ソーラーパネルコントローラーは、本来は太陽電池パネルに繋いだバッテリーの充放電を監視する為のモジュールです。
しかし、別に電力の入力側が絶対に太陽電池電池パネルでないと駄目と言う訳では無く、車のシガーソケットだろうがAC-DCアダプターだろうが、定格電圧内であれば何でも繋げます。
更に監視するバッテリーも、鉛電池だけに限らず、リチウムイオン電池でも、リン酸鉄リチウムイオン電池でも大丈夫なので、ミニマムな携帯用電源を自作する時の充放電電圧監視用に使用出来ます。
今回は、Amazonで¥1280円のソーラーパネルコントローラー(10A)を購入したので、レビューを書きます。
値段は安いが高性能なソーラーパネルコントローラー
Amazonで販売している安いソーラーパネルコントローラーですが、この記事を書いている時点では、Amazonが発送する商品で、10Aが¥1280円、20Aが¥1350円で購入可能でした。
大は小を兼ねるで、たった¥70円の差なので20Aの方を買っても良かったんですが、正直20Aもの容量は不要なので、今回は10Aにしておきました。
型番は容量10AがRBL-10A、20AがRBL-20Aとなります。このシリーズには30AのRBL-30A、40AのRBL-40A、50AのRBL-50A、60AのRBL-60Aと言う大容量容電流対応の上位機種もあるみたいです。

このソーラーパネルコントローラーが何をしてくれるのかと言いますと、繋いだバッテリーの過充電防止、過放電防止等の監視を行い、設定電圧に達した時点で充放電を自動停止してくれます。
気が利いているのは、充電停止電圧や放電停止電圧を、手動で或る程度好きな様に自由に設定出来る事です。
この機能により、鉛電池だけで無く、3.7Vセルを3直列したリチウムイオン電池を使った11.1Vバッテリーや、3.2Vセルを4直列したリン酸鉄リチウムイオン電池を使った12.8Vバッテリーでも、充放電の監視が可能となります。
更に、バッテリーからUSB5V出力への降圧コンバータもオマケで最初からの内蔵されていますので、必要な機能は一通り揃っています。
如何でしょうか。
この値段の割にやれる事の多いソーラーパネルコントローラーを使えば、簡単にUSB出力のモバイルバッテリーや、12Vが取り出せるちょっとした携帯用電源が簡単に自作可能になると思いませんか?
そして、12Vだけで無く24Vバッテリーにも対応しているので、例えば手元で余っているリチウムイオン電池を6セル、乃至7セル使用した22.2V or 25.9Vの、大容量モバイルバッテリーも簡単に自作出来るのです。
はっきり言って、自分で1から充放電監視回路を作って、更にUSB出力を用意して……なんてやってるよりもかなり楽に作成出来ます。
ソーラーパネルコントローラー詳細部分の解説
このソーラーパネルコントローラーには、操作用のボタンが実は3個しかありません。
下の画像で見ると、本体の左側に設定ボタンっぽく思えるアイコンめいた四角くが4つ並んでいますが、これはただの絵です。
押せませんし、押しても反応しません。
ソーラーパネルコントローラーの設定は、この3個のボタンだけで全て行います。
2個あるUSBは5V2A出力です。
下部に、左から、ソーラーパネルに繋ぐ端子、バッテリーに繋ぐ端子、負荷に繋ぐ端子があります。
接続したバッテリーの電圧がその儘、負荷に供給されます。

画面の切り替え
一番左のボタン(Nっぽいマーク)がメニューで、押すと画面モードが以下の順で切り替わります。
真中のボタンは設定時に電圧を上げます。左のボタンは設定時に電圧を下げるのと、負荷への電力供給のオン・オフの兼用です。
メニューボタンを押して、希望の画面になってから、更にメニューボタンを長押しすると、手動設定に入ります。
画面は以下の様になっています。
- ホーム
- 接続してあるバッテリーの現時点の電圧が表示されます。
- 充電停止電圧
- 設定電圧になるとバッテリーへの充電が停止します。手動変更が可能です。
- 放電回復電圧
- 一度放電停止したバッテリーが再度放電停止を開始する電圧。手動変更が可能です。
- 放電停止電圧
- バッテリーが設定した電圧になると負荷への放電が停止します。手動変更が可能です。
- 負荷の動作時間設定
- バッテリーから負荷へ何時間電力を流すかの設定。手動変更が可能です。
説明書やAmazonの商品ページの解説では、バッテリータイプを選択する画面もある筈なのですが、これだけ何故か、何回メニューボタンを押しても見当たりません。
仕様変更で、現行で販売されている商品ではもしかしたら、バッテリータイプの切り替えは廃止されているのかも知れません。
無くても別に困る事はありません。
設定の手動変更の範囲
ソーラーパネルコントローラーにバッテリーを繋げば、それが12Vなのか24Vなのかを自動で判別する様です。
繋いだバッテリーの種類に因って、充電停止電圧、放電回復電圧、放電停止電圧の設定可能範囲が以下の表の様に変化します。
12V | 24V | |
充電停止電圧 | 12.0V~14.6V | 24V~29.2V |
放電回復電圧 | 10.0V~12.6V | 20.0V~25.2V |
放電停止電圧 | 8.0V~11.5V | 16.0V~23.0V |
また負荷の動作時間設定の設定は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、24が変更可能な範囲の様です。

例えば、リチウムイオン電池7セルでバッテリーを自作する場合なら、充電停止電圧は29.2Vに、放電停止電圧は19Vくらいに設定すれば大丈夫そうです。
6セルなら、充電停止電圧は25.2Vに、放電停止電圧は16Vくらいに設定すれば大丈夫でしょう。
余談ですが、ダイソーで税込¥1100円で買える10000mAhのモバイルバッテリーを7個買って来て、それを分解して中身のリチウムポリマー電池を直列に繋げば、25.9V10000mAhのバッテリーが7000円程度で自作出来る事になります。
電力なんと259whです。5V(中身は3.7V)のモバイルバッテリー風の容量で言えば70000mAhです。20%くらいは変換時のロスで消えるので、実質容量は56000mAh程度でしょうが。
機会があれば作ってみたいですね。