UV420レンズの眼鏡を製作 380−420 nm帯の光線カット性能をテストする

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怪我や病気

激安販売店でUV420レンズの眼鏡を作る

 「2本同時に作ると5000円」という激安店で、新しく眼鏡を作りました。
 ネット通販で眼鏡レンズを買うなら「レンズ交換.com」が安いとよく聞きます。しかし私の場合は乱視が強すぎて、ネット販売では対応できず、結局こうした激安実店舗で作るしかありません。

 このお店はフレームとレンズがセット販売。フレームはノーブランド品ですが、レンズは国内メーカーのHOYA製だったので品質面では安心です。
 しかも「今なら1本の値段でもう1本サービス!」という、深夜の通販番組そのままのようなお店で、1つ作るとごくわずかな追加料金で、もう1本おまけを作れる仕組みになっています。

 そこで同じ眼鏡を2つ作り、片方だけに追加オプション(+1,200円)をつけて、UV420仕様にしてみました。
 同じメーカー製レンズで、UV420加工の有無によって「380〜420 nmのHEV(高エネルギー可視光線)帯カット性能」にどの程度の差があるのか。今回はそれを実験してみました。
 なお、UV420ではない方のレンズにも、基本的なUV400カット機能は備わっています。


UV420は伊達じゃない

テストの前提

 実験には、いつもの「紫外線で変色するチェックカード」を使用して透過テストを行いました。
 画像の右上がUV420レンズ、左下がUVカット(UV400)のみのレンズです。
 両方のレンズの下にチェックカードを置き、その上から光を当てます。

 今回用意した光源は、実測で411 nmと386 nmのLEDです。


411 nmの光線(HEV帯)

 この波長はHEV(高エネルギー可視光線)にあたります。
 UV420レンズはほぼ完全にカットしていますが、UV400レンズの方はある程度透過してしまいました。
 やはりUV400では400 nm以上の光線を完全に防ぐのは難しいようです。とはいえ、UV400でも裸眼よりは一定の軽減効果は期待できるかもしれません。


386 nmの光線(紫外線帯)

 こちらは紫外線域の波長です。
 結果を見ると、UV420・UV400ともに光線をしっかりカットしていました。
 紫外線帯(400 nm以下)に関しては、UV400レンズでも十分に防げるようです。


普通のUVカット色付きレンズでもテスト

 ついでに、昔作った色付きレンズの眼鏡でもテストしてみました。
 このレンズは濃いグレーに染色されており、UVカット仕様ではありますがUV400ではありません。見た目はサングラス風の眼鏡です。

 386 nmの光線を照射すると、軽減はしていますが一部が透過してしまいました。
 つまり「UVカット」と書かれていても、UV400対応でなければ380〜400 nm帯の長波側紫外線は素通りしてしまう、というのは本当でした。
 また、レンズを濃い色に染めても、紫外線カット効果が大きく向上するわけではないことも確認できました。


結論

 紫外線から目をしっかり守りたいなら、「UV400」または「UV420」と明記されたレンズは必須です。
 さらに、HEV(400〜420 nm帯)の光線も気になる方は、UV420レンズを選ぶのが安心です。

 ただし「新しい眼鏡を作るのは面倒だな」という場合には、既存の眼鏡の上から装着できるオーバーグラスタイプのUV420レンズを利用するのもおすすめです。


コラム:白内障・緑内障が気になるお年頃

 先日の眼科検診を受けたら「まだ心配するほどではないけれど、ごくごく軽度の前兆はあるので気を付けて」と言われました。
 自覚症状は全くないのですが、そんなことを言われてしまうと一気に不安になってきます。年齢的にも白内障や緑内障のことが気になるお年頃ですし、「もしかして、これからどんどん悪化していくのでは……」とついつい考えてしまうのです。

 そんな背景もあって、最近特に怖く感じるのがHEV(高エネルギー可視光線)。
 紫外線より波長が少し長い400〜420 nmの領域は、網膜まで届きやすく、眼の細胞に酸化ストレスを与えるといわれています。紫外線対策はしていても、このHEV光線までは十分にカットできていない眼鏡も多いのが現状です。

 「白内障や緑内障は年配になってからの病気」と思われがちですが、最近ではスマホやPCの長時間使用が当たり前になったことで、若い人でも眼精疲労や黄斑変性のリスクが高まっていると指摘されています。
 つまり、加齢だけでなく生活習慣の影響も大きいのです。

 ですから、私のように「お年頃」だからという理由だけでなく、若い世代でも眼を守る意識は早めに持つべきだと思います。UV420レンズのようなHEV対策は、将来の眼の健康を守るための保険のようなものかもしれません。

 そして何より大切なのは、定期的な眼科検診です。
 視界に少しでも違和感を覚えたら、自己判断せずに眼科を受診してください。
 失明の恐ろしさを考えれば、「念のための検診」に時間を使うことは決して無駄ではありません。


おわりに

 今回の実験は、「UV420レンズって本当に効果があるのだろうか?」という単純な興味から始めたものでした。
 けれども実際に試してみると、紫外線だけでなくHEV光線までしっかりカットできることが分かり、単なる検証を超えて「やっぱり目を守ることは大事だな」と強く実感する結果になりました。

 ちなみに、プラセボ効果かもしれませんが、420 nmまでの光線をカットした状態で生活するようになってから、実際に目が楽になったと感じています。

 この記事で紹介した内容が、これから眼鏡を作ろうとしている方や、紫外線・ブルーライト対策を考えている方の参考になれば嬉しいです。
 そして、私と同じように「ちょっと気になるお年頃」の方も、まだ若い方も――未来の自分の視力を守るために、日頃から意識してみてください。


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