Amazonで人気、格安ですぐ売り切れる、18650リチウムイオン充電池内蔵のブラックライトを購入
Amazonで販売されている、約1,300円で買える DARKBEAM A300 FlashLight UV 365 nm を購入しました。
この商品は人気があるようで、レビューも肯定的なものが多く、しばしば売り切れています。たまたま在庫が復活しているのを見かけたので、これ幸いと購入しました。
「UV-LEDライト」とひとことで言っても種類は多く、レジンの硬化に使える波長帯(360〜405 nm)の中では、短波長側になるほどLEDの価格が高い傾向があります。そう考えると、UV365 nmライトが約1,300円というのは、かなりの格安価格です。
またこのライトは、アルミ製の筐体に 18650リチウムイオン充電池(容量2000 mAh) が新品で内蔵された状態で届きます。電池は取り出し可能なので、空になった場合や寿命を迎えた場合でも、市販の18650電池に簡単に交換できます。
よくある「内蔵電池がダメになったら本体ごと終わり」というタイプではなく、交換を前提に設計されている点は好印象で、長く使える仕様です。
さらに筐体は IPX4相当の防水仕様。防水性能は「0が最低、8が最高」となりますが、IPX4は「いかなる方向からの飛まつによっても有害な影響を受けない」レベルなので、多少の水濡れなら問題ありません。雨天の屋外使用程度なら十分耐えられます。
電源スイッチの内部には状態表示用のLEDがあり、電池電圧が十分に高いと緑に点灯し、電圧が下がって残量が少なくなると赤に変化します。
本体にはキャップ付きのUSB Type-C端子があり、5 V・1 Aの電源を接続すれば、電池を入れたまま充電可能です。完全に空になった電池を満充電するには、だいたい 約3時間 かかります。

波長詐欺の多い365 nmライト、この製品は果たして本物か?
格安品は高確率で偽物
激安で販売されている「365 nmライト」には偽物が多いです。
安さにつられて買ったら実は 395 nmだった ……という事例は珍しくありません。
理由は単純で、365 nmのLEDのほうが価値が高いため、395 nmを「365 nm」と偽った方が売れるからです。要するに「波長詐欺商法」です。
では、395 nmと365 nmは何が違うのか?
レジン硬化の用途ではあまり差が出ない場合もありますが、「目では分からない汚れや蛍光物質を光らせて見つける」といった使い方では大きな違いがあります。
365 nmの光はエネルギーが高く、汚れなどを効率よく励起して強く光らせます。しかし395 nmはエネルギーが低く、励起が起こらずほとんど光りません。
このため、395 nmを365 nmと偽ったライトは、実際に使ってみればすぐに見抜けます。
DARKBEAM A300のピーク波長を測定 → 残念ながら365 nmではなかった
では、この DARKBEAM A300 は本当に365 nmなのか?
そこで今回は、思い切って入手した高額なUV専用分光器(HPCS330UV)を使って、このライトのピーク波長を測定してみました。

結果は 373 nm。(正確には372.6 nm)
「365 nm LED」としては、この数値は完全にあり得ません。つまり、このライトもまた「365 nm」と偽って販売されている商品のひとつでした。
ただし、395 nmではなく、恐らく 375 nmタイプのLED を使用していると思われます。そのため、全く使えないわけではなく、性能的にはそこそこ優秀です。
波長詐称は褒められたものではありませんが、価格が安いこともあり、実用上は「365 nmの代用品」として十分に機能します。
結論:DARKBEAM A300の「365 nmタイプ」は、実際には365 nmではなく375 nm前後のLEDを使用していました。
ただし、値段を考えれば納得できる範囲に収まっており、交換可能な18650電池を採用している点も魅力です。
「実際には375 nmでも構わない」という用途なら、購入する価値は十分あります。
もっとも、365 nm LEDは375 nmよりも高価なので、「コスパ的なお得感」は下がります。
私はとりあえず返品せず、このまま使い続ける予定です。
ちなみに、部品として365 nm LEDを単体で購入しても、高確率で370 nm前後のものが届きます。LEDのピーク波長は個体差が大きいとはいえ、「公称365 nmで実測373 nm」はさすがにないですね。
締めと読者向けアドバイス
結局のところ、DARKBEAM A300は「365 nm」ライトとしては少し残念な結果でしたが、価格・電池交換可能な設計・防水仕様などを考えると、実用性の面では十分に価値があります。
レジン硬化やちょっとした蛍光チェック、UVライトの入門用として使うには十分で、375 nmでも大きな支障はありません。
ただし、格安UVライトには波長詐称の可能性が高いことを念頭に置く必要があります。購入前にはレビューや実測データを参考にする、届いたら簡単なチェックをする、といったひと手間が安全です。
購入アドバイス
- 「365 nm表記=本当に365 nmとは限らない」と理解する
- 電池交換可能な製品を選ぶと長く使える
- 実際に蛍光反応を確認する場合は、370〜380 nmでも十分光るケースが多い
- 防水仕様やUSB充電対応など、ライトの便利機能もチェックしておく
価格を抑えて気軽にUVライトを試してみたい方には、DARKBEAM A300はコストパフォーマンスの高い選択肢です。波長の実測値を理解したうえで使えば、入門用・実験用として十分楽しめる一台だと言えるでしょう。