家のあちこちにオゾン発生器を配置して、日々、室内の空気を脱臭・殺菌することが、ほとんど趣味のようになってしまっている筆者です。
すでに家の中で使う分には十分すぎるほどのオゾン発生器を持っているのに……。
今使っているものより少しでも気になる特徴のある新モデルを見つけると、「試してみたい!」という衝動を抑えきれず、つい新たに一台、追加で購入してしまいます。
乾電池で稼働する珍しいタイプのオゾン発生器を買った
小型のオゾン発生器といえば、大半はバッテリー内蔵の充電式タイプです。たまに、内蔵バッテリーがなくてUSB外部電源で動作するタイプも見かけることがありますが、かなり希少です。
しかし、「乾電池を入れて動かすタイプ」となると、ありそうでまったく見かけません。実際、ほとんど市場に出回っていないのか、私自身もこれまで目にしたことがありませんでした。
正直なところ、得体の知れない800mAh前後の小容量な充電式リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池を内蔵しているくらいなら、むしろ乾電池式にしてくれた方がありがたい。電池が切れてもすぐに入れ替えて使えるので、充電時間というロスタイムがなく、連続使用ができて便利なんですよね。
個人的には、昔のガラケーや黎明期のスマホみたいに、電池が切れたら即座に予備電池に交換して再始動できる「バッテリーリロード」が可能な小型電化製品って、実に合理的だと思っています。
(これまでの購入経験から言うと、小型オゾン発生器の中には「内蔵バッテリーで2週間連続稼働!」と書かれていながら、実際には3日で電池切れになるようなスペック詐欺な商品も多かったりします。)
……とは言っても、基本的にオゾン発生器は自宅で使うものなので、「乾電池式のがあったらちょっと便利だよな」程度には思っていたものの、真剣に探したことはありませんでした。
そんなある日。新製品が現れては消えていくのが日常茶飯事のオゾン発生器市場を、興味本位でぼんやりネット検索していたところ……
偶然、見つけてしまいました。乾電池で動く、超小型のオゾン発生器を!
それは、手のひらに乗るほどのサイズで、単4(AAA)電池を3本入れて動くという、なかなか面白そうな製品でした。
「本当に必要なのか?」と訊かれれば、正直そこまででもないのですが……。一度その存在を知ってしまうと、なぜか気になって仕方ない。困ったことに「実物を手にして使ってみたい!」という謎の情熱が湧いてきます。
そこで、1週間ほどじっくり考えました。
まぁ、基本泊りがけで外出なんかしないのでただの仮定なんですが、たとえば何かの拍子に遠出してどこかのビジネスホテルに泊まることがあったとしたら、乾電池式の小型オゾン発生器なら邪魔にならずに持って行けて、部屋の消臭や殺菌にも使える。
そもそもオゾンは重い気体なので、床にたまりがちになる。ならば小型のオゾン発生器を棚の上に置いて、オゾンをシャワーのように頭上から降らせる使い方もアリかもしれない、なんて発想をしたり。
──とまぁ、謎の「便利かもしれないからとりあえず買っとけ」理論をひねり出して、結局は購入してしまいました。
しかも、2025年2月時点のAmazonマーケットプレイスで買えるオゾン発生器の中では、かなり安価な部類に入っていたんです。
ただし、残念ながら発送はAmazonではなく、マーケットプレイスの業者からの直接発送でした。

乾電池で稼働するオゾン発生器の箱
購入したオゾン発生器の箱。
表面には……

電子脱臭器
3秒間長押しすると電源がオフになります
インテリジェントな停止(緑色のライト)
1時間で停止(青色のライト)
電源: 単4電池×3/USB (DC5V)
……みたいな説明が書いてある。
単4電池で動く以外は普通のよくある小型のオゾン発生器
届いた荷物を開けてみると、小さな化粧箱の中に説明書とオゾン発生器が丁寧に収まっていました。デザインは落ち着いた印象で、見た目も特に安っぽさは感じません。
表面には、「使用前に剥がせや」的な英文メッセージ(意訳)が書かれた保護フィルムが貼ってあります。
が、実際にはこのフィルムを剥がさなくても普通に使えるので、私は剥がさずにそのまま使用することにしました。
(基本的に、保護フィルム──通称“貧乏フィルム”──は剥がさない主義です)


オゾン発生器の本体。貧乏フィルムは基本その儘で使います。


裏面には蓋があり、開けると電池が入る。

外部電源で使用する時用にUSBケーブルが付属している。
本体の裏には電池ボックスのフタがあり、開けると単4電池を3本入れるスペースがあります。
1.2Vのニッケル水素充電池をセットして電源ボタンを押すと、普通に動作してオゾンが発生しました。
小型の家電の中には、1.5Vのアルカリ電池でないと動作しないものもありますが、これはニッケル水素充電池でも問題なし。
繰り返し使える蓄電池が使えるのは、コスト面でも利便性でもありがたいです。
電源ボタンは静電容量式のタッチスイッチになっており、長押しで電源オン、短押しで動作モードを切り替える仕組み。
青いランプが点灯しているときは、1時間動作して停止。
緑のランプが点灯すると「インテリジェンスモード」となり、オゾンの発生と停止を繰り返す間欠動作になります。
緑のランプのモードは名前が少々大げさですが、実質はオン・オフのループです。
本体が小型で乾電池駆動なので、冷蔵庫の中、ゴミ箱のフタ、ペットのトイレやベッドの近くなど、場所を選ばず設置できます。
オゾンはそれなりに発生しているようで、消臭効果もそこそこ期待できます。
何より、電池が切れてもすぐに交換して継続使用できるのが、乾電池式の大きな強みです。
内蔵バッテリー式だと、充電中は使えないのが地味に不便なんですよね。
商品説明……どういうことだ話が違うぞ!
さて、ここで一つ注意点を。
この商品、Amazonの商品説明には──
「プレ、活性炭、HEPAフィルターでの多層濾過システムにより、空気中の粒子状物質や臭気を完全に濾過、総合的な浄化効果を実現」
──などと、いかにも高機能そうなことがまことしやかに書かれていました。
しかし、実物をどう見ても、そんなフィルター類は一切搭載されていません。
これは“空気清浄機”ではなく、ただの“オゾン脱臭器”です。
さらに──
「低騒音モーターを採用、静かで快適な動作」
とも書かれていましたが、そもそもモーターもファンも付いていません。動く部品が無いんだから、静かで当然です。
一応補足しておくと、オゾン発生用の電極からは微量ながら空気の流れ(オゾン風)が出るので、わずかに空気が動いてはいます。
ただ、それはファンの風とは別物です。
どうやら出品者が商品説明を適当にテンプレで流用しているようで、実際の製品仕様とはかなりズレがあります。
Amazonマーケットプレイスでは、こういった“説明と実物が違う”ケースがしばしばあり、割と放置されがちです。
特にオゾン発生器などニッチな商品は、かなりの無法地帯気味。
今回のように、フィルターが無いことを承知で買うなら全く問題ないのですが、説明を信じて買った人は「騙された!」と感じる可能性大です。
そのせいか、AliExpressでは高評価レビューが並んでいるのに、Amazonでは星3程度の評価に落ち着いていました。
……これは製品が悪いというより、明らかに出品者の説明文が悪いとしか言いようがありません。

同胞の説明書その1。

説明書その1の機械翻訳。

説明書その2。

説明書その2の機械翻訳。
購入後のオゾン発生器
さて、購入してからしばらく使ってみた感想をまとめておきます。
まず、何とも大仰なネーミングの「インテリジェンスモード」ですが、個人的にはあまり使っていません。
普段は、必要なタイミングでちょっとオゾンを発生させたいときに、青ランプの1時間モードで手動で使うスタイルが合っていると感じています。
現在は、我が家のフェレットのトイレの近くに設置しており、フェレットが用を足した直後にスイッチを入れるようにしています。
すると、しばらくするとあの独特の排便臭がかなり軽減されるので、これは思いのほか助かっています。
この小型オゾン発生器、単4電池3本でそこそこ長く稼働しますし、「必要なときだけ稼働させて、後は放置で自動停止」といった運用には非常に向いています。
内蔵バッテリー式の製品だと、「とりあえず常にオンにして放置」が基本になってしまいがちですが、こうして自分のタイミングで使えるのは思った以上に便利です。
また、乾電池式なので「どこでも置ける」「電池を交換すればすぐ再使用できる」というメリットも大きく、ちょっとしたニオイ対策に一台あると便利なアイテムだと実感しています。
正直、購入前は「ネタ的に面白そう」という軽い気持ちもありましたが、
実際に使ってみると、これは意外とアタリでした。
「思わず追加でもう1個欲しくなる系」の商品ですね。(計3個買いましたが)
(ただし、例によってマーケットプレイスなので、次に見たときにはもう売ってないかもしれませんが……)
というわけで、今回は「単4乾電池で動く、ちょっと珍しい小型オゾン発生器」を紹介してみました。
気になる方は、在庫があるうちにぜひチェックしてみてください。