部屋干しの洗濯物は気温が下がる冬に乾く時間が遅くなって臭くなる
環境省によれば、冬の室温目安は20°だそうです。それを皆が実践しているかどうかは知りませんが、暖房で消費する燃料代を考えると、寒いのは嫌と、金銭的な負担を考えずに、室内をシャツ一丁で過ごせるくらいにガンガンに温める人は少ないと思います。
気温が下がる時期は当然、室内干しの洗濯物は乾くのが遅くなります。梅雨や秋雨の時期も、室内の湿度が高くなり易く、洗濯物が乾くのが遅くなります。
洗濯物が湿った状態が長時間続くと、嫌な匂いの原因となる雑菌が増殖し、結果として洗濯物が臭くなります。
そうなるのを防ぐ為には、洗濯物は5時間以内に乾かせすのがベストらしいですが、室温が低い時期の洗濯物の室内干しだと、サーキュレーター等を使っても、短時間では中々乾燥しません。
殊に、干した洗濯物と洗濯物の隙間が狭かったり、厚手の生地の衣類だったりすると、乾燥に時間が掛かり、悪臭源となるモラクセラ菌やマイクロコッカス菌の増殖を許す事になってしまいます。
また、冬に加湿器を使ったりしても、部屋の湿度が高くなり、部屋干しの洗濯物は乾き難くなります。
因みに、洗濯物の嫌な匂いの原因となる雑菌は、湿度60%以上で絶賛大増殖状態へと確変するそうです。
滅菌殺菌除菌消臭オゾンの力 オゾン発生器付きサーキュレーターが市販されているがオゾン発生器付き物干し竿でも良いのでは?
オゾンの強力な酸化力は、菌やウィルスの細胞膜を酸化破壊して死滅させます。洗濯物をオゾンに曝せば当然、悪臭の発生源となる雑菌も死滅するでしょう。
サーキューレーターとオゾン発生器を一体化して、オゾンを含む風を洗濯物に中ててやる事で、室内干しの洗濯物が臭くならない様にするというコンセプトで設計された、オゾン除菌消臭サーキュレーターという製品が、普通に市販されています。
有名なのは、マクセル(maxell)から発売されているオゾン除菌消臭器「オゾネオ部屋干しネクスト」という、オゾン発生器付きのサーキュレーターらしいです。
こちら、Amazonの商品レビューを参考にすると、「オゾンの消臭能力で部屋の中から嫌な匂いが無くなった。」といった製品に肯定的な意見が見付かるのと同時に、「オゾン発生部分の掃除をするのにドライバーで分解が必要でメンテナンスが面倒臭い。」という否定的な意見も見受けられました。
レビューから総合的に判断すると決して悪い商品ではないと思うのですが、放電で空気からオゾンを発生させるジェネレーターの場合、窒素酸化物(NOX)も同時に発生させてしまい、どうしても異物が電極に付着して汚れてしまう事が避けられません。
電極が汚れるとオゾンが発生しなくなるので、オゾン発生器は基本的に月一くらいの頻度で電極の掃除が必要になります。
一流メーカーと呼べるマクセルの製品なのに、メンテナンス性が悪く、掃除の度に分解が面倒というのは、ちょっと残念な話です。
さて、前置きが長くなりましたが、そろそろ本題に入ります。マクセル製のオゾン発生器付きのサーキュレーターの存在から、私、実にしょうもない事を思い付きました。
部屋干しの洗濯物をオゾンに曝せば雑菌の増殖により発生する嫌な匂いを防げるのなら、別にサーキュレーターではなくとも、物干し竿にオゾン発生器を取り付けてしまえばそれでも良いんじゃないかと!
まあ単に、物干し竿とオゾン発生器を2個1するだけなので、新案特許を申請する様な斬新なアイデアでは全くありませんが、思い付いてみると、これは中々に良い案なのではないかと、実際に試してみる事にしました。
左右方向にオゾンを撒き散らすダブルファン採用の物干し竿取り付け用オゾン発生器
思い付いたアイデアを形に! という事で、実際に物干し竿に取り付ける両方向ファン付きのオゾン発生器を形にしてみました。
ジェネレーターとして使用するのは、過去の記事でも紹介しましたが、Amazonで300円ちょっとで買える、5Vで駆動し、微量のオゾンを生成する、有人環境下でも安心して使えるオゾン発生器です。
5Vで駆動するというのは、モバイルバッテリー等のUSB電源を用意すれば、もうそれだけで使えるので、特別な電源要らずで非常に楽です。
ジェネレーターを挟むように、左右に電動ファンを設置する事で、このオゾン発生器を物干しに取り付けた場合、生成されたオゾンは両方向に流れて行き、洗濯物の上方から降り注ぐ雨の様にオゾンを浴びせ掛ける事が出来る筈です。
オゾン発生器を収めるフレームは、ダイソーで110円で買える50膳入りの裸割り箸を適当な長さに切った物です。
この裸割り箸、昔は100膳入りだったのが、やがて80膳に減り、70膳に減り、到頭たったの50膳に迄減ってしまった残念な商品です。
電子工作で自作した基板を収納する筐体を組むのに恰度良いので、この裸割り箸を長らくずっと愛用しています。
ここ最近の値上げラッシュで内容量が半分に激減ですが、そらでも他で買うよりも安いので、仕方無く量が減ったこの割り箸を購入し続けています。
今回使った電動ファンも5V駆動の物です。これは昔、安売りしていたジャンク品を纏め買いした時の在庫です。
電動ファンの径が小さいので、風量は少ないのですが、オゾンを拡散させるという目的に使うなら、性能的には問題ありません。
径の小さいファンは風量を高い回転数で稼ぐので、5Vで回すと割と音が五月蝿いので、2個を直列に繋いで1個辺りを2.5Vの低電圧で駆動させて静音化しています。
モーター系の部品をその儘、モバイルバッテリーに繋ぐと、発生したフライバック電圧でモバイルバッテリーの基板が壊れる可能性があるので、当然️フリーホイールダイオードも入れています。
オゾンは重いので洗濯物の上で発生させれば自然に下へと落ちて行く
オゾン発生器を洗濯ばさみに紐で括り付けて、物干しに取り付けます。
そして、物干しに干した洗濯物の真ん中辺りにオゾン発生器が来る様に取り付けます。
この状態でオゾン発生器を稼働させると、洗濯物にオゾンが浸透し、悪臭の発生源となるモラクセラ菌やマイクロコッカス菌の増殖を妨害してくれる筈です。
室温が低くなり、洗濯物の乾燥時間が伸びる事で雑菌が増殖し易くなったとしても、オゾンによる殺菌>増殖の条件が成り立てば、悪臭の発生は防げるだろうという寸法です。
オゾン発生器付きのサーキュレーターを買わなくても、物干し竿にオゾン発生器を取り付ける事で、同等の効果が得られそうです。