「吸血怪獣チュパカブラ/A NOITE DO CHUPACABRAS」ブラジル2011 UMAホラー映画の感想、あらすじ、ネタバレ

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映画

ロドリゴ・アラガォン監督作品2本目 吸血怪獣チュパカブラを鑑賞

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 ロドリゴ・アラガォン監督の撮った、世界観が繋がってるホラー映画シリーズ。その1作目である「デス・マングローヴ ゾンビ沼」に続いて、2作目の「吸血怪獣チュパカブラ/A NOITE DO CHUPACABRAS」もやっと鑑賞しました。
 最初に先ず作品に対する勝手な文句から書けば、この映画も前作同様に無駄に尺が長かったです。助長な部分が多くて時間だけが長いので、見てて途中でダレます。
 ロドリゴ・アラガォン監督に、もうちょっと編集で話を短く詰めて下さいとお願いしたい。その方が絶対に面白くなると思います。

 何と言えば適切なのかよく判りませんが、映画タイトルの通り、家畜と、時として人間も襲う南米産の吸血UMA、チュパカブラが登場しますが、作中でチュパカブラの活躍はそこまでメインではありません。
 チュパカブラが原因で誤解が生じ、仲が悪くなった2家の抗争が、内容の9割程度を占める映画です。
「デス・マングローヴ ゾンビ沼」からの繋がりは薄いですが、次作品「シー・オブ・ザ・デッド」への繋がりはそれなりにあります。
 ロドリゴ・アラガォン監督作品といえば貧困と不潔な生活環境だと勝手に思ってましたが、この作品は前作品程、その辺りの描写は顕著では無かったです。
 湿り気のある水場の近くが舞台では無く、田舎の大自然の多い山中で物語が展開して行からなんでしょうか?

 鑑賞ソースは昔にGYAO! で無料視聴が出来た頃に録画した日本語字幕版です。この先に、雑にあらすじとネタバレを書くので、未見の人は読まない方が良いかも知れません。

あらすじとネタバレ(シー・オブ・ザ・デッドへの繋がり)

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前半

 ブラジル南部の田舎の村に、シルヴァ家とカルヴァーリョ家という2つファミリーがありました。
 シルヴァ家は土地を沢山持っています。カルバーリョス家の長タデウは、シルヴァ家の長ペドロに土地を売ってくれと頼みますが、ペドロは断ります。
 その後、首元を噛まれて死亡したタデウの死体が、シルヴァ家の敷地内で見付かります。(多分犯人はチュパカブラ)
 カルヴァーリョ家の人間は、ペドロがタデウを殺したと思い込み、猟銃を持ってシルヴァ家を襲撃しました。
 銃撃による奇襲で甚大な被害を受けたシルヴァ家の長ペドロは、カルヴァーリョス家に土地を寄付する事で、休戦協定を成立させました。
 一時仮初の平和が訪れたのですが、両家の仲は最悪になり、何かの切掛があれば何時でも一触即発で殺し合いに発展してもおかしくない状態です。

 冒頭は、シルヴァ家の家畜が殺される処から始まる。ペドロは、これはチュパカブラの仕業だと、警戒を強める。

 都会に出ていたシルヴァ家のドゥグラスは、妊娠した嫁のマリアを連れて田舎の実家に帰省した。

 死んだ(殺された)ヤギの死体をペドロは埋めて処理しようとするが、シルヴァ家のドゥグラスを除く3兄弟達(割とバカ)は、父親のペドロに黙ってそのヤギを埋めずに、解体して食肉として売りに行こうとする。
 嫁と喧嘩したドゥグラスは、止せば良いのに、3バカ兄弟が肉を売りに行くのに同行する事にした。

 シルヴァ家の4兄弟は、バケツに入れたヤギの肉を両手に持って、オットーの経営する酒場を訪れる。
 この酒場は、次作の「シー・オブ・ザ・デッド」でも登場する。酒場には、店主のオットー、従業員のアルビーノ、常連客のブロコイオの姿があり、彼らも次作でそのまま登場する。
 更に酒場の店内では、直ぐに出て行きますが、前作デス・マングローヴ ゾンビ沼」で生き残ったルイスらしき男が陰鬱な表情で酒を飲んでいます。
 そしてブロコイオが、「この島の周辺にはもう魚はいない。北から大きな黒い塊が流れて来て全て食ってしまった」と「シー・オブ・ザ・デッド」の設定を匂わす話しています。多分、大きな黒い塊とは、「シー・オブ・ザ・デッド」のラストシーンに登場するあの巨大な奴の事でしょう。

 オットーはシルヴァ家の兄弟達が持ち込んだ肉を臭いと言いながら安く買い叩きます。
 シルヴァ家の兄弟達が酒を飲み始めると、折り悪くカルバーリョス家の兄弟達も酒場にやって来て、仲の悪い両家は店内で居合わせます。

 オットーがヤギの肉を焼いて客に出します。しかし、やはりヤギの肉は腐っていたらしく、食べた客達が緑色の水みたいなゲロを一斉に口から吐き始めます。
 カルバーリョス家が「腐った肉を食わせたな」と怒り出すと、オットーは「これを持ち込んだのはシルヴァ家の連中だ」と全ての責任をシルヴァ家に擦り付けます。
 怒ったカルバーリョス家がシルヴァ家に喧嘩を吹っ掛けます。こうして店内では両家の喧嘩が始まります。

 時間は少し戻る。家畜を殺したのがチュパカブラだと推測したペドロは、鶏を囮に猟銃を構えて、チュパカブラが誘き寄せられて姿を見せたら撃ち殺すつもりで、木の上で待ち構えていた。

 オットーの酒場の椅子やテーブルを壊しながら、カルバーリョス家とシルヴァ家の喧嘩は白熱します。
 お互い殴る蹴るの暴力で応酬を繰り返した後、シルヴァ家の面々が逃げ出します。

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後半

 シルヴァ家の4兄弟が家に帰り着くと、ペドロが死亡していました。
 ドゥグラス以外の3兄弟は、「カルバーリョス家め、やりやがったな」と、猟銃を持ってカルバーリョス家へ報復に向かいます。
 残ったドゥグラスは、ペドロの身体に刺さった銃の部品から、ペドロの死因は銃の暴発であると推測します。
 両家の無益な戦いを直ぐに止めなければ大変な事になると、ペドロはカルバーリョス家へ向かいます。

 カルバーリョス家では、傷を負って帰って来た息子を、母親が手当てしていた。傷を縫い、ロドリゴ・アラガォン監督作品では恒例となる、傷口に焼いた檸檬を押し当てる謎の治療方法が、ここでもちゃんと披露されます。
 その時、こっそりとカルバーリョス家に近付いたシルヴァ家の3兄弟は、カルバーリョス家へと銃弾を撃ち込みました。結果、銃弾で母親が撃たれて死亡します。
「やつらを皆殺しにしな!」母親の遺言に従って、奇襲を受けたカルバーリョス家は反撃を開始します。
 銃撃戦が始まり、カルバーリョス家のアントニオがフレンドリーファイアで撃たれて死亡したが、シルヴァ家の3兄弟も全員が返り討ちとなって死亡した。

 その頃、シルヴァ家はチュパカブラに襲われていた。
 母が首を噛まれて死亡。キカ(ドゥグラスの妹)とマリアは外へ逃げ出し、小屋に隠れた。
 しかしチュパカブラは追って来て、壁を壊して侵入しようとした。
 キカは、マリアに箱の中に隠れる様に指示すると、自分は外へ飛び出す。
 チュパカブラはキカを追い掛けて行き、最終的に追い付かれたキカは、ナイフを構えてチュパカブラと対峙しますが、その後に恐らく死亡したと思われます。
 チュパカブラの姿が消えた後、マリアは箱の外に出た。

 ドゥグラスはカルヴァーリョ家の近くまで来て、様子を伺っていた。するとカルヴァーリョ家のラウルに見付かり、追われたので、慌てて森の中に逃げて木陰に隠れた。
 しかし、ここで突然登場した謎の男にドゥグラスは後頭部を殴られ、気絶させられて捕まった。
 意識を失っていたドゥグラスが覚醒すると、身体を縛られていた。見れば、謎の男がラウルを殺し、その内臓を取り出して焚火で焼いていた。
 男は片手に魔術書を持っている。書名は登場しなかったが、それは次作から登場する「失われたシプリアンの書」だと思われる。
 男が感謝の印だと言って金貨の入った袋をラウルの腹の中に詰めた後、呪文を詠唱して焼いた内臓を食べると、男の顔の古い皮膚が捲れ、その下から新しい皮膚が出来上がって来る。ラウルは、若返りの魔術の生贄に使われたらしい。
 男は次にドゥグラスに何かしようとするが、その時、カルヴァーリョ家のイヴァンとアギナルドが現れ、弟を殺した男を殺します。謎の男の出番は短く、それであっさり死んで終わりです。
 一応、「シー・オブ・ザ・デッド」で死体の状態で男は再登場する。

 どさくさに紛れて逃げ出したドゥグラスが家に帰ると、母親の死体が転がっていた。マリアの名を呼ぶが、マリアの姿は見当たらない。
 カルヴァーリョ家の3人がドゥグラスを追い掛けて、家までやって来る。
 イヴァンとアギナルドがドゥグラスを捕まえて暴行を加えている間に、レジナルドがチュパカブラに襲われ、そのまま連れ去られる。
 イヴァンとアギナルドも、倒さなければならない本当に危険な敵が、シルヴァ家以外で存在する事に気付いた。カルヴァーリョ家の2人は、ドゥグラスを囮にして、チュパカブラを倒す算段を付ける。
 しかしチュパカブラは、アギナルドを先に襲って殺した。
 成り行きで、ドゥグラスとイヴァンは共闘する事になった。戦いの最中、チュパカブラがイヴァンを押し倒し、そのはらわたを貪り食った。その時に、ドゥグラスがチュパカブラを猟銃で撃ち殺した。
 倒れたチュパカブラを見たイヴァンは、勝利を確信後、そのまま息を引き取った。
 その後、戦いが終わり座り込んで放心するドゥグラス。その背後から息を吹き返したチュパカブラが襲い掛かる。再び、戦いが始まる。ドゥグラスは岩を拾い、チュパカブラの頭部を徹底的に破壊して、やっとチュパカブラを完全に殺す。

 朝日が昇り、マリアがドゥグラスを見付ける。しかし、ドゥグラスその時、異形の何かに変異しつつあった。
 この部分は、チュパカブラに噛まれたからチュパカブラになるのか、謎の男に何かしらの呪術を掛けられたからなのか、原因は良く判らない。

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最後に

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「吸血怪獣チュパカブラ」でも、ロドリゴ・アラガォン監督作品名物の焼いた檸檬と、タールの様な黒い血が見えたので、内容自体にはまあまあ満足は出来ました。しかし、尺が長過ぎて見てて疲れる映画でした。
 この映画、最初に書きましたが、怪物メインっぽいタイトルですが、90年代に目撃情報が相次いで一気にその名前が有名になったチュパカブラは、そんなに確り出ては来ません。
 シルヴァ家とカルヴァーリョ家が対立する原因はチュパカブラが作っていますが、この映画の重点は、人間の愚かさというか、思い込みや勘違いって怖いなという部分にあるんじゃないかと思います。
 私は「シー・オブ・ザ・デッド」を先に見てしまったので、ああ、これがあれに繋がるのか、という部分で感心してしまいましたが、「吸血怪獣チュパカブラ」を先に見ていたら、途中で突然ぶっ込まれるオカルト要素満載の謎のカニバリズム男(でもすぐ死ぬ)が、何の為に出て来たのとか、きっと首を傾げたと思います。
 何にしろ支離滅裂なストーリー展開ではあります。
 一応、「シー・オブ・ザ・デッド」「サタニック・ビースト 禁断の黒魔術」まで続けて見ると、ロドリゴ・アラガォン監督が何故、行き成りオカルト要素を何の脈略も無く投入したのか、判った様な気分にはなれます。
 なれるだけで、理解は不能だと思いますが。意味不明なりに連作の繋げ方としては中々意味深で凝っていて面白いと思います。

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