内部抵抗測定用テスターを買う 充電式 リチウムイオン電池 ニッケル水素電池 寿命の目安 Dlyfull B3レビュー

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物欲

充電式電池の内部抵抗測定用に Dlyfull B3 電池チェッカーを購入

レビューの最終結論

Dlyfull B3は充電式のリチウムイオン電池やニカド電池の内部抵抗はちゃんと測れる。しかし、何故かニッケル水素電池は、測定結果がバラ付く仕様。ニッケル水素電池も測れます。詳細は以下の記事で。

 家にあるリチウムイオン電池やニッケル水素電池の内部抵抗を計測出来るテスターが3000円程度で販売されていたので、つい購入してしまった。
 内部抵抗……何それ? と思った方に一応説明すると、電池の内部抵抗とは、電池の内部で電流が流れる際に生じる抵抗の事を指します。
 内部抵抗がある為、電池に負荷を掛けると電圧に若干の低下が生じます。これは、電池内部の材料や構造によって生じるものであり、一般的に以下の様な要因があります。

  1. 電解質の抵抗:電解質中のイオンの移動による抵抗です。
  2. 電極の抵抗:電極自体の材料の抵抗や電極と電解質の界面での抵抗です。
  3. 集電体の抵抗:電極から外部回路へ電流を導くための集電体(リード線や端子など)の抵抗です。

 内部抵抗が大きいと、電池の効率が低下し、電力の供給が不安定になる可能性があります。特に高い電流が必要な場合や、寒冷地での使用においては内部抵抗の影響が顕著になります。

 内部抵抗は電池の種類や設計、使用状況によって異なり、時間の経過と共に変化する事もあります。充電式電池の場合、満充電時に測定すると内部抵抗が低く、残量が少なると高くなります。一般的に、内部抵抗が小さい電池ほど高性能とされています。
 マンガン電池は内部抵抗が高い為、大電流を取り出せません。鉛電池やアルカリ電池、リチウムイオン電池やニッケル水素電池は、内部抵抗が低い為、大電流を取り出せます。

 元々、直流負荷法で測定する内部抵抗テスターは所持していたんですが、これは測定がACインピーダンス法の様な気がしたので、欲しくなって追加で購入してしまいました。
 別に絶対に必要では無かったのですが、検査治具というのは複数あると、測定値の精度が増すので、便利そうなのを見るとついつい買ってしまいます。

内部抵抗の測定方法

 内部抵抗は専用の測定器(インピーダンスメーターなど)を使って測定されます。
 測定方法には幾つかありますが、一般的な方法の一つはACインピーダンス法で、これは電池に微小な交流信号を加えてその応答から抵抗成分を測定する方法です。
 また、直流負荷法という方法もあり、これは電池に一定の直流負荷をかけて電圧降下を測定し、その値から内部抵抗を計算する方法です。

 内部抵抗は、電池の性能評価や品質管理において重要な指標の一つです。

内部抵抗テスターを何に使うか?

 実は、家にジャンクの組電池をバラして使えそうなセルだけ選り分けた、未だ使える中古のニッケル水素電池が大量に余っています。
 この電池を3本組にして、リチウムイオン電池の代用品として使える3.6Vのバッテリーを作りたいので、内部抵抗の近いものを選別する為に購入しました。
 ニッケル水素電池は、充放電の制御を雑に扱った場合でも、リチウムイオン電池よりも安全性が高いです。
 なので、バッテリーレスだと安定動作しないモバイルルーターを、外部電源に繋ぎっぱなしで24時間連続して使いたい時等、リチウムイオン電池を抜いて代わりにニッケル水素電池の組電池を繋いでおく事で、恰も電力を安定化させる電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)の様に働いてくれるので、手元に幾つか用意しておくと便利なのです。

テスターがあれば内部抵抗を目安にして充電式電池の寿命が判る

充電式リチウムイオン電池の内部抵抗

 充電式リチウムイオン電池の内部抵抗は、低いほど理想的です。具体的な数値は、電池の種類や用途によって異なりますが、以下に一般的な指標を示します。

  1. 携帯電話やノートパソコン用のリチウムイオン電池:
    • 内部抵抗は通常10ミリオーム以下が理想です。特に高性能なバッテリーでは、5ミリオーム以下が望ましいとされます。
  2. 電動工具や電気自動車用の高出力リチウムイオン電池:
    • 内部抵抗は通常数ミリオーム以下が理想です。これにより、高い出力を短時間で供給することができます。
  3. エネルギー貯蔵システム(ESS)用のリチウムイオン電池:
    • 内部抵抗は数ミリオームから10ミリオーム程度が一般的です。

充電式ニッケル水素電池(NiMH電池)の内部抵抗

 充電式ニッケル水素電池(NiMH電池)の内部抵抗も、低いほど理想的です。具体的な数値は、用途や設計に依存しますが、一般的な指標を以下に示します。

  1. 一般家庭用(リモコン、時計、玩具など):
    • 内部抵抗は通常100ミリオームから200ミリオーム程度です。この範囲であれば、一般的な家庭用電気機器に対して十分な性能を発揮します。
  2. 高出力用途(ラジオコントロールカー、電動工具など):
    • 内部抵抗は50ミリオームから100ミリオーム程度が理想的です。高出力を必要とする機器では、内部抵抗が低いことで、短時間に大きな電流を供給できるようになります。
  3. 産業用途や特殊用途:
    • 内部抵抗は50ミリオーム以下が望まれる場合があります。これにより、より効率的で高性能な電池が求められる用途に対応できます。

結論

 内部抵抗が低いほど、電池の効率が高まり、発熱が少なくなり、放電能力も向上します。ただし、内部抵抗が低すぎる場合には製造コストが増加する可能性がありますので、用途に応じたバランスが求められます。
 また、テスターで二次電池の内部抵抗を計測する場合は、リード棒と電極の接触抵抗が生じるので、実際のセルの内部抵抗よりも幾分か高く測定されます。

 使い始めた頃より二次電池の内部抵抗が大幅に増大して行った場合、それを目安にそろそろ寿命だと判断する事が出来ます。

Dlyfull B3の測定性能

 電池に測定端子を押し当てるだけで直ぐに内部抵抗を表示してくれるので、簡易測定ですが、かなり便利です。満充電にした直後の電池なら、Dlyfull B3を使えば内部抵抗が同じくらいのものを楽に揃えられます。
 元々所持していた直流負荷法なテスターより、Dlyfull B3の方が使い易いです。

 但し、測定結果は測定する度に微妙に違う数値が出ます。しかし、誤差程度ですので、そんなに気にする必要は無いと思います。
 リチウムイオン電池やニカド電池を測定した場合、バラ付きは誤差程度で余り出ませんが、何故かニッケル水素電池を測定すると、測る度に±100mΩくらいの大きな数値差が出ます。
 ニッケル水素電池の場合、測定毎の食い違いが激しいので、数回測定して、平均値で判断した方が良いと思います。端に最初に買った商品の不具合でした。

Dlyfull B3のおすすめの点

 複数のテスターを所持している人なら判ると思いますが、テスターは006P型 9Vの積層乾電池で動作する機種が多いのですが、このテスターは単4電池2本で動作してくれるので、電池確保の手軽さという点で優れていると思います。

 電池の内部抵抗を測定出来るテスターが、3000円程度で買えるのはお得です。

Dlyfull B3の駄目な点

 ニッケル水素電池の内部抵抗は参考程度にしか出来ない。

 テストリード棒が本体から直接伸びているのはどうかと思います。ここは標準的なバナナプラグにして、テストリード棒を交換出来る様にして欲しかった。

 電池毎で測定レンジの切替があり、細か過ぎてちょっと面倒です。
 しかも、3.7Vのリチウムイオン電池の場所に合わせても、1.2Vのニッケル水素充電池が普通に計測出来るので、今一つ切替の存在する意味が不明てす。

試しにアマループ+他を測定してみた結果

 Amazonが発売しているニッケル水素電池、通称「アマループ」の内部抵抗を試しに測ってみました。「アマループ」の正式名称は「Amazonベーシック 充電式ニッケル水素電池」です。
 何故「アマループ」と呼ばれるかというと、製造しているのがFDK株式会社で中身が第1世代 eneloop(HR-3UTG)の互換品……というか、略第1世代 eneloopそのものだからです。
 また「アマループ」は販売時期によって、黒、白、最近の緑と本体のカラーが違います。家にあるのは黒である。

 比較用として一緒に、パナソニックの充電式ニッケル水素電池「充電式EVOLTA」HHR-3MRS(初代)、かなり昔の、SANYO CADNICA N-600AA、富士フィルム HR-AA 1600 ニッケル水素電池、3.7VのEBLと書かれたAmazonで購入したリチウムイオン電池も測定した。

 各充電式電池をそれぞれ5回測定した結果(単位mΩ)

1回目2回目3回目4回目5回目
アマループ-A9751273729
アマループ-B99140288026
EVOLTA148862964153
CADNICA(ニカド電池)147143150146155
富士フィルム HR-AA15221013814333
リチウムイオン電池2333303232

 ニッケル水素電池の測定結果は、見事にバラ付きます。不具合があったみたいで、本体を交換して貰ったら問題は無くなりました。
 因みに、他のテスターでアマループを測定した結果、内部抵抗の大きさはアマループ-B>アマループ-Aとなりました。
 Dlyfull B3の測定結果でも、2本の電池の内部抵抗を平均値で比較した場合、アマループ-Bの方が内部抵抗が大きいので、測定結果はそれなりに当てになると思われます。
 充電式のニカド電池とリチウムイオン電池に関しては、安定した測定結果が出ているので、平均値を取るまでしなくとも、単発の測定結果で充分に参考になると思います。

追記:交換して貰ったらニッケル水素電池の内部抵抗も問題無く測れる様になりました

 どうも最初に届いた製品が悪かったらしく、一度返品して別のを買い直したら、ニッケル水素充電池の内部抵抗も普通に計測出来る様になりました。
 何か不具合があったみたいです。まあ中華製品には良くある事です。

 ↓下は、交換して貰った新しいDlyfull B3で恰度充電終了後のenelongがあったので、5回測ってみた結果。多少バラツキがあるが、まあ、このくらいなら充分参考になる。単位はmΩ。

150175151166164

 当然だが、測定時は毎回同じ様に端子を電池に押し当てる必要がある。

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