静電気対策に除電器を購入しました
帯電した静電気の極性(プラスかマイナスか)や強さを測定するために、まずは「静電気テスター」を購入しました。
その結果、どの部分にどの程度の静電気が帯電しているのかを“見える化”することには成功しました。
しかし、次に出てきた課題は、「では実際に帯電してしまった静電気をどう除去するのか?」という点です。
たとえば、服に帯電した静電気の対策としては、霧吹きで水を吹きかけて湿度を上げることで、ある程度除電することが可能です。
しかし、水分厳禁な電子機器──特にPCのマザーボードなどの精密機器を触る前に周囲の静電気を除去したい場合、水を使う方法は適しません。
そこで今回は、静電気の「除去」と「再発防止」を目的として、ファン式の除電器(イオナイザー)を導入しました。本記事ではそのレビューと、除電器の基礎知識をご紹介します。
除電器(イオナイザー)とは?静電気を中和して再発を防止する装置
静電気は、摩擦や接触・剥離によって物体の表面に電荷が偏ることで発生します。この偏った電荷(プラスまたはマイナス)が蓄積された状態が「帯電」です。
除電器(イオナイザー)とは、この帯電状態をイオンの力で中和する装置です。仕組みとしては、プラスイオンとマイナスイオンの両方を同時に発生させ、電気的に中性な状態に戻します。
発生させたイオンは、ファンの風によって対象物の周囲に拡散され、結果として静電気の除去および再発の防止が期待できます。
こうした装置は、静電気が命取りになるような半導体・電子部品の製造現場などでも、広く使われています。
「マイナスイオン発生器」と「除電器(イオナイザー)」の違いは?
最近では、空気清浄機やドライヤーなどにも「マイナスイオン発生機能」が当たり前のように搭載されています。
これらの機器も、英語では「ionizer(イオナイザー)」と呼ばれるため、除電器と混同されることがあります。
しかし、決定的な違いは、発生させるイオンの種類です。
- マイナスイオン発生器: 陰イオン(マイナスイオン)のみを放出
- 除電器(イオナイザー): 陰イオンと陽イオンの両方を放出し、中和させる
静電気には、「プラスに帯電した状態」と「マイナスに帯電した状態」の両方があります。マイナスイオン発生器では、プラスに偏った静電気は中和できますが、マイナス側に偏った電荷の除去はできません。
そのため、あらゆる静電気の除去に対応できるのは、陰陽両方のイオンを放出する“除電器”です。

購入した除電器を使って「これはスゴイ!」と思った瞬間
下の画像の製品が、今回私が購入した除電器(イオナイザー)です。
このタイプの除電器は、意外と身近なところでも活躍しているようです。
たとえば工場などでは、静電気に弱い電子部品を箱詰めする作業ラインに設置されていたりします。
さらにAmazonのレビューを見てみると、レコード愛好家の間でも人気があり、レコードプレーヤーの横に設置して除電することで「音が格段にクリアになった」といった声もあるようです。
私自身は、「静電気が気になるシーン全般」で使えるようにと、この除電器を購入しました。たとえば──
- 冬に化繊の服を着ていて「バチッ」とくる場面
- PCのマザーボードなど精密機器を触る前の静電気対策
といった日常・作業の中での“帯電リスク”を減らしたいという思いがありました。
除電器の実力を実感した場面①:プラ樹脂の削りカス問題
特に「グレートですよこいつはァ!」と実感したのは、プラスチック系樹脂をドリルやリーマで加工する作業中のことです。
何かしらの工作やDIYをする人にはおなじみの悩みだと思うのですが、プラ素材を削ると、静電気で削りカスが手や工具にまとわりついてしまうんですよね。あれが地味にストレスで鬱陶しい……。
ところが、この除電器を動かしてから加工してみたところ、驚くほど削りカスがまとわりつかず、手でパンパンと払うだけでキレイに落ちるようになりました!
除電器の実力を実感した場面②:発泡スチロールの造形
もうひとつ、除電器の効果に感動した場面の話をしますと、発泡スチロールをカッターで切ってシュルレアリスム的な自分でも何か理解不能な謎の芸術作品を造形していたときのこと。
発泡スチロールは、切りカスが静電気で手や刃にくっついて、なかなか落ちないんですよね。
それも、除電器をあらかじめ作動させておくことで、カッターの刃にくっつかず、スムーズに作業できるようになりました。
地味な例ではありますが、静電気によるちょっとした“作業ストレス”が、除電器の導入で劇的に軽減されたというのが、私のリアルな体験です。
もし、静電気で「イラッ」とした経験のある創作・工作系の趣味をお持ちの方がいれば、ぜひ一度この除電器の効果を試してみてほしいと思います。
実際に使ってみると、
「もっと早く買っておけばよかった!」
と感じる、これはそんな便利アイテムです。
除電器の仕様について
この除電器には、PCケースファンによく使われる12cmサイズの電動ファンが採用されています。
如上を踏まえ除電器の画像を見ていただければ、本体のサイズ感はおおよそイメージできると思います。
✅電源・操作性・安全性について
電源は、家庭用コンセント(AC100V)から供給されます。
スイッチは、パソコンの主電源にあるような長方形のトグルスイッチで、操作感はやや硬め。しっかりとオン・オフできるので、誤作動の心配はほとんどありません。
また、イオナイザーというと高電圧を利用したイオン放出針が気になる方もいるかと思いますが、本機のイオン放出針は金属シャーシ内部に設置されており、
分解して通電でもしない限り、うっかり触れてしまうような構造ではありません。
安全性の面でも、安心して使える作りになっています。
✅風量調整はダイヤル式。ゼロにはならない
風量は、ボリュームタイプのダイヤルで調整可能。おそらくPWM制御方式ではないかと思われます。
最弱まで絞ってもファンは停止せず、常にごく弱く回り続ける仕様になっています。
動作音に関しても、完全無音とまでは言えませんが、比較的静かで、私はまったく気になりませんでした。
Amazonレビューでも「レコードを高音質で聴くための静電気対策に横で動かしている」という声があることからも、静音性はしっかりしている印象です。
✅角度調整はやや緩めな印象
本体と台座部分はネジで角度を調整・固定できる構造です。
ただ、私が購入した個体では、ネジがやや緩く、角度を大きくつけると少しずつ戻ってしまうことがありました。
とはいえ、本体はそれほど重くないため、浅めの角度設定であれば実用上は問題なしです。
また、全体的に見てややチープな印象は否めませんが、価格がAmazon発送商品で約1万2千~5千円程度と比較的手頃なので、コストを考えると妥当な範囲かなという感想です。
✅使い心地は「卓上サーキュレーター」感覚
机の上に置いて使うと、卓上サーキュレーターのような感覚です。
「ファンの風で周囲にイオンを届ける」という意味でも、まさにそんな使い心地でした。
実際に除電効果を測定してみました
除電器は、目に見えない静電気を扱う機械なので、「本当に効果あるのかな?」と不安になる方も多いと思います。
そこで今回は、静電気テスターを使って、除電の効果が数値でどう変化するかを実験してみました。
テスト方法はシンプル、
- ビニール袋をくしゃくしゃにして静電気を発生させる
- テスターでその電圧を測定
- 除電器を稼働させ、電圧がどう変化するか観察する
という手順です。
数値がどう変化するのか、ぜひ動画でご確認ください!
動画:テスターの数値で見る静電気の除去テスト
▼以下の動画です。
おわりに 静電気に悩んでいる方に、ぜひ一度試してほしい
今回ご紹介したファン式の除電器。
静電気テスターと組み合わせて使うことで、静電気を「見える化」して、「しっかり除電できる」という点で、思っていた以上に満足度の高いアイテムでした。
特に、冬場のパチパチする不快感や、精密機器・電子工作などで静電気が「作業の邪魔」になる場面では、その効果をしっかり実感できました。
除電というのは、目に見えない現象だからこそ、こんな機会使っても「ちゃんと効果あるのか?」と半信半疑になりがちですが、今回のようにテスターで効果を見える形で確認できると、納得感がまったく違います。
もし、あなたがこれまでに
- パソコンや電子部品を触るのがちょっと怖い
- 化繊の服でパチパチするのがイヤ
- 静電気で細かい作業がストレスになる
- レコードなど静電気に敏感な趣味を持っている
という経験をお持ちなら、除電器はきっと役立ってくれると思います。
「もっと早く導入しておけばよかった!」と私は感じましたし、この記事がその参考になれば嬉しいです。

