効率的できれいなはんだ付けをするには はんだこて(半田こて)と こて先の使い分けが重要

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DIYと自作

ペンシル型の先の尖ったはんだごてのこて先は使い難い

 Amazonの通販やホームセンター、ダイソーでも買えたりする安物のはんだこてには、先端が尖ったペンシルの様な形状の、所謂B型のこて先が標準で付属している事が多いです。
 家には、はんだこてが複数、数本あるんですが、買った時に付属してきたこて先は、皆一様にこのB型でした。

 昔は、B型のこて先は、先端が尖っているので細かい作業、穴あき基板への電子部品のはんだ付け等がやり易いだろう、と勝手に勘違いしていた時がありますが、実はそんな事は全くありませんでした。
 先端が太過ぎるのは駄目ですが、細過ぎても基板の銅箔や部品に熱が伝わり難く、はんだが中々溶けないので、結局は、はんだ付けがやり易いとは言い難かったのです。

技術がお粗末でも はんだ付けは8割道具で何とかなる

 私は、はんだ付けが好きなのですが、はんだ付けの技量自体はお粗末で、ぶっちゃけ下手糞です。
 自分がはんだ付けして制作した、電子工作作品の基板のランド面を見ると、兎に角、見た目が汚いです。
 部品配置を最初に考えず、何時も行き当たりばったりではんだ付けを始めるので完成品が汚い出来になるのは、当然と言えば当然なのてすが。
 しかし、単純に技術力を比較すれば、はんだ付け内職のオバちゃんに、技量ては多分負けていると思います。

 まあ、技術的な話は別として、手持ちのはんだこてが何となく使い難いな、とは常々感じていました。
 昔は全く気にしていなかったのですが、実は、はんだこてのこて先というのは、対象との接触面積をどれだけ多く取れるかで熱電動効率が変わり、如何に伝達率が高い形状を選択するかが重要だったのです。
 過去の私は、はんだの溶け易さは、はんだこてのヒーターの熱量(W数)のみで決まるのだと勘違いしていたのですが、それは大違いで、こて先の形状選択こそが一番大切だったのです。

 それに気付いたのは、付け替え可能なこて先が6種類付属したはんだこてセットを購入して、所謂C型と呼ばれる(ペンシル(B)型の先端を斜めに切った形状で、母体との接触面を大きく取り熱量の伝導率を高めたもの)こて先を使ってみた処、B型と比べると、はんだ付けの難易度が大きく下がったのを体験したからです。
 その差は、天と地程も開きがありました。

 試したのは中華製だと思われる(↑)上のセットで、これに付属していた3Cのこて先を使用して、リード線のはんだ付けを試したら、ペンシル型よりも何倍も楽にはんだ付けが出来たのです。
 3Cの3というのは断面(先端)の太さです。番号が大きく成る程、太くなります。2C、3C辺りがあれば大体のはんだ付け作業には事足りるのではないでしょうか?

 正直、使ってみて実感しましたが、C型のこて先は素晴らしく使い易いです。
 入門用として販売されている安価なはんだこてにも……というか、はんだこてにこそ、標準でB型ではなくC型を付属するべきなのではと思ってしまいます。
 はんだこてのこて先と言えばB型ではないと、世間一般には受け入れられないのでしょうか? 何故、C型では駄目なのか謎です。

 ただこのC型、振り返って見れば、使うのは今回が初めてではなく、何となく昔に使った事がある様な記憶が蘇りました。
 そして、思い出しました。90年代に単3電池6本の電池BOXと組み合わせて屋外で車の配線のはんだ付けをするのに、gootの6VはんだこてMI-6というのを所持していたのですが、そのこて先が3Cでした。
 これ、使い易かったのですが、当時USB電源とかが一般的でなく、一々単3電池を用意するのが面倒になって、AC電源のはんだこての方が楽なので、何時の間にか使わなくなってました。
 既に何処にも仕舞ったのかも、まるで記憶に無いという……。探して見付かれば、また愛用しようと思います。

安物はんだこてセットを買うとはんだ付けに必要な道具一式が一通り揃う

 Amazonで999円で買えるはんだこてセットですが、本体は一応温度調整可能で、こて先に関しては6種類が付属しています。
 はんだこては、カバーを回して外すと小手先が簡単に交換可能なタイプで、交換時には工具不要です。
 はんだこて本体の温度調整機能は、どの程度正確なのかは不明ですが、温度の調整自体は間違い無く出来ます。

 はんだこては、製品の仕様では60Wとなっていますが、どう考えてもそこ迄の大熱量を発生する性能のヒーターは使用されて無いのでは、と思われます。
 多分、精々が30Wくらいの性能しかないのでは、と思います。尤も、電子工作に使う分にはその程度のWで問題ありません。
 ただまあ、性能詐欺が何にでも蔓延っているのは、流石にどうかと思いますが。中華の国の商品メーカーは、嘘を書かないと気が済まないのでしょうか?

 6種類のこて先は、ペンシル状のB型、C型(3C)、表層部品のはんだ付けに使う先端の平たいD型、D型とB型の複合した様な性能を持つナイフめいた形状のK型(ホットナイフではありません)が付属しており、取り敢えず最低限必要なこて先は一通り揃っています。
 値段を考えたら、充分過ぎる内容のセットです。

コテ先3C(上)、コテ先2C(下)

 ただ、このはんだこてセットに付属のこて先だけだと、後々必要になって来ると思われる2Cや0.8D等の細目のこて先が足りないので、+αで、複数のこて先が詰め合わされたセットを別に追加で買った方が無難です。
 必要頻度の高いこて先を一通り揃えておけば、はんだ付けへの備えは完璧になります。

 本来は白光用のこて先だと思いますが、形状的に流用可能なので、私は(↑)上のこて先のセットを購入しました。
 安物ですが、何れ必要となるだろうこて先は略々全て揃うし、特に問題無く使用出来ています。

 複数のこて先を交換して一度使用してみると、ペンシル型のこて先だけで行うはんだ付けが如何に非効率か、実感出来ると思います。

我が家のはんだこて

 左からメーカー不明20W、goot20w、ダイソー40W、ダイソー30Wの並び。
 全部見事に標準で付属するこて先はB型。

ダイソーのはんだこて

 実は100均のダイソーでも、はんだこてが購入出来ます。
 昔は、400円で20Wor30W、500円(全て税別価格)で40Wのはんだこてが買えました。
 ダイソー40Wのみ、こて先だけ径の太さがφ5ミリで、後は全部4ミリです。
 しかし、何時の間にかそれらは廃版になった様で、店先から姿を消しました。
 ダイソーのはんだこては、雑に扱うのに抵抗が無いので、プラスチックに穴開けたりするのに利用してます。

 2024年現在では、昔とは別の、gootのパクりみたいなデザインをした見た目の、30Wのはんだこて1種類のみが、500円(税別)で販売されています。

 ダイソーの製品も、使い易いか難いかは抜きで、ホームセンターで買える安物と同等程度の最低限のはんだこてとしての性能はあります。

プラスチック溶接用のこて先

 白光のミニアイロン型電気こて手芸用690のこて先(φ4ミリ)が、実はダイソーの旧30Wやgoot20wのはんだこてにもそのまま使えます。
 このこて先は、ダイソーの旧30Wに付けると、或る程度熱量もあって、プラスチックの溶接に利用出来て便利です。

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