癖強い殺菌用254nmVU-Cランプ(GTL3) 直流(DC)で点灯 危険な紫外線 取り扱い注意

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DIYと自作

殺菌用254nmVU-Cランプ(GTL3) DC10Vでは点灯しない! 何故?

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 楽天市場で購入した、DC(直流)でも点灯可能だという紫外線殺菌ランプのGTL3ですが、一度点灯テストをしてみようと思うも、作業が面倒そうなので、届いてから暫く放置していました。
 そのままぐだぐだと時間が経過し、購入したのは8月なのに、既にもう9月になってしまい、流石にそろそろやる気を出さないと拙いなと思い、点灯テストを実行してみました。

定電流ドライバモジュールは市販されている

 この殺菌用254nmVU-Cランプ(GTL3) は、販売されていた楽天市場の商品の説明欄には、DC10V(9.5-13V)、DCの場合は300mA定電流のドライバ必要、と書かれていました。
 私は、300mA定電流のドライバ必要という部分、要するに定電流回路を組めという意味に理解したんですが、お店の人曰く、300mA定電流用のドライバモジュールが販売されているから、それを買って使えという意味だったらしいです。
 300mA定電流ドライバモジュールというのが最初よく理解出来なかったんですが、Amazonで探してみると、LED点灯用に定電流回路がそんな感じの名称でモジュール化されて、普通に製品として販売されていました。
 ああ、こんなのが完成品のモジュールとして市販されてるんだ、と感心しましたが、同時に、別に製品を買わなくても定電流回路があれば良いというのも理解しました。

 電子工作が好きな人なら、定電流回路といえば、トランジスタ2個を組み合わせると出来る簡易的なものとか、オペアンプとFETを使った高精度のものとか、可変三端子レギュレーターLM317を使ったものとか、定番の回路が幾つか思い浮かぶと思います。
 定電流回路は、LEDの点灯から、抵抗値の四端子測定、充電池の充放電制御まで使い道が多いので、自作した経験のある人も多いのではないでしょうか。
 態々定電流ドライバモジュールを購入しなくとも、300mAの定電流が流せれば問題は解決するので、今回私はLM317を使って定電流回路を組みました。

定電流300mAとDC10V入力で……殺菌用254nmVU-Cランプ(GTL3)が点灯しない?

 最大1.5A出力の可変レギュレータLM317のADJ・V-OUTの寮端子間へ約4.35Ωの抵抗を繋げれば、300mA定電流回路が簡単に完成します。(作り方はデータシートにサンプル回路として載っている)
 使った抵抗が何故そんな中途半端な数値なのかというと、家にある秋月電子商会のE3系の抵抗1/2W全部入りから適当に漁って、組み合わせで恰度良さ気な合成抵抗を作ったからです。
 テストとして、この定電流回路を、安売りしていた2Wの抵抗を150本(10直列×15並列)繋いだ約10Ω300Wの自作ダミー負荷に繋いでDC10Vを印加してみたら、ちゃんと電流が300mAをキープして流れていました。

注意:LM317は最低でも1V程度の電圧ドロップを起こします。また、ドロップ電圧(V)× 電流(A)分の電力を熱として捨てます。今回は少なくとも300mW程度の電力が無駄になります。

 定電流回路に問題は無さそうなので、USB電源モバイルバッテリー(5V) → DC-DC昇圧回路(10V) → 定電流回路 → VU-Cランプの順に繋いで、電源をオンにしてみました。
 すると、VU-Cランプ(GTL3)のフィラメントが仄かに赤くはなるのですが、それだけで、発光らしい発光は全くしませんでした。何故でしょうか? 定格DC10V入力の筈なのに?

 これどうすれば? と暫く悩んだ末に、もしかしたら電圧が足りてないので、マトモに発光しないんだろうか? という仮説に辿り着きました。しかし……。
 購入したお店の説明には、点灯させようとして幾つもショートさせた(恐らく、フィラメントが燃え尽きたという意味と思われる)と書いてあったので、印加する電圧を上げるのが何か怖くて、出来れば余りやりたくないと、尻込みしました。
 でもこのままだと殺菌灯として役に立つとは思えないので、戦々恐々とではありましたが、DC-DC昇圧回路の多回転ボリュームを少しづつ回し、徐々に電圧を上げて行きました。
 ……11V、……12vと電圧を上げても特に状況に変化は無しです。そして13Vを少し超えた時……行き成り殺菌灯が眩く点灯しました。
 ああ成る程、このVU-Cランプ(GTL3)は最初点灯させる時だけ、高めの電圧を印加する必要があったみたいです。
 そして、定電流回路が必須となるのは、この点灯時に高めの電圧が必要=高電圧だと大電流が流れるので、その結果フィラメントが燃え尽きるのを防止する為の様です。
 電球に取説が付いて来る訳でも無いので、初めて点灯させるに中り、かなり戸惑いました。実に癖の強いVU-Cランプです。

185nm紫外線ランプは点灯したらオゾン臭が凄い

 VU-Cランプを購入した時、最初は光波長254nmの方を買ったんですが、その後に185nmの方も気になって、追加で注文しました。
 こちらもテストは必要なので、試しに185nmも点灯させてみると、こちらは点けた瞬間から、鼻の痛くなる強烈なオゾン臭が発生しました。
 VU-Cでオゾンを発生させたのは今回が始めてなのですが、空中放電に負けず劣らず、此方もかなり強力にオゾンが発生するものなんですね。予想以上にオゾン臭が強かったので驚きました。
 254nmVU-Cランプとはかなり性質の異なる185nmVU-Cランプでしたが、もしかしたら、両者を組み合わせる事で、紫外線+オゾンの強力な殺菌BOXとかを自作出来るかも知れません。

 何でも、オゾンが発生するUV-C(紫外線C波)の波長は、大凡240nm以下からだそうです。特に、185nm付近の波長はオゾンを生成する効果が強いとされています。
 紫外線の中で、オゾン層の形成や分解に寄与する波長は異なり、185nmの波長では酸素分子(O₂)をオゾン(O₃)に変換する為、空気清浄機や除菌装置でも、この波長を利用する製品が存在する様です。但し、この波長の紫外線は人体に有害であり、取り扱いには注意し、十分な安全対策が必要です。
 一方で、254nmの波長は、オゾンを発生させずに除菌やウイルスの不活性化させる波長として、やはり空気清浄機や除菌装置に広く用いられています。この波長は、オゾンを生成しない為、UV-Cランプの中でも安全性が高いそうです。

まとめ

  • 185nm付近:オゾン発生に寄与
  • 254nm:除菌やウイルスの不活性化(オゾン発生なし)

 オゾン発生の有無や用途に応じて、波長を選ぶ事が重要です。

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