ヘル・ホール(原題)/Hell Hole 2024 地獄の穴 寄生虫ホラー あらすじ 感想 ネタバレ

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映画

Hell Hole 同じ名前の別作品に注意 未見の方は読まないで下さい ネタバレします

 知人から、寄生虫の出て来る面白そうなホラー映画があったよ~! と、「Hell Hole」の事を教えて貰いました。
 念の為に断っておくと、同名の「ヘルホール ー悪霊館ー/Hellhole(2022:ポーランド)」や「ヘルホール/Hellhole(アメリカ:1985)」とは全く関連性の無い別の映画です。
 内容的には、穴を掘ったら繭みたいな状態で土中に埋まって生きたナポレオン戦役のフランス人兵を発見する。その身体には寄生クリーチャーが宿っていた。一人また一人と新たにクリーチャーに寄生され、犠牲になって死んで行く。……というお話です。
 PVを見ると、長細い触手みたいな寄生虫が登場します。そして、グロ系の描写も多そうに見えます。PVを見る限りでは物凄く面白そうな作品です。飽く迄もPVを見る限りでは……ですが。
 本編を鑑賞すると……ショッキングでグロテスクなシーンはちゃんと存在しますが、まあ、何と言うか、助長な部分が多くて、無駄に尺が長い感じです。
 見応えのあるシーンは結構あるんですが、それは一瞬で終わるので、後はどうでもいい会話がダラダラと続いて間延びした感じになります。物語としては面白いんですが、1.5倍速くらいで見ないと途中でかなりダレます。
 今一つ盛り上がりに欠けるというか、練り込みが足りてないというか、山場が無いというか、テーマは良いので、もうちょっと頑張れば「遊星からの物体X(アメリカ:1982)」みたいな感じに仕上がったかも知れないのに、なんか勿体ないなぁ、という出来の映画です。やはり、予算でしょうか。きっと、足りなかったんですね。

 さて、寄生虫のホラーというと「スリザー(アメリカ:2006)」みたいな感じのヌルヌルでヌメヌメ系のクリーチャーが出て来るのかなと期待してしまいますが、この映画のクリーチャーにはそこまでの気持ち悪さや汁気はありません。精々が、気持ち悪さのクオリティ的には、判り難い例えですが「Night Of The Tentacle(アメリカ:2013日本未公開)」が近い様な気がします。
 出て来る寄生クリーチャーは虫というより、タコですし。全力でTentacleです。
 尤も、クリーチャーのデザインや造形は悪く無いです。でもなんか、ヌメリや汁気が足りなく感じます。

 元々はTV-Movieなんでしょうか? 欧米諸国向けの動画配信サービスのShudder(シャダー)で配信されています。Shudderは地域制限(ジオブロック)があるので、日本から見たい場合は、VPN経由で海外のサーバを経由する必要があります。
 一応、この記事を書いている時点では、こちら、海外AmazonのPrime Videoでも配信されていました。海外Amazonのアカウントを作りPrime Videoに新規で登録すれば、無料トライアルで鑑賞出来そうです。既に登録している人は残念です。一応断っておくと、このリンクはアフィリエイトではないので、無料トライアルへの申込みがあっても私には1円も入りません。

 因みに、この作品「Hell Hole」は、既にブルーレイ版が発売されており、こちらで購入可能です。お値段は3900円となります。このリンクもアフィリエイトではないので、円盤が売れても私には1円も入りません。
 この手の作品は、程々の画質で良いのでDVDで発売してくれると、購入価格が安く済んで助かるんですが、今回はブルーレイ版しか見付けられませんでした。

↑映画のポスター(参照:画像はIMDbよりhttps://www.imdb.com/title/tt32394528/)↑

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簡単なあらすじとネタバレ

 ──プロローグ。

 1814年。
 セルビアの領土。イリュリア地方から追い出されたナポレオンの兵士の小隊が道に迷い、飢餓の危機に瀕しました。
 兵士が食べ物を探していると、馬を引いた女を見付け、兵士は女から馬を奪います。
 その馬を食料にする為に、兵士の一人が馬の首にナイフを突き立てて殺そうとします。
 その瞬間、馬の身体は爆発四散します。飛び散る肉片の中から、タコの様なクリーチャーが出現し、兵士達を襲います。

 ──そしてオープニングへ。
 
 時間は流れて現在へ。舞台は廃墟の様な建物がある人里離れた土地です。
 石油を採掘するのに重機を使って穴を掘っていたら、土中から繭(卵の殻)状の物体に包まれた男(プロローグシーンに登場したナポレオン兵役時代の兵士の一人)が見付かり、しかも生きていました。
 採掘場の人間は男を保護し、事情聴取しようとしますが、男が話すのはフランス語の為、意思の疎通が上手く行きません。
 話をしている時、男の鼻の穴から、触手の様な生物が一瞬姿を見せて、直ぐに再び鼻の中に隠れてしまいました。
 その異様な光景を採掘場のメンバーが目撃してしまったので、場には不穏な空気が立ち込めます。
 そして、採掘場メンバーの中の生物学者みたいな人間が、学術的な興味を示し、フランス人兵士の男の皮膚や血液のサンプルを採集しました。
 
 土中に埋まっていた男は、自身の中にクリーチャーが寄生しているのを自覚しており、死にたがっていた。
 しかし、自殺しようとすると、寄生したクリーチャーが身体の制御を奪うのか、自殺は失敗する。
 兵士の男は、発掘メンバーの一人に襲い掛かり、意図して反撃を受ける事で死ぬ事に成功する。
 兵士の男が死ぬ寸前、その尻からハリガネムシの様な物体が這いずり出て、男を殺した発掘メンバーの一人に寄生する。
 寄生クリーチャーが抜けると、男の身体は急激に干からびて、その死体は一瞬でミイラ化した。
 
 男の体組織のサンプルを解析した生物学者は、男の細胞には渦鞭毛藻のグループに属する藻類の一種が共存している事を突き止める。
 この藻類が栄養を与えていた事で、男は土中で生き長らえていたのだと仮説を立てた。
 そして、男の体内には、貝やイカやタコの様な未知の軟体生物が、寄生している可能性を示唆した。
 
 まあその後は、クリーチャーに寄生された人間が殺されると次の誰かに寄生して……の繰り返しです。この展開が、長めの会話シーンと組み合わさって、ラストまで何度も繰り返されます。

まとめと疑問

 円盤を購入して1.5倍速で鑑賞しましたが、その速度だとテンポが良くなり、ストレスフリーでこの作品を普通に楽しめました。そして、それなりに面白かったです。
 例によって、英語字幕の動画なので、私がどこまで内容を正確に把握しているのかは怪しい限りです。

 先ず、ポスターや円盤のイラストは詐欺イメージ画像です。本編中に、こんなのビジュアルの怪物は一切登場しません。

 この映画、設定的にブレがあるというか、良く判らない部分として、寄生クリーチャーに取り憑かれた生物が殺され掛けた場合……、

  • 宿主の肉体が爆発四散して中から寄生クリーチャーが飛び出してくる。
  • 宿主の尻の穴から寄生クリーチャーが抜け出し、死体はミイラ化する。
  • 普通に死体になる。その後に寄生クリーチャーが抜け出す。

 この3つのパターンが何故かあり、どうしてそうなるのかが不明です。
 時として、クリーチャーに寄生された宿主は、ナイフの刃先や銃口を向けられただけで過敏に反応して爆発四散します。

 更に、寄生クリーチャーに取り憑かれた人間が、自殺しようとした場合……、

  • 寄生クリーチャーが宿主の身体のコントロールを奪って自殺させない。
  • 普通に死ねる。

 これもまた、何故か2パターンが存在し、何故そうなるのかが全く不明です。
 寄生された人間は、意識を保ち、基本普通に行動出来ます。

 更に、タコっぽい寄生クリーチャーは、生物学者は宿主の中で卵を生んで増えるみたいな至極当たり前の推測を述べていますが、予算の都合なのか、登場する寄生クリーチャーは常に一体のみで、こういう映画の視聴者が求めているであろう、寄生された宿主の身体からモンスターの幼体が孵化してワラワラと溢れ出す……みたいなシーンは全くありません。

 どうもTV公開を前提としたインディーズ映画みたいでなので、全体を通して物足りなさを感じる部分が多いです。
 しかし、決して駄作では無く、まあまあよく出来てはいます。
 ホラーファンであれば、機会があれば、是非鑑賞しておくべき作品だとは思います。

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