携帯浄水器 緊急事態への備え あると安心 災害用の飲水確保

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山が火を吹き、大地が割れる、大災害

画像はイメージです

 池や川の水を安全に飲めるようにする携帯浄水器は、昔から、アウトドア用品やサバイバル・グッズを扱う専門店で買えた。

 災害時に大切なのは飲料水の確保。万が一の事態に備えて、車に一つ積んでおくと良いかなと思うが、新品未使用状態でも余りの長期間の保存になると浄化用のフィルターの劣化も起こるだろうし、定期的に買換しないといざという時、役に立たない場合がありそうと、管理がズボラな私は興味深いが未だ購入した事がない。

 しかし、大地震発生のニュース等を見る度に、一応買っておくべきかなと思う。備えがあれば患いなしで、安心感も得られる気がするので、商品に付いて調べてみた。

 携帯浄水器の仕組みは、中に入れた水を高性能フィルターを通過させる事でゴミや汚れ、雑菌等を取り除き、綺麗で安全な水に変えるというもの。通販で簡単に手に入りそうな商品の説明を読んでみると、少ない物で200リットル程度〜、多いと30000リットルもの水を浄化出来るらしい。フィルターはカートリッジ式で交換可能になっている商品もある。

 成る程。フィルターに活性炭を使っているだろうから保存期間も在るし、確かに、一度買えば永続的に使い続けられる訳ではなさそうだが、常備して置くだけなら、ファイルターを3〜5年置きに買い換えれば良さ気である。(廃版で入手不可に成らなければだが)

 キャンプや車中泊が趣味なアウトドア派の人間なら、携帯浄水器は災害用だけではなく、フィルターの持ちは使用頻度に左右されるだろうが、常用的に役立ってもくれそうだ。

但し、過信は禁物

 底を切り落としたペットボトルを逆さにして、中に綿や小石や砂利、砂を詰める事で作成する濾過器。実際に作った事がある人も居るだろう。携帯浄水器は、それの上位互換である。

 自作ペットボトル濾過器でも、泥水を濾せば結構綺麗な水に変わるが、携帯浄水器だと本当に透明に透き通った水に変わる。性能差はそれくらいある。

 しかし、水中の不純物は取り除けても、水中に溶解した有害物質は除去できないので、その部分には注意が必要となる。要するに、海水を携帯浄水器に通しても真水にはならない。

 その儘でも飲めそうな、川の上流の澄んだ湧水を浄化する事で、より安全に飲める水には出来るが、下流の生活排水が流れ込んでいる様な場所の何が溶け込んでいるのか判らない水は、幾ら携帯浄水器を通しても安全になったかどうかは判らない。そこを勘違いすると惨事になる。

 携帯浄水器で飲用水となるのは、風呂の残り湯やトイレのタンクの水、長期保存したポリタンクの汲み置き水、ギリギリで、貯めた雨水や学校のプールの水くらい、有害物質が溶け込んていないと確証を持てる物に限る。得体の知れない水源の水に手を出してはいけない。

 とはいえ。風呂の残り湯やトイレのタンクの水が、安全な飲水に変わるだけでも、災害時にはとても有難いが。

浄水器で何とかなりそうな水の中の病原微生物

 水から微生物を除去する滅菌濾過には、最低でも0.2 µmの孔径サイズの高性能なフィルターが必要。浄水器を買う時は、フィルターの孔径サイズを確認しましょう。

  • クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)

 胞子虫類に属する腸管寄生原虫。致死性下痢症の原因となる。1996年に埼玉県入間郡越生町で、水道水がクリプトスポリジウムで汚染された事で、水様下痢症の集団感染が発生した。

  • ジアルジア(Giardia lamblia)

 別名、ランブル鞭毛虫。嚢子で汚染された食品や飲料水を介して伝播し、下痢性疾患を引き起こす。飲料水が汚染された場合、大規模な集団感染を起こす事も。

  • 赤痢菌(Shigella)

 グラム陰性通性嫌気性の短桿菌。急性腸炎を引き起こす。

  • 赤痢アメ−バ(Entamoeba histolytica )

 原虫。赤痢アメ−バ性大腸炎を発症させる。イチゴゼリー状の粘血便を伴う下痢症状。

  • サルモネラ菌(Salmonella)

 グラム陰性通性嫌気性の短桿菌。感染すると、腹痛、下痢、おう吐、発熱等の症状が顕れる。

  • カンピロバクター属菌(C. coli)

 グラム陰性らせん状桿菌類の総称。感染すると、下痢、腹痛、発熱、悪心、嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感等の症状が顕れる。発熱はサルモネラ症に比べるとやや低め。

  • 大腸菌(Escherichia coli)

 グラム陰性通性嫌気性の短桿菌。ほとんどのものは無害だが、腸管出血性大腸菌O157は、激しい腹痛から始まる水様下痢、血性下痢を引き起こす。

+で次亜塩素酸ナトリウム。

 次亜塩素酸ナトリウムをご存知でしょうか。強力な殺菌力を持ち、ハイター(花王の登録商標)等と称して市販されている漂白剤の中身です。

 安全度の高い日本の水道水の中にもカルキとして含まれ、水を殺菌する役目を追っています。カルキは正確には、塩素を吸収を消石灰(水酸化カルシウム)に吸収させて製造する、次亜塩素酸カルシウムの事ですが。

 実は、飲用水の消毒に使える、次亜塩素酸ナトリウムが市販されています。水1リットルに対して次亜塩素酸ナトリウム(6%)を2滴加えると、殆どの水中微生物は死滅する様です。緊急時、飲用水が必要だが、風呂の残り湯を濾過する物がコーヒー用のフィルターしかない、という様な場合、次亜塩素酸ナトリウムを併用すれば、安全性がより高まるでしょう。

 常に次亜塩素酸ナトリウム(添加物が一切ない物に限る)も用意しておくと、非常事態の飲水確保に一役買ってくれそうですね。ただ、次亜塩素酸ナトリウムは長期保存が効きません。古いのから早めに使う必要があります。

次亜塩素酸ナトリウムの消毒力

 ウイルスすら殺すので抗微生物スペクトルは広いです。但し、芽胞を形成する細菌に対しての殺菌効果は弱い様です。

  • グラム陽性菌

 炭疽菌・化膿性レンサ球菌……etc

  • グラム陰性菌
  • 真菌

 カビ・キノコ、酵母……etc

  • ウイルス
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