あなたは紫外線対策、大丈夫ですか?
気象庁のデータによると、紫外線は毎年3月頃から強まり始め、7〜8月にかけてピークを迎えるとされています。
さらに、1日の中では午前10時から午後2時の時間帯に紫外線が最も強くなるとのこと。
夏の日差しの下では、日傘や帽子、日焼け止めなどでしっかり紫外線対策をしている人も多いと思います。
ですが、「日陰にいるから」「車の中だから」「室内だから」と安心して、「大丈夫だ、問題ない!!」つい油断してしまっていませんか?
実はその油断、思った以上に紫外線に暴露している可能性があります。
紫外線のうち、UV-B(B波)は窓ガラスである程度カットされますが、UV-A(A波)はガラスを透過して肌に届いてしまいます。
こう聞くと、ちょっと怖くなってきませんか?
「今、どれくらい紫外線を浴びてるのか?」というのが、数値でわかると安心できますよね。
そこで今回は、紫外線の強さや波長を数値で可視化できる便利なアイテムを紹介します!
私自身、「自然界にはあまり存在しないUV-C(C波)」も測定できる機器が欲しくて調べたのですが、もちろん日常生活で問題となるA波・B波もきちんと測れるタイプを選びました。
UV-Cも測れる、幅広い紫外線テスターが欲しい!
紫外線の波長を正確に測定できる光波長計(分光器)のような高精度機器が欲しいと思うこともありますが、100nmあたりから測定できる本格的な製品はかなり高額です。
最近ではUV-CランプやUVC-LEDを扱う機会が増え、「この紫外線は一体どれくらいの波長・強度なんだろう?」と数値で確認したくなりました。
ですが、UV-AとUV-Bだけしか測れない紫外線強度計は安価な反面、UV-Cには対応していないものがほとんどで、個人的には実用性が足りないと感じていました。
そこで、Amazonを中心に「ひたすら安くて条件を満たす製品」を探し続けた結果、ついに見つけたのがこちら……
✅ マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV
測定波長:250〜390nm対応

市販されている多くの紫外線強度計は、だいたい300〜400nm(UV-B〜A領域)までの測定が主流。
しかしこのSP-82UVは、測定下限が250nmと、一般的な機種では対応していないUV-C帯(殺菌用波長)の領域にもギリギリ対応しています。
とくにUVC-LEDや殺菌灯(254nm付近)を扱っている人にとっては、この価格帯でUV-Cを測れる機器というだけでかなりのメリット。
しかも価格は13,000円前後と、UV-C測定が可能な中ではかなり手頃な部類です。
安易に買い物をすると、あとでクレジットカードの請求額を見て後悔することもあるのですが……。
葛藤の末、どう考えてもこれは欲しい! という最終結論になり、ついに購入に踏み切りました。
参考:紫外線の種類と波長範囲
紫外線の種類 | 波長範囲 | 特徴 |
---|---|---|
UV-C | 100〜280nm | 殺菌・消毒に使われる短波長 |
UV-B | 280〜315nm | 日焼け・皮膚へのダメージ原因 |
UV-A | 315〜400nm | しわ・シミなど光老化の原因 |
SP-82UVは日本製?
はい、このSP-82UVを販売しているのは、株式会社マザーツールという長野県上田市に本社を構える日本の企業です。
この会社は、デジタル測定器や防犯カメラ機器の製造・販売を手がけており、製品はAmazonや楽天などでもよく見かけます。
私自身、同社のデジタルテスターも持っているのですが、使用感も良く、品質的にも信頼できるブランドだと感じています。
SP-82UVはUV-Cの強度を測れるが波長を調べるのは無料
購入したマザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UVですが、仕様に偽りはなく、UV-C殺菌灯の紫外線強度も間違いなく測定できます。
……が、ひとつ問題がありました。
この機種、紫外線の強度(照度)は数値で表示してくれるのですが、「その紫外線が何nmの波長か」まではわからないんです。
さらに言うと、「UV-Aだけ測定したい」「UV-Cだけを狙いたい」といった波長帯のレンジ指定や切り替えもできません。
つまり、受光部に入ってきた250〜390nmの紫外線を、全部ひとまとめでカウントしてしまう仕様なのです。
これはもう仕組み上仕方ないところです。
「波長別に切り替えできる本格的な紫外線測定器」が欲しい場合は、もう1桁上の金額(数万円〜十数万円)を覚悟しなければなりません。
とはいえ、ここで問題になるのは、
「その数値、本当にUV-Cの照射を測ってるのか? それとも実はUV-AやUV-Bしか出ていないニセモノじゃないのか?」
という疑念。
通販で買ったUVC-LEDや殺菌ランプが、本当にUV-C波長(100〜280nm)を出しているかなんて、目では判断できませんし、信用もできません。
つまり、強度は測れても波長が不明=検証に詰まるという壁にぶつかってしまいました。
そこで「UV-Cチェックカード」を併用する
この課題を解決するため、紫外線の波長を可視的にチェックできる「UV-C専用チェッカー(変色カード)」も併せて購入してみました。
これは「本当にUV-Cが出ているかどうか」を、目で見て簡易的に判別できる便利な商品です。

紫外線の簡易確認に使えるUV-Cチェッカー
UV-Cを当てると色が変わる、紫外線チェックカード
今回購入したUV-C測定用チェックカードは、UV-C帯の紫外線が当たると受光部が緑色に変化するというシンプルな仕組み。
逆に、UV-AやUV-Bを照射しても色は変わらないため、「ちゃんとUV-Cが出ているか?」を確認するための簡易判定ツールとしては非常に優秀です。
このカードでUV-Cの有無を先にチェックして、
そのあとに「マザーツール SP-82UV」で紫外線の強度(照度)を数値で測定すれば、
大まかな波長&強度の検証が一通り可能になります。
ただしひとつだけ不満が。
このカード、再利用可能ではあるものの、ペラッペラなカード2枚で約1000円は、ちょっとお高めな印象です。
もしかしたら、UV-Cで色が変わる特殊な塗料が高価なのかもしれません。
……が、AliExpressなどを見ると、似たような商品が10枚500円前後で売られていたりもします。
追記:UV-Aも感知したい人向けの新アイテム(2025年4月追記)
「でも日常で問題になるのはUV-CよりむしろUV-Aじゃないの?」
そう思った方、ご安心を。
最近では、UV-AとUV-Cの両方に反応するチェックカードが、Amazonでも比較的安価で手に入るようになっています。
Amazon配送ではないのが少々残念ではありますが、
そこに目をつぶれるのであれば、断然こちらのタイプがおすすめです。
私も実際に10枚セットを購入して試してみましたが、
微弱な紫外線にも反応して、ちゃんと色が変わります。
例えば、窓ガラス越しにUV-Aが室内に入り込んでいるか?など、身の回りの環境チェックにぴったりです。

低価格で最強の紫外線チェック手段!
この「UV-A/C対応チェックカード」と「SP-82UV紫外線強度計」の組み合わせこそ、現時点で最も手軽かつ実用的な紫外線チェック方法だと感じています。
ちょっとした遊び感覚で使えるので、
例えば――
子どもの夏休み自由研究に「家の中で一番紫外線が強い場所」を調べる!
なんてのもおすすめです。
宿題も終わるし、家族の健康管理にも役立つし、一石二鳥ですよ。
SP-82UVの測定基準と補正の注意点
強度測定の基準波長は「340nm」
多くの測定器と同様、「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」にも特定の測定基準波長が設定されています。
取扱説明書によると、この測定器は“340nm”の波長で較正されており、この波長帯(主にUV-A)に対してのみ、正確な紫外線強度が表示される仕組みです。
340nm以外の波長では、強度が低めに出る?
つまり、UV-A(特に340nm付近)であれば実測値がほぼそのまま出ますが、
例えば270nm前後のUV-Cを測定した場合――
実際より1/4弱の数値しか表示されない可能性があるとのこと(※マニュアル内のセンサスペクトラム応答性グラフより)。
つまり、この機器の数値をそのまま鵜呑みにするのはNGです。
測定対象の紫外線の波長が分かっている場合に限り、
マニュアルのグラフを参考にして、実測値を補正する必要があります。
とはいえ、価格を考えれば必要十分!
もちろん、波長ごとに精密に補正した絶対値を求めるには、何十万円もする業務用の分光放射計が必要になります。
でも、このSP-82UVは、約13,000円程度でUV-C対応かつマニュアル補正も可能。
自作のUVランプやLEDの確認用途には十分役に立つ性能だと思います。
マニュアルは日本語対応!
ちなみにこの製品のマニュアルは、日本の会社の販売する商品なので当然しっかりとした日本語で記載されており、
センサの応答特性グラフなども丁寧に掲載されています。
✔️「340nmに較正されている」
✔️「他波長では補正が必要」
といった注意点が明記されているので、自己責任で波長ごとの補正をしたいDIYユーザーにも親切な設計だと感じました。
「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」マニュアルから抜粋

金を掛けずに紫外線の波長を調べる方法は……無い
結論から言ってしまうと――
紫外線の波長を正確に測定する方法は、個人で手軽に行えるものではありません。
波長を調べるには「光波長計(分光放射計)」が必要なのですが、これはどれもウン十万レベルの高級機器。
ホビー用途やDIYレベルで所有するのは、現実的にかなり厳しいです。
ちなみに、可視光の範囲であれば、自作やスマホアプリなどでそれっぽく波長を観察できる方法もあります。
ただし、紫外線のような「不可視光線」はそれが通用しません。
金を掛けずに可視光線の波長を調べる方法
可視光であれば、こんな方法でそれっぽく波長を推定することができます。
1. 回折格子を使う方法(割と王道)
必要なもの
・回折格子(通販で安価に買えます/教材用のプラ板でも可)
・スマホのカメラ
・観察する光源(LEDなど)
手順:
- 回折格子をスマホのレンズの前に装着。
- 光源に向けてカメラを構えると、スペクトル(虹のような分布)が見えます。
- スペクトルの位置を画像解析することで、光の波長を大雑把に推定できます。
⚠️注意:本格的な数値精度は無理ですが、「青」「赤」など色の区別は可能です。
2. CDやDVDを使う方法(最もお手軽)
必要なもの:
・不要なCDまたはDVD
・スマホのカメラ
・光源(懐中電灯など)
手順:
- CD/DVDのピカピカの面を光源に向けます。
- 回折された虹色の光をスマホカメラで観察。
- スペクトルの色の並びから、波長をざっくり推定します。
実はCD/DVDの構造が「簡易回折格子」になっているんです。
3. 分光器を自作する方法(自由研究向き)
必要なもの
・小型の箱(ダンボールなど)
・スリット(カッターで作る)
・回折格子またはCD/DVD
・観察窓/カメラ
手順
- 箱に「スリット」を入れて光を通す細い隙間を作る。
- 光をCDや回折格子に通して、スペクトルを発生させる。
- 箱の中に反射されたスペクトルを観察し、色の位置を元に推定。
夏休みの自由研究にもおすすめです!
紫外線はプロ仕様の測定機じゃないと無理です
残念ながら、紫外線(UV-A/B/C)の正確な波長測定は不可能。
強いて言えば、UV反応チェックカードで波長帯の大まかな分類はできますが、「○○nmの光」といったピンポイント波長は、専用の高価な機材が無いと無理です。
まとめ
- 紫外線の波長を測るには、高価な分光計が必要
- 可視光なら、DIYやスマホでそれっぽく観察できる
- 回折格子やCDを使えば、簡易的な分光観察は可能
- 紫外線は「強度測定」と「波長帯チェックカード」で妥協するのが現実的
UV-Cチェックを“安く・正確に”!
紫外線は、私たちの目には見えないけれど、確かに存在していて、殺菌・日焼け・退色など様々な影響を及ぼします。
その正体を知るには、波長ごとの特徴を理解しつつ、目的に合った測定方法を選ぶことが大事です。
今回紹介したように、
- SP-82UVで紫外線の強度をざっくりチェックして、
- チェックカードで「本当にUV-Cか?」を簡易確認、
という使い分けをすることで、安価ながら信頼性の高い判定が可能になります。
波長そのものを測るのは難しくても、「ちゃんと目的の紫外線が出ているか?」を確かめることはできる!
UVランプやLEDを使ったDIY、消毒器の検証、自由研究の観察など、紫外線を扱うシーンすべてに、これらのアイテムは役立ちます。
コスパ重視でも、やれることは意外と多いです。
ぜひ、あなたの紫外線チェックライフ(?)に、取り入れてみてください!