加湿器は不要……そんなふうに考えていた時期が俺にもありました
室内の空気が乾燥するので、冬は加湿器を使うという人は多いと思います。
エアコンの温風や電気ストーブで空気が乾燥するのは理解できます。
しかし一方で、冬は「加湿器を使うのが当たり前」と思い込み、燃えると水蒸気を発生する燃料式の暖房器具を使っているのに湿度計も置かず、さらに加湿器を併用して、結果的に部屋の湿度をとんでもなく上げてしまっている人も確かにいます。
我が家の場合、基本的に冬に暖房器具は使いません。家の空調には冷房機能しかなく、使ってもせいぜい小型の電気ストーブ程度。ガスや石油のストーブのように水蒸気を出す暖房器具もありません。
……にも関わらず、築古の高気密住宅で換気効率も悪いため、空気の流れが乏しく、湿気がこもりやすい環境です。そのせいで冬場は室内の湿度が逆に高くなります。
湿度が高いと窓が結露して水滴がつき、家具の裏側などにはカビも生えます。なので、我が家の冬の必需品は加湿器ではなく除湿機です。
そんな環境で暮らしているので、「部屋の湿度を上げる加湿器なんて絶対に不要」と考えていました。
ところが最近、超音波式の加湿器は、10〜50 ppm程度の低濃度の次亜塩素酸水を入れることで、殺菌・ウイルス不活化・消臭に使えるということを知り、加湿器の評価が一気に自分の中で急上昇。結局、USB電源で動く小型タイプを購入してしまいました。
今回は、そのUSB小型加湿器のレビューです。
格安だが仕事はできるUSB加湿器
私が購入したのは、とても安価なお値打ち加湿器です。
リンクを下に貼りましたが、Amazonでは同タイプが2個で940円程度で手に入ります。

本体にはUSBケーブルが付属していて、組み立ても簡単。高さの2/3あたりで上下に分かれ、下側が水を入れるタンク、上側に綿の芯棒を取り付ける構造です。
芯棒に吸い上げられた水を、上部にあるピエゾ素子が霧状にして吹き上げる仕組み。連続噴霧と間欠噴霧の2種類の動作モードが選べます。
上下の接合部分は透明になっており、内部のLEDが点灯するので、稼働中かどうか一目でわかる仕様です。見た目がきれいなので、ちょっとしたインテリアにもなります。
本来はタンクに水道水を入れるのですが、ここに10〜50 ppmの次亜塩素酸水を入れることで、殺菌・消臭機能を持った簡易噴霧器になります。
正直、この加湿器が公式に次亜塩素酸水対応かは不明ですが、実際にしばらく使用しても特に不具合は出ていません。
もちろん、生体に有害なレベルの高濃度(数百ppm以上)の次亜塩素酸水を入れれば故障や健康被害のリスクもあるでしょう。しかし50 ppm程度の低濃度なら実用上問題は少ないと考えています。
仮に寿命が縮んで1年以内に壊れたとしても、この価格なら十分元は取れるかな、という気持ちで使っています。

空間噴霧用の次亜塩素酸水の生成は濃度管理が面倒
空間噴霧に使う次亜塩素酸水は、濃度管理が非常に重要です。
- 高すぎれば、加湿器を傷めたり健康被害を引き起こす可能性がある
- 低すぎれば、殺菌・消臭効果が得られず、単なる加湿になってしまう
加湿器タンクの水(=次亜塩素酸水)は、間欠噴霧にしても半日もすれば空になります。そのたびに50 ppmの次亜塩素酸水を都度作るのは面倒です。
そこで私は、500 mlのペットボトルに水を入れ、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム粉末を0.2 g加えて200 ppmの次亜塩素酸水を作成。それを4倍に薄めて50 ppmにして使用しています。
ただし、次亜塩素酸水は時間とともに濃度が下がっていきます。一度に大量に作っても持ちが悪いので、500 ml単位がちょうど良いと感じています。
また、生成から1〜2日も経つと濃度は確実に下がるので、小まめな濃度チェックが必須です。
塩素濃度測定には試験紙が便利
問題は濃度の測定です。市販の水槽・プール・お風呂用の試験紙は測定範囲が低すぎて、200 ppmや50 ppmは測れません。
そこで私は、Amazonで約1,600円で購入できるトーホー(TOHO)製の塩素試験紙 CM-240Vを愛用しています。
- 測定範囲は10〜200 ppm(10/50/100/200 の4段階)
- 200枚入りでコスパが良い
- 試験紙全体が反応領域なので、1枚を小さく切って分割使用できる

私は5分割くらいにして使っていますが、それでも十分判定できます。そうすると実質1,000回分以上の測定が可能。毎日数枚使っても、使い切る前に消費期限(およそ2年)が来てしまうほどです。
次亜塩素酸水を低コストで生成して加湿器に使うなら、低濃度用と高濃度用、両方の試験紙を揃えておくのが必須だと思います。
最後に
私自身、ずっと「加湿器なんて不要」と思っていましたが、次亜塩素酸水の空間噴霧に使えると知ってから考えが一変しました。
実際に使ってみると、安価な小型加湿器でも十分に仕事をしてくれて、部屋の空気がすっきりするような感覚(個人の感想)があります。
もちろん、次亜塩素酸水の濃度管理や加湿器の寿命といった課題はありますが、テスト紙を併用すれば安全に運用できますし、コスト面も抑えられます。なにより、「消臭・殺菌・ウイルス対策をしながら加湿器が活用できる」という点は非常に魅力的です。
もし私と同じように「うちは加湿器なんて必要ない」と思っている方でも、次亜塩素酸水を活用した空間噴霧という観点から考えると、意外と使い道が見えてくるかもしれません。
安価なUSBタイプからでも十分始められるので、興味があればぜひ試してみてください。