思います。
そんな前提で、OSV1YL5111A✕5個を、並列に基板に取り付けてみました。LEDの1個1個に抵抗を繋ぐよりも組み立ての手間は遥かに少ないです。(特に数が多いとそれを実感する。)
この状態で、5Vを印加すればLEDはちゃんと点灯しました。
2N2222は最大Ic600mA迄(定格はその半分以下)流せるので、LED10個くらいならこの回路で余裕を持って点灯可能。
しかしこのOSV1YL5111Aですが、アイキャッチの画像の様に秋月電子通商のLEDの袋には赤紫(朱)色(バイオレット)と書かれており、紫色の色見本シールが貼られていますが、実際に点灯させると紫系ではなく黄緑色に見えるんですが、私の目がおかしいのてしょうか?
少なくとも、綺麗な赤紫(朱)色の発光では無いと感じます。袋の色見本シールやカラー表示名を見て、紫色に光るのを期待してOSV1YL5111Aを購入すると、残念な結果になりそうです。
尤も、LEDの発光色はパッケージされた袋に色見本のシールと色名が書いてあるだけで、Amazonでも秋月電子通商でも、WEBの商品紹介ページには色に関しては何も書かれていないので、パッケージだけを見て買う人以外は、色に関して変な期待はしないと思いますが。
写真では白っぽいが、実際に見ると黄色が強い黄緑色です。
OSV1YL5111Aから紫外線UV-Aは出ているか?
まあ色は兎も角として、紫外線LEDで一番大事なのは、紫外線がちゃんと出ているか否かです。
紫外線が確り照射されているか、念の為にチェックしました。
先ずは、OSV1YL5111Aの光を、UVテストカードに中ててみます。
このUVテストカードは、UV-A波やB波を中てると赤い枠内にUVの文字が浮かび上がり、C波を中てると緑の枠内にUV-Cの文字が浮かび上がります。
何回くらい再利用可能なのかは不明ですが、価格が安いし或る程度の回数は間違い無く使えるので、UVの有る無しを調べるには非常に便利な代物です。
そして、このUVテストカードでチェックすると、問題無くUV-Aは出ているみたいです。
更に、どの程度の紫外線強度があるのかも調べてみました。
紫外線強度計SP-82UVを使って、UV-Aの照度を測定してみました。その結果は1081mW/cm2となりました。それなりに強力な数字です。
紫外線強度計を測定したマザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UVのレビューに関してはこちらです。
レジンが固まるか? のテスト
UV-Aライトの用途は何かと言えば、レジンの硬化に使用すると応える方が多いと思います。
私も、レジンの硬化に使用する予定です。
結果を書くと、ダイソーのUVレジンで硬化テストを行ってみた処、OSV1YL5111Aの光でレジンは確り硬化しました。
やはり、365nm帯のUVA-LEDは、395nm帯のUVA-LEDよりもパワーがある様で、レジンの硬化には向いているみたいです。
その所為か、395nm帯のUVA-LEDを使うよりも、レジンの表面のベト付きも早く取れる気がします。
AmazonでOSV1YL5111Aを購入すると10個入なので、10個をフルに使って照射面積の広いUV-Aライトを作ると良いかと思います。
UV-Aライトを自作するのならば、OSV1YL5111Aは中々おすすめのLEDです。