これは間違える! 映画ブレインデッド4選(シリーズ・リメイク・リブートではない)

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映画

 目当ての『ブレインデッド』を間違えて購入する人が多い。特にピーター・ジャクソン版が有名なため、まったく別の作品なのに、意図的にそれと勘違いさせるようなパッケージや、販売ページへ本来存在しない別題『Dead Alive』を勝手に付けている“紛らわしい”ケースもある。

『ブレインデッド(Braindead)』と『ブレイン・デッド(Brain dead)』は別の映画

 ――これは決して大げさな話ではありません。

 実は「ブレインデッド」というタイトルは、邦題の中黒の有無(・)や英語表記のスペースの有無だけで、まったく別の映画を指す非常に厄介な地雷タイトルです。

誤認を招きやすい配給会社のパッケージ・デザインや販売ページ しかも問題なのは、「たまたま同名別作品が存在した」では済まないレベルで、現在進行形で“誤認させに行っている配給会社のパッケージ・デザインや販売ページ”が存在すること。
 特に近年になってBlu-ray版が発売されると、この傾向がかなり強くなります。


邦題の中黒(・)、原題のスペースの有無は重要

 まず押さえておきたいのは、ここです。

  • ブレインデッド(Braindead)
    → スペースなし/中黒なし
    → ピーター・ジャクソン監督の有名なスプラッター映画(1992)
  • ブレイン・デッド(Brain Dead)
    → スペースあり/中黒あり
    → まったく別の映画が複数存在する

 タイトルを見ただけではどれがどの作品なのか判別がつきにくい。さらに公開年が近い作品もありこちらでも混乱する。そして、シリーズやリメイク、リブート作品かなと思えたりもする。
 でも 中身はジャンルも作風も監督も全部違う

 にもかかわらず、実際の販売現場では、

  • パッケージが明らかにピーター・ジャクソン版風を意識している
  • 販売ページの別題に勝手に別題「Dead Alive」と記載
  • 説明文が曖昧で誤解を誘う

 といった、「知らない人が間違って購入してしまいそう」な売り方が普通に行われています。


しかも「映画3本+TVシリーズ1本」が存在する

 さらにややこしいのが、『ブレインデッド/ブレイン・デッド』という名前を持つ作品が、

  • 映画だけで 3本
  • さらに 同名の海外TVシリーズが1本

 存在すること。

 繰り返しになりますが、これらは、

  • 続編でもない
  • リメイクでもない
  • 世界観も一切つながっていない

 完全に無関係な別作品です。

 映画『死霊のはらわた/The Evil Dead』は『死霊のはらわた リターンズ/Ash vs Evil Dead』というTVのホラーコメディドラマが制作されていますが、TVドラマ版の『BrainDead』は、それとはまったく違い独立系です。
 この辺を理解しておかないと、

  • 有名なゾンビ映画を買ったつもりが、心理スリラーだった
  • コメディホラーの続編だと思ったらまったく繋がってないTVドラマだった

 ――こういう事故が本当に起きます。


だから、買う前に「どのブレインデッドか」を確認してほしい

 この記事では、

  • 1990年のサイコホラー映画
  • 1992年のピーター・ジャクソン版
  • 2007年のコメディホラー映画
  • 2016年のTVシリーズ

 計4つの『ブレインデッド』を完全に切り分けて整理しています。

  • どれが欲しいのか
  • どれを避けるべきか
  • パッケージ詐欺に引っかからない見分け方

 ――そのための 確認用に以下のパッケージ画像を参考にして下さい

邦題『ブレイン・デッド/脳外科医R』

 タイトルと別題の誤表記による混同が最も起きやすいのが、この1990年版です。
 どこまでが現実で、どこまでが夢なのかわからない夢の中の夢のような作品。切なく、そして面白い。さらに蝶々が印象的。

邦題『ブレインデッド』

 ピーター・ジャクソン監督の悪ノリ(Bad Taste)感が強烈な初期3作品。国内版は「ゾンビ赤ちゃんを抱いて椅子に座った看護婦」のパッケージが有名。海外版パッケージも複数ある。

邦題『ブレイン・デッド/死霊の晩餐』

 放題は副題があるのでわかりやすいが、原題は『Brain Dead』なのでややこしい。さらに輸入盤のパッケージは、作中のコメディ感を無視した、そしてゾンビとはちょっと違うのに、本格的なシリアス・ソンビ映画を想起させるデザインなので、ピーター・ジャクソン版と間違えやすい。

邦題『BrainDead』

 過去作の続編TVドラマと勘違いしそうだが、まったくの別物。クローネンバーグ監督へのリスペクトを感じさせるスキャナーズ的な頭部爆発シーン。そして、最終話のラストは――『ザ・フィースト/Feast』3部作へのオマージュ感を強く感じさせるギター弾き語りが衝撃的!


『ブレインデッド/ブレイン・デッド』一覧表

区分 作品概要 原題 監督/出演 公開年 特徴 パッケージの特徴
映画(サイコホラー) ビル・プルマン主演のサイコホラー映画。
邦題は『ブレイン・デッド/脳外科医R』(中黒あり)。
まれに存在しない別題「Dead Alive」を付けて ピーター・ジャクソン版を装った詐欺販売があるので注意。
Brain Dead
(スペースあり)
監督:アダム・サイモン 1990年 スプラッターではなく心理的恐怖が中心。
中古の国内版VHSや新品の輸入盤が存在。
貼り付けられた男の顔
映画(スプラッター) ゾンビ化した母親と息子の戦いを描く カルト的人気のホラーコメディ。
邦題は『ブレインデッド』(中黒なし)。
Braindead
(スペースなし)
または Dead Alive
監督:ピーター・ジャクソン 1992年 ゴア描写が非常に激しい。
中古国内版VHD・DVD、新品の輸入盤が存在。
女の人の口の中からゾンビ
映画(コメディホラー) 宇宙からの隕石に付着していた 黒いアメーバ状生物が寄生するゾンビ風怪物映画。
邦題は『ブレイン・デッド/死霊の晩餐』(中黒あり)。
輸入盤はピーター・ジャクソン版と紛らわしいので注意。
Brain Dead
(スペースあり)
監督:ケヴィン・テニー 2007年 アメーバ寄生系のゾンビ風怪物。
中古の国内版、新品の輸入盤が存在。
地面からゾンビの手が伸びている
(作中に該当シーンなし)
テレビシリーズ(政治ドラマ) 政治家たちが宇宙人のアリに 脳を食われるSFコメディドラマ。
邦題も原題と同じ『BrainDead』
BrainDead
(BとDのみ大文字)
出演:メリー・エリザベス・ウィンステッド 2016年 全13話・1シーズンで打ち切り。
全話収録の新品の輸入盤DVDが存在。
「BrainDead」の文字が顔になっている黒衣の人物

これから購入・レンタル・配信視聴を考えている人は、上の表も参考にして選ぶことを強くおすすめします。


『ブレインデッド/ブレイン・デッド』問題まとめ

本当にあった怖い話(実話奇談)

 実際、私自身も一度、奇妙な体験をしています。

 ブレインデッド作品のコレクターとして、国内版のVHSキャプチャーしか持っていなかったため、画質の良い――
 1989年制作1990年公開版、邦題で『ブレイン・デッド/脳外科医R』
 の方のDVD、あるいはBlu-rayを探していました。

 ところが、ある販売ページを見て違和感を覚えます。
 パッケージ画像は国内版VHSと同じ。
 それなのに、なぜか別題として 「Dead Alive」 が付いているのです。

 ここで考えられる可能性は、いくつかあります。

  • ピーター・ジャクソン版を匂わせて、購買意欲を煽っている
  • 出品者が「Dead Alive」を別題だと誤解している
  • 実はピーター・ジャクソン版なのに、画像を間違えて使用している

 どれだとしても、どこかおかしい。

 この時点で私は、名状し難い“なにか”に惑わされ、奇妙な思考の迷宮に迷い込んだような気分になり、背中に薄ら寒いものを感じました。

 本能的に、
「これは買わないほうがいい」
 そう察して、そのまま購入は見送りました。

 これが正解だったのか、間違いだったのかは分かりません。

 ただ、今となっても、あの商品が本当に『脳外科医R』だったのか、それともピーター・ジャクソン版だったのかは不明のままです。

 映画に関する多少の知識があったから回避できましたが、何も知らなければ普通に購入していた可能性は高いでしょう。

 もしかすると私はあのとき、知らぬ間に和漢三才図会に記録される蜃のような怪異に出遭っていたのかもしれない。

 そう思うと、今でも思い出すたびに鳥肌が立ちます。


最後に

 『ブレインデッド』と『ブレイン・デッド』は、シリーズでもリメイクでもなく、まったく無関係な別作品です。

 そして残念ながら、「間違えて買わせに行っている」としか思えない売り方が、今だからこそ普通に存在しています。

 この記事で整理した一覧表と見分け方は、そうした混乱や“事故”を避けるためのものです。

 目当ての一本に、正しく辿り着くために。
 どうか購入前に、「どのブレインデッドなのか」だけは確認してください。


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