深紫外線LEDの真偽判別に紫外線B波とC波専用強度計購入 RGM-UVxシリーズ

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生活

詐欺が多い不可視光域LEDの公称波長が本物なのか調べるために強度計が必要

 最近では、手軽にではありませんが、不可視光である深紫外線(Deep-UV、またはDUV。以後DUV表記)域のLEDも何とか個人で、且つそこそこの価格で入手できる時代になりました。
 しかし、DUV系のLEDに関しては、公称として明記してある波長のUVを照射しない偽物も多く出回っており、購入後にそのLEDの仕様が本当に正しいのか調べる作業は必須となります。
 一応、UV-C(紫外線C波)に関しては、その光がUV-Cか否かをチェック可能な安価なテスト用のカードがあるので、判別は難しくありません。
 しかし、問題となるのはチェックカードでは判別の難しい300nm付近のUV-B域のLEDに関してです。
 UVチェックカードには、太陽光中の280nm-400nm帯の光に反応する(主に色の濃さで太陽光中のA波やB波が強いか弱いか調べる)タイプもありますが、これはUV-AとB、どちらにも反応するので、対象の光がUV-AなのかBなのかの判別には役立ちません。
 また一部、UV-BをCと判定するカードもあるようです。

 実は先日、250-300nm域のUVDを照射すると言う殺菌ライトを購入したのですが、これがどうも胡散臭い商品で、UV-Cチェックカードには無反応で、AとBに反応すると思われるUVチェックカードにだけは反応しました。
 恐らく、UV-Aしか出ていないのでしょうが、万が一、UV-Bが出ていた場合、取扱時の危険度が変わってきます。
 こんな時、光の周波数を計れる分光器があれば便利なのですが、UVD域を測定できる分光器はとても高価なので欲しくても手が出ません。
 妥協案として、前々から欲しいと考えていたUV-C専用、UV-B専用の強度計をそれぞれ購入しました。
 身の回りの様々なエネルギーを数値化してくれるテスターというのは、あればあるほど生活が便利になるので。

紫外線強度計RGM-UVxシリーズ

爬虫類飼育用? 紫外線の各波長に専用特化した格安の強度計

 RGM-UVxシリーズは、比較的低価格で入手可能な中国産の紫外線強度計です。AmazonやAliExpressで販売されています。

 RGM-UVA(紫外線A波用)、RGM-UVB(B波用)、RGM-UVC(C波用)、RGM-UVI(AからC波)、RGM-UVA+B(A+B波用)の6種類が存在しています。

 RGM-UVAやRGM-UVB、RGM-UVA+Bは、想定の用途としては爬虫類を飼育するときに必要となるUVA+Bランプの出力を測定するための製品らしいです。
 一部の爬虫類の飼育にはUV-AとBが必須で、用意したランプの紫外線量がどの程度か、長期間使用して劣化したランプの紫外線量が減少していないか、等のチェックが重要らしいので、RGM-UVBはメンテナンスに使用するのに値段的にもちょうどいい製品なのでしょう。
 勿論、自然光に含まれる紫外線強度の測定にも使えます。
 
 RGM-UVCなら、殺菌灯の光源の劣化具合で替え時チェックの判別に使用するのでしょう。

 ランプだけでなく、当然UV-LEDの光の強度も測定してくれるので、UVチエックカードだけでは判別の難しい、UVB-LEDとして販売されているLEDから本当にUV-Bが照射されているかのチェックに使えます。実際、そういう風に使用するのを前提に購入しました。
 調べたいUV光がC波ではないことだけは安価なUVチェックカードで調べられるので、後はRGM-UVBがあれば、その反応でそれがA波なのかB波なのかの判別が安易になります。
 正体がはっきりしないUV-LEDを入手したときに、照射されている紫外線波長を見極められるのは非常に助かります。

 また、RGM-UVxシリーズは、入手される紫外線の強さが変われば、ほぼタイムラグなしに反応して表示される強度の数値も変化します。
 例えば、光源からセンサーを遠ざけると、紫外線強度がどの程度減少するのか等をリアルタイムで確認できます。
 残念ながら、高価なUVメーターになら標準でついていそうなピークホールド機能等はありませんが。

 ちなみにRGM-UVxシリーズは、Amazonで購入するとどれでも1万円強くらいですが、AliExpressだとRGM-UVBが約6000円、RGM-UVCが約8000円くらいで入手可能です。
 また、A波のみ測定できる強度計が別に欲しい場合は、RGM-UVxシリーズでなければ、下は3000円くらいで手に入る製品があります。

多くの紫外線強度計は紫外線A+B波を纏めて計る 単独波長で測定できるタイプは希少

 自然界に降り注ぐ太陽光に含まれる紫外線が主にA波とB波な為か、市販されている紫外線強度系の殆どはA波とB波を一纏めにして紫外線強度として測定表示してしまいます。
 そもそもの紫外線強度計に求められる使用目的というのが、窓ガラス用フィルム等のUVカットアイテムが、どの程度の紫外線軽減効果を発揮しているのかを数値として調べることだと思われるので、A波とB波を態々分けて測定する必要性はあまりないのでしょう。

 私がRGM-UVxシリーズを購入する以前から所持していた紫外線強度計、マザーツール SP-82UVも、250~390nmの波長の紫外線を纏めて測定するタイプだったので、紫外線の強度は測定できてもその波長までは特定が不可能でした。RGM-UVxシリーズではRGM-UVIがSP-82UVと同じタイプです。

 そんな紫外線強度計の市販事情を踏まえて考えると、比較的低価格で手に入るUV-B測定専用のRGM-UVBを発売してくれてたメーカーさんには感謝しかありません。

 また、私はRGM-UVBとは別で、波長350-380nmのUVA帯に特化した約2500円で購入したKF-90という紫外線テスターも所持しています。こちらはUVAのみの強度を測定するのに必要なので購入しました。
 低価格品なので、RGM-UVxシリーズよりも測定精度が低く、輝度の低いUV-LEDの弱めの光だと感知してくれないのが欠点ですが、取り敢えずはないよりはあった方が便利です。
 太陽光に含まれるUV-A強度の測定はしっかり出来るので、夏休みの子供の紫外線テーマの自由研究に使うのであれば、KF-90は価格が安めなのでおすすめかも知れません。
 予算が豊富なら同じシリーズで揃える意味でも、RGM-UVAを買ったほうが使い勝手は良いと思いますが。

 KF-90とRGM-UVBを同時に使って太陽光の紫外線強度を測定すると、晴れの日はB波が強いとか、曇の日はB波は少ないがA波は意外と多いなとかを、数値として確認できるのは面白いです。

10000円前後で買えるUV-C強度計は貴重

 UV-Cを使った殺菌灯は、使用時間とともに劣化していき目に見えて暗くはなっていなくても殺菌力は低下していきます。
 そんな殺菌灯の寿命、交換時期を判別する目安に使えるのがUV-C強度計です。
 新品のときの数値を記録しておき、半年、1年後と定期的に再測定して紫外線強度が70%以下に落ちていたらそろそろ交換かな、と取り替えの時期を数値的に判断できます。

 UV-C専用の強度計はそれなりの種類が市販されていますが、基本的に結構高くて2万円以上するのが普通です。
 しかし、RGM-UVCは、そんなUV-C強度計のなかでは破格の安さです。Amazonで購入しても約10000円、AliExpressでなら8000円前後で買えます。
 私はUV-C殺菌灯を愛用しているので、散財にちょっと迷いましたが、あると便利なのでRGM-UVCも結局購入しました。UV-Cの強度を数値として確認できるので、結果的には買って良かったと思います。

実際使えるRGM-UVxシリーズ

 RGM-UVxシリーズは末尾のアルファベットで本体の色が変わりますが、形状はどれも同じです。
 電源は安物の中国製品に多い006P電池ではなく、汎用性の高い単3電池2本です。この仕様は非常に助かります。

 操作に関しては、ボタンが電源オンオフしか存在しないので単純明快です。電源を入れて、光源へセンサー部分を向けるだけです。説明書すら読む必要はありません。

フィルターに関しての注意点:上の波長はカットしても下の波長はカットしない

 RGM-UVxシリーズのRGM-UVBとRGM-UVCの波長フィルターですが、どうも上の波長はカットしても下の波長はそのまま素通しのようです。
 どういう意味かというと、RGM-UVBの場合、仕様では反応スペクトル域が280-320nmとなっているのですが、上の波長のUV-A帯の光には反応しませんが、下の波長のUV-C帯の光だとしっかりと拾って、さもB波が入力されたかのように反応して強度が表示されてしまいます。
 RGM-UVBの場合、反応スペクトル域は仕様では220-280nmとなっており、上の波長のUV-B帯の光には反応しませんが、下の方の本来対応していないはずの185nm帯のUV-Cには反応してしまいます。ちなみにRGM-UVBも、185nm帯のUV-Cに反応します。

 低下価格帯の強度計なので製造コスト面の節減で仕方がないのかもしれませんが、要するに、下の波長のカットに関してはまったく行われていないようです。
 上の波長だけカットしてくれていれば私の使用目的の場合、そんなに問題はありませんが、下の波長はカットしないという点に関しては頭に入れておく必要があります。注意して下さい。
 RGM-UVBは、実際にはRGM-UVB+Cなのだと考えたほうが良いです。UV-B帯波長の紫外線強度だけを狭く計りたいという人には向きません。

RGM-UVBに254nmのUVCを実際に照射すると

 本来は無反応でなければいけないのに、下の画像のようにUVCにも反応し、UV強度がしっかり表示されてしまいます。入力光波長の下限カットフィルターは恐らく存在しません。

 RGM-UVBのみ購入する場合は、紫外線の波長を特定するのにUV-Cチェックカードとの併用も必要になりそうです。

305nmのUV-Bに対するRGM-UVCの反応

 下の画像では、テスト用に購入した305nmのUVB-LEDを点灯させ、B波を照射し、RGM-UVBとRGM-UVCの反応を確かめています。(画像:上RGM-UVB/下RGM-UVC)

 結果に関しては画像の通りで、RGM-UVBはUV-Bを感知してLED光のUVB強度を表示していますが、RGM-UVCの強度表示は0、B波にはまったく無反応です。
 この結果から、RGM-UVxシリーズの入力光波長の上限カットフィルターはしっかりと機能していると考えて大丈夫そうです。

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