「新リバイアサン リフト/The Rift」スペイン1990 映画の感想、あらすじ、ネタバレ レンタルビデオ全盛期の深海SFホラー

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映画

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「新リバイアサン リフト/The Rift」始めに

『新リバイアサン リフト』(原題:The Rift、スペイン1990)は、深海探査をテーマにしたSFホラー映画です。この映画は、未知の恐怖が潜む深海での緊迫した探査ミッションを描いています。
 邦題に「新リバイアサン」とあるのは、1989年に深海SFホラーの「リバイアサン/Leviathan」が日本で公開されていたので、同じジャンルで似た内容だし、関連性を匂わして続編めいた邦題にしとくか、みたいな配給側の意図で付けられたと思われます。しかし、実際には関連性は全くありません。

 ところで、邦題で続編偽造する作品が出る程、「リバイアサン/Leviathan」は、興行収入がそんなに良かったのでしょうか? 個人的に嫌いではないB級映画でしたが、化物が中々出てこないのがつまらなかった記憶があります。 

あらすじ

 映画は、アメリカ海軍の最新鋭の潜水艦「セイレーンI」が行方不明になったことから始まります。この潜水艦は、軍事機密を含む重要な任務を帯びていました。海軍は緊急対応として、「セイレーンII」という新たな探査船を派遣します。セイレーンIIには、オリジナルのセイレーンIの設計に関わった海洋学者のウィック・ヘイズ博士(演:ジャック・スカリア)が参加することになります。

 ヘイズ博士と共に、セイレーンIIにはキャプテン・フィリップ・カークランド(演:レイ・ワイズ)、ヘイズ博士と昔恋愛関係にあった事のある生物学者ニーナ(演:デボラ・アデア)をはじめとする多彩な専門家チームが乗り込みます。彼らはセイレーンIの行方を追って深海へと向かいます。

 調査が進むにつれ、チームは異常な事態に直面します。深海の中で、彼らは奇妙な生物に出会います。これらの生物は、放射能や遺伝子操作によって異常に進化したもので、非常に攻撃的です。怪物たちは船員たちを襲い、次々と命を奪っていきます。

 深海の調査中、チームはセイレーンIの残骸を発見します。しかし、その周囲には、まるでセイレーンIを守るかのように怪物たちが集まっていました。チームは恐怖と戦いながら、セイレーンIの内部に潜入します。そこで彼らは、セイレーンIがただの探査船ではなく、深海の未知の生物を兵器化しようとする秘密の軍事実験の一環だったことを知ります。

 セイレーンIは、未知の生物を研究し、兵器として利用するための実験を行っていました。しかし、これらの生物は制御不能となり、実験は大失敗に終わります。これが原因で潜水艦は破壊され、乗員は全滅してしまいました。

 ヘイズ博士とキャプテン・カークランドは、この恐ろしい真実に直面しながらも、生き残ったメンバーを救出しようと奮闘します。彼らは、深海基地を破壊し、怪物たちを封じ込めることを決意します。チームは基地に仕掛けられた爆弾を起爆させます。

 最終的に死地からなんとかセイレーンIIに戻ってこられたのは、ヘイズ博士、ニーナ、キャプテン・フィリップの3人でした。しかし、彼らがセイレーンIIに辿り着くと、セイレーンIIで待機していたロビンズ(演:レイ・ワイズ)が、実は裏切り者であり、実験基地が破壊された後、その存在を知ってしまったメンバーも全員始末して、深海で密かに生物兵器の軍事実験が行われていた事を隠蔽する使命を負っていた事が明らかになります

 セイレーンIIの艦内でロビンズと一悶着あり、セイレーンIIが自爆する直前、ヘイズ博士とニーナはかろうじて脱出に成功し、深海からの生還を果たします。基地は崩壊し、怪物たちは永久に封じ込められます。しかし、この恐怖の経験は、彼らの心に深い傷を残すことになります。

『新リバイアサン リフト/The Rift』は、深海で起こる不気味な恐怖を巧みに描き、観客を中々に楽しませてくれる奇怪さが魅力です。軍事的陰謀と科学的好奇心が交錯する中で、未知の脅威に立ち向かう人々の姿が描かれています。

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かなりネタバレ含む感想

 この映画の敵は主に植物です。海底の亀裂深くに潜ったセイレーンIIは海藻の群生地に到達します。光が届かず光合成が行えない深海に植物である海藻が生息出来る筈が無いのに、現実には何故か鬱蒼と繁茂している。
 生物学者ニーナが、この奇妙な海藻のサンプルが欲しいと言い出したので、ダイバーが海に潜ってサンプルを採集します。しかし、そのダイバーは海藻に襲われて死にます。
 海藻のデザイン自体は特別これといった斬新さはないのですが、見るからにヌメヌメしていて汚らしそうな感じは個人的に好きです。人間を襲う敵の姿が割りと最初の方から確りと判るのも良いです。低予算映画だと、ラストの3分くらいしか化物がちゃんと姿を顕わさないパターンが多いので。

 やがて海藻はセイレーンIIを捕らえ、潜水限界震度を超える深い亀裂の底に引き摺り込もうとします。しかし、ヘイズ博士がレーダー隠蔽装置の極性を反転させ海藻に照射する方法を思い付き、海藻の捕縛からなんとか脱出しました。

 その後、亀裂の横に海底洞窟を発見します。なんと行方不明になったセイレーンIからの信号がその洞窟から出ており、セイレーンIIは洞窟に侵入します。その先には、空気のある空間が存在しました。
 そこは、深海の生物の兵器化を試す秘密の軍事実験基地でした。
 セイレーンIIの乗組員の一部がその空間に突入すると、そこは化物植物の巣で、中に入った人間に向かって化物植物の触手(蔦)が次々と襲ってきます。
 化物植物は人間に向かって種子か何かを発射してきます。人間の体内に植物の一部が侵入すると、その人間は麻痺します。仲間になんとか救出され、一瞬助かったかに見えても、寄生した化物植物が直ぐに体内で成長して、その触手が体表を食い破って暴れ出し、その人間は結局は死にます。
 いや良いですね。こういう気持ちの悪い植物クリーチャー。種子みたいなのを人間の体内に寄生させて内部から侵食するという設定も、お約束ですが、不気味で素晴らしいです。

 その頃、セイレーンIIの艦内では、ちょっと目を離した隙にサンプルとして採集した海藻が異常増殖を始め、艦内に蔓延り始めます。
 艦内の酸素再生装置の調子がおかしくなり、乗組員の独りが点検に行くと、酸素再生装置の設置してある室内には汚濁した粘液を滴らせる不気味な海藻がびっしり。点検に行った乗組員は、止せば良いのに不用心に素手でその海藻を触ります。途端に海藻から汚液が噴出し、乗組員の顔面にぶっかかります。
 別の部屋で休憩していた雑務係の男が、悲鳴を聞いて酸素再生装置の部屋を覗くと、身体の表面を海藻に覆われ苦しむ乗組員の姿を発見し、驚いて逃げ出し艦長にその異常事態を報告します。
 ニーナと艦長のフィリップが様子を見に行くと、乗組員は全身を海藻に飲み込まれ、殆ど虫の息でした。ニー ナはサンプルが増殖して艦内を侵食し始めていると言います。その時に海藻は既に、艦内の水道システムを汚染していました。
 人体を侵食して繁殖する、ヌメるカビめいた不気味な植物。B級ホラーの面目躍如です。古い映画はCGでなくSFXで、汁気が多くグロい見せ場の演出をしてくれるので、見た目が汚らしくて素晴らしいです。

 その後、海藻に汚染された水道の水を知らずに飲んでしまった雑務係の男も、海藻に寄生され腹痛を訴えだします。残念な事に、雑務係の男はこの後に隔離されるだけで、植物に侵食されていく過程のビジュアル的な表現はありません。
 出来れば、ここでグロくゴアな描写を盛り込んだシーンを、確り造り込んて欲しかったです。

 そして場面はクライマックスへと進みます。
 裏切り者のスパイ、ロビンズとの一戦では、ヘイズ、ニーナ、フィリップに海藻を寄生させて殺そうとしたロビンズが、逆に海藻に顔を押し付けられ海藻に寄生されるというシーンがあり、中々いい演出ではありますが、ここもちょとグロさが足りません。
 この時に、艦長のフィリップが海藻に触れてしまい、左手首に海藻が寄生してしまいます。ちょっと触ったら、もう感染(寄生)されて終わりというのは素敵な設定です。
 寄生された艦長は、この危険な生物兵器を地上に解き放つ訳には行かないので脱出を諦め、ヘイズとニーナを脱出艇で海上に逃がした後、独り自爆するセイレーンIIと運命を共にします。そして物語は終劇です。

 僅かに接触するだけで人間に感染して寄生する、汁気たっぷりの不気味な植物系の化物が出てくるホラー映画が好物なら、「新リバイアサン リフト/The Rift スペイン1990」は一度鑑賞しておく価値ありです。

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