ペルチェ式ネッククーラーなのに安い でもちゃんと冷たい
首元の太い血管に流れる血液を冷やして体温を下げる便利グッズのネッククーラー。
冷房の設定温度をそれ程下げる事無く、少しでも夏を涼しく過ごす為に欲しいアイテムだと思ってはいたのだが、PCM素材の輪っか状のネッククーラーなら1000円以下で買えるものの、原価を考えれば当たり前の話で、ペルチェ式だと結構お値段が跳ね上がる。
……と、思い込んでいたのだが、通販サイトを眺めていると、なんとペルチェ式なのに1000円以下で買える激安商品を発見してしまった。
安いなら勿論、迷わず買いだ。即行でポチッて購入カートに放り込んだ。
商品名は「ウシシャ Tempo clip」。取扱い店によって値段はまちまちで、6000円オーバーで販売している店もある。私はAmazonで送料込みで980円ポッキリのを購入しました。
メーカーカタログの現行商品かどうかは不明だし、恐らく在庫処分品の様な気がしますが、届いた商品はちゃんと冷たくなりました。
ぱっと見、インターフォンみたいな形のネッククーラーです。実売価格の高い商品と違って、首の両側を冷やすのではなく、後ろを一点集中で冷やすタイプです。
理想的な冷却場所としては首の両方が良い気はしますが、ペルチェ式ネッククーラーの実力がどんなものか、お試しで一度使ってみたい場合、余り金を出したくないなら取り敢えずはこれでも充分でしょう。
そうそう、ネッククーラーとしてレビューを書いていますが、ウシシャ Tempo clipは温めも可能なので、寒い時期にはネックウォーマーとしても使えます。
ボタン長押しで電源オン
ウシシャ Tempo clipですが、ちょっと電源ボタンの操作に癖があります。オフ状態から電源ボタン長押しで冷却モードがオン。短く押すと、強と弱の切り替え。そこから長押しすると、今度は加熱モードに変わります。これも短く押すと強と弱の切り替え。そこからもう一度長押しすると電源がオフになります。
冷→温→オフがセットになっているので、ちょっと操作が面倒です。電源をONにすると直ぐにファンが回り始めます。使用中は回りっ放しです。しかし、電源をOFFにしても直ぐにファンは止まらず、暫く回ってから止まります。
恐らく、ペルチェの結露対策なんだと思いますが、最初なんで電源が切れないの? と焦りました。
通電すれば直ぐに冷たくなるし、暖かくなります。冷却モードは、肌に当てていないと結露するくらいに冷たくなります。
首でなくとも、片手で持って、おでこや手首に当てても、循環する血液の温度が下がれば体温も下がります。
室内で補助的に使うのであれば、かなり涼しくなります。
外部電源使用時は内蔵バッテリーを充電しない仕様
ウシシャ Tempo clipは、2電源対応を謳っています。内蔵バッテリーでも接続外部電源でも動作可能という意味です。
そして、外部電源で稼働中は内蔵バッテリーを充電しない仕様です。
リチウムバッテリーは充電しながら使うと温度が上昇が激しくなり、かなり熱くなります。バッテリーは熱に弱いので、その状態で使うと早く劣化します。
その辺の対策は確り出来ている様です。
内蔵バッテリーでは弱にしても2.5時間しか持たないみたいなので、長時間連続使用するのであれば外部電源が必須となるでしょう。
内蔵バッテリーを労る仕様になっているので、安心して外部電源駆動させられます。
消費電力は5Vで6W
強で使うと電力を6W消費する仕様みたいです。
つまり、5Vで1.2A流れる訳です。物を冷やしたり温めたりする電気製品は大電力を消費しますが、ウシシャ Tempo clipも、その例外では無いようです。
3.7V10000mAhのモバイルバッテリーで使うと、(5V換算で6000mAhとすれば)10時間程度は連続で使えそうです。
しかし、モバイルバッテリーで使う場合、商品に附属しているUSBケーブルの長さがたったの70cmしかなく、これでは流石に短過ぎる為、もう少し長めで線が軟らかいタイプのケーブルを、別途用意した方が無難だと思います。
USBのケーブルは或る程度の長さがないとキツい。付属品は短いので、延長するか、長いのに買い替えましょう。
ご存知とは思いますが、念の為に書いておきます。
パソコンのUSB3.x系のポートが供給出来る電流は0.9Aが上限です。ウシシャ Tempo clipを外部電源で使う場合、1.2Aが必要となるので、パソコンのUSBポートでは使えません。
ご注意下さい。
実際に使ってみて ウシシャ Tempo clipの冷却性能
私は毎日、室内で踏み台昇降運動を1時間行っています。
冬は身体が暖まって良いのですが、夏は流石に汗だくになります。冷房を掛けていても、床に汗がポタポタ滴り落ちるくらいに汗が出ます。
ウシシャ Tempo clipを首に掛けて、弱で冷しながら運動をしてみた処、発汗が多少減った様に感じたので、使えばそれなりの冷却効果はあると思います。
日陰での軽作業や、夏の熱帯夜に散歩へ出掛ける時等、ウシシャ Tempo clipを使えばそれなりに涼しくなると思います。
但し、炎天下で使っても、そこまで涼しくはならないと思います。気休め程度の効果ならあるかも知れませんが、熱中症の予防にまでなるかは疑問です。
当たり前ですが、ペルチェが確りと首の皮膚に接触していないと全く冷えません。
また、首にタオル等を掛けて、ファンの排熱口を塞いでしまっても冷えません。首の後を冷やす構造上、注意が必要です。
ウシシャ Tempo clipの問題点
設計的にこれは問題があるだろう、と思う部分が幾つか。
首掛けパーツが貧弱!貧弱ゥ!
本体を首に掛ける為のパーツが、細い樹脂製です。耐久性がどれ程の物なのか、非常に気になります。
下手したら使い始めて直ぐに折れてしまいそうで、かなり心配になるレベルです。
値段的に1、2年持てば良いのでしょうが、内蔵バッテリーの寿命より、こちらの首掛け部分の寿命の方が早く訪れそうです。
因みに、この部分のパーツだけの交換は、出来ないみたいです。
また、この首に掛ける部分、余り幅の調整が効きません。首の太い人だと、確り引っ掛からずに、何かの拍子に本体がずり落ちるかも知れません。
挟まれている感が強いので、首が窮屈です。その割に固定が緩いので、冷却面が肌から直ぐにずれます。
本体重量は120gですが、本体を背中側にぶら下げている形で一点集中で支えるので、実重量以上にもっと重く感じます。肩が凝りそうです。
購入するのであれば、その辺を覚悟して購入すべきです。
激しく動いたり、下を向いたりすると本体がずり落ちる可能性も高いです。
でも、値段を考えたらこんなもんかなと、思います。悪くはない商品です。
首掛けパーツが実際貧弱。冷却部分は結構大きいが、確り皮膚に密着させないと涼しくない。
オン・オフと冷暖切替のスイッチが兼用の為に操作が面倒過ぎる
電源のオン・オフや冷暖の切替は、スライドスイッチを付けてくれた方が絶対に楽だと思います。
しかし、Tempo clipに採用されているのはタクトスイッチです。電源オンで直接加熱モードに入れない。冷却モードから暖房モードを一度介さないと電源が切れない。
タクトスイッチでも良いんですが、せめて電源のオン・オフと冷暖切替のスイッチは別にして欲しかった。ここはかなり使い難いです。
部品を減らし、生産コスト削減の為には仕方なかったのでしょうか?
USB端子の部分のゴムキャップが邪魔
昔の携帯電話の充電用のUSB端子の処に付いていたゴム蓋と同様の物が、ウシシャ Tempo clipにも付いています。
USBを挿す時に、この蓋の開閉が凄く面倒です。そして、何度も開閉している間にきっと千切れてしまうでしょう。最初から蓋無しで良いと思います。
内蔵バッテリーでは稼働時間が短く、常に外部電源で使う事になると思うので、USBを挿している時に、外したゴム蓋がブラブラするのも邪魔で仕方無いです。
ネッククーラー 結局PCM素材とペルチェ式どっちが良い
ちょっと使うだけなら、PCM素材の輪っか状のネッククーラーを使用した方が絶対にお手軽です。しかし、PCM素材のネッククーラーは、予想以上に冷たさが持続しません。直ぐに温くなります。
ペルチェ式の場合、外部電源を使用すれば冷たさが長時間持続しますが、ケーブルの取り回しが邪魔です。そして、内蔵バッテリーで使うのであれば、こちらも長時間は持ちません。
室内で外部電源を接続して長時間使うのが前提なら、ペルチェ式を絶対におすすめしますが、使い道によってはPCM素材の方が適する場合もあるでしょう。
結論として、どっちも買って、状況に応じて使い分けるのが一番かなと思います。
敢えて言えば、両方とも炎天下の作業で使って熱中症を予防出来るくらい涼しくなるのかと言えば、個人的な体感からすれば殆どなりません。
部屋のクーラーの温度設定を余り下げずに、ペルチェ式の併用で体感的な涼しさを補う程度が、ネッククーラーの賢い使い方だと思います。