予期せぬ事故 骨折 手術で入院できない しないで済ませたい
2024年3月に交通事故に遭い、手根骨の舟状骨を骨折してしまいました。
舟状骨は手根骨の中でも重要な骨で、血行が悪いので折れると治りにくい部位です。
舟状骨を骨折した場合、治療にはギプス固定か手術でスクリューを刺入する方法があります。
ギプス固定の場合、肘から手の甲までを石膏で硬めて或る程度の期間固定するので、固定した手が使えなくなりその間の生活が非常に不便になります。
スクリューを刺入する場合、手術が必要となりますが、術後は手をサポータで固定する程度で或る程度は自由に使えますので、こちらの方が完治するまでの負担は少ないと思います。
私は独居ですので当然、スクリューの刺入を選択しました。折れたのは右手の舟状骨でしたので、右手を固定した状態での独り暮らしは無理があり、現実的では無かったからです。
舟状骨の骨折
手根骨(しゅこんこつ)には8つの骨がありますが、その中でも舟状骨(しゅうじょうこつ、Scaphoid bone)は特に重要な骨のひとつです。舟状骨は、手首の親指側に位置し、手根骨の中で最も大きく、独特な舟形(ボートのような形)をしています。
舟状骨の特徴と機能
- 位置: 舟状骨は、橈骨(とうこつ、Radius)という前腕の骨と接しており、手根骨の近位列(手に近い側の列)に位置しています。舟状骨は橈骨と他の手根骨(例えば月状骨や大菱形骨)と関節を形成しています。
- 役割: 舟状骨は手首の動きにおいて重要な役割を果たしており、手首を様々な方向に動かす際に安定性を提供します。また、手首にかかる衝撃を吸収する役割も持っています。
舟状骨骨折
舟状骨はその独特な形と位置から、転倒した際に手をついたりすることで骨折しやすい骨です。舟状骨骨折は、特に若年層に多く見られますが、診断が遅れることがあり、適切な治療を受けないと、骨癒合不全や手首の機能障害に繋がる可能性があります。
診断と治療
舟状骨骨折は、通常はX線撮影で診断されますが、初期段階では見逃されることもあります。必要に応じてCTやMRIが使用されることもあります。治療は骨折の程度によりますが、ギプスでの固定や、場合によっては手術が必要になることがあります。
舟状骨は手の機能や動きにとって非常に重要な骨ですので、怪我や痛みを感じた際には速やかに医師の診察を受けることが大切です。
舟状骨のスクリュー挿入は簡単な手術だが日帰り外来入院しないで処置してくれる病院は少ない
舟状骨のスクリュー挿入は、折れた橈骨をプレート固定するよりかは難しい様ですが、30分~1時間程度で術式が終了する、そこまで大掛かりでは無い手術です。
本来なら、日帰り外来でも処置可能な手術なのですが、実際私が受けるとなった時、入院無しで日帰り外来で処理してくれる病院が殆ど無くて、手術をお願いする病院を探すのがとても大変でした。
……というのも。骨折にスクリューを挿入したり、プレート固定したりといった手術は、全身麻酔で行われる事が多く、基本全身麻酔となると、
手術前日に入院ーー>手術当日もう一泊ーー>翌日の午前中に退院
そういうパターンが多く、簡単な手術でも最低2泊3日の入院が必須となるからです。
病院としては、前日から患者の体調を管理出来て、術後に一晩、経過を観察を行えるという点で、問題が起こり難いので、入院施設のある大きな病院で手術をすると、大体こんな感じのスケジュールになります。
患者の方でも、術後が心配という方なら、入院して手術を安心出来て良いのでしょう。
しかし、入院したくないという人間にとっては、迷惑この上ないシステムです。
はっきり言って、何で精々1時間で終わる手術を受けるのに前日入院が必要なのか、手術が終わったら直ぐに返して欲しいのに、何故もう一晩入院しなければ行けないのか? 不満しかありません。
私が行き付けの整形外科の医師が紹介してくれる病院は全部、手術には入院が必要な処ばかりでした。
こういう場合、日帰り外来で手術をしてくれる病院を見付けたいのであれば、入院施設の無い個人開業医で手術をしてくれる医師を自力で探すしかありません。
結局、私は今回、WEBサイトで病院を探し、電話で問い合わせをして、何とか日帰り外来で手術をしてくれる病院を見付ける事が出来ました。
この病院の場合、全身麻酔では無く、腕神経叢ブロックへの注射で麻酔薬を投入し手術を行ってくれました。お陰で、入院せずに済んで助かりました。
腕神経叢ブロックへの麻酔は、全身麻酔と違って、手術中の患者に意識があります。因って、自分の腕が切られている時の場の雰囲気をリアルタイムで確りと感取出来ます。そういうのが怖いと思う方には向きません。
そして、日帰り外来での手術は、やはり何かしらのリスクも付き纏うので、安心安全を求めたい人は大きな病院で入院して手術を受けたほうが無難かも知れません。
私の舟状骨へのスクリュー刺入手術は医師が結構やらかしてくれた
舟状骨へのスクリュー刺入は、挿入する時の角度の微調整が難しいらしく、簡単に一発で入ると手術はあっさり終了するのですが、骨折部分を上手くスクリューで串刺し状態に出来ずに梃子摺ると、スクリューを何回も入れたり抜いたりする事になり、結構時間が掛かって大事になります。
私の手術をしてくれた医師は、骨折した橈骨をプレートで固定する手術は普段からしょっちゅう行っており手慣れたものらしいのですが、舟状骨へのスクリュー刺入は余り経験が無かったらしく、処術に非常に苦戦しておりました。
最初、手の平側から、手首を切開してスクリューを刺入する予定でしたが、そこからだと上手くスクリューが骨折部分に刺さらず、3度程もスクリューを挿入しては抜いてを繰り返しました。
スクリューは工具の電ドリ上のもので骨に挿すので、その度にウィーン、ブィーンと結構な音がします。
最悪なのは、それで挿入出来れば良かったのですが、散々骨に穴を開けた挙げ句、焦った医師に「手掌側からだと角度的に無理なので手背からやり直させて」と言われ、改めて手の甲側の手首を切開……ここで更に左右を間違えて、本来切るべきではない場所を余計に切開してしまい、最終的には何とかスクリューの刺入は成功したのですが、結局、手術痕が3箇所も出来てしまいました。
特殊な例というか、今回運が悪かっただけかも知れませんが、個人開業の医師に手術をして貰うと、時にはこんなアクシデントが起こる場合もあると言う事です。
まあそれでも、お陰で入院せずに済んだのだけは有り難かったですが。
↓傷痕の写真↓