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moto g53y 5Gを買う迄の長い前置き
コロナが流行る前は、運動に、雨の日以外毎晩一時間ほど、ポール・ウォーキングで近所をほっつき歩いていたのだが、コロナで引き籠もる事を覚えたら、外に出るのが億劫になり、それ以来代わりに、室内で毎日一時間、踏み台昇降をするのが日課となった。
緩い運動は大好きで、毎日身体を動かさないと調子が悪くなるので、外に出る事なく、天候にも左右されず、金も掛からず、手軽な運動が手軽に継続出来る踏み台昇降は、控えめに言って最高の健康管理方法だと思う。
ただ、ボケっと一時間、踏み台昇降のみに勤しむのは、流石にかなり退屈だったりもする。そこで、SIM無しのスマホ端末で、運動しながら動画鑑賞をする事が多い。
予めPCを使い、AV1コーデックでエンコードを施した、ファイル・サイズが程よく小さく縮んだ動画を、スマホ端末のストレージに入れてのオフライン鑑賞である。
AV1コーデックでエンコードされた動画の再生はデコード処理がかなり重いので、ベンチマークソフトのAntutu(Ver.10)で20万点程度のスコアしかない端末だと、HD(720p)サイズくらい迄なら大凡問題は出ないが、FHD(1080p)辺りの動画になると、動きの激しい場面等でコマ落ちが起こり始める。
余りメジャーではないが、それなりに出回っているUNISOC系のSoCが載っかった格安なAndroid端末が、正にAntutu(Ver.10)20万点台にドンピシャで当て嵌まる。私も実際、UNISOC T610の載った端末を使っていた。
スマホの格付ではミドルレンジの下位に中るUNISOC T610の載った端末は、ネットを愉しむ程度の普段使いの作業ならサクサク動いてストレスを感じないのだが、動画再生用途となると、ちらほら無理が目立ってくる。
特に困るのが、私の持っているUNISOC端末がDolby Atmosに未対応であり、最近増えつつある、音声にDolby Digital系のコーデックを使った動画ファイルだと、画像は映っても音声が全く再生出来ないのだ。
これは別に、UNISOC系の端末が特別駄目な訳では無い。大手キャリアがMNP特典として1円で販売する様な、定価が2万円台前半の低価格帯の端末の悉くは、Dolby Atmosを再生出来ないのが普通である。或る程度、それこそ端末本体が4万以上するような価格帯の、ミドルレンジ上位のSoCの載ったクラスからくらいでないと、現状殆どDolby Digital系全般に対応していない。
音響特化Motorola! (含むmoto g53y 5G)
……と、思っていたのだが、Webで調べてみた処、驚く事に、何とDolby Atmos対応のMotorolaのmoto g53y 5Gという格安端末が、2023年6月29日にY!mobileから独占発売されていた。往年のゲーマーなら皆大好きなCPU、MC68000で有名な、あのMotorola社が格安端末を製造していたとは。ただならぬ運命を感じてしまう。
MC68000とは?
Motorolaが開発したCPU。MotorolaではMPU(マイクロプロセッシングユニット)と称していた。
昔のApple Macintoshや、シャープX68000といったPCで使われた。アーケード基板にも多く採用され、メガドライブや家庭用ネオジオといったゲーム機にも使用された。
1980後期~90年代のアーケード基板をコレクションしている人の家には、MC68000が大量に存在する筈。
我慢弱い自分は、欲しくなったらもう止まれない。(迷っている間に入手困難になって)買えずに後悔するより買って後悔しろ、が一応座右の銘なので、フリマで回線契約なし未使用品のmoto 53y 5gを、お値打ち価格な¥12000円で購入。端末転売してくれた人ありがとう。
購入したmoto 53y 5gは、上品な黒い外箱に入って到着しました。開封すると、付属品のケースが装着された状態で、本体が箱の中に収納されています。
ワクワクしながら開封の儀を済ませ、端末を取り出して通電すると、Motorolaの頭文字のMがこれ見よがしに表示されます。でもなんかこれ、上下は逆しまだけど、バットマンの中の人、ブルース・トマス・ウェインがオーナーの大企業「ウェイン・エンタープライズ」のロゴみたいです。スマホの向きをひっくり返してみるとモロにWだもの。
閑話休題。moto 53y 5gを手に持ってみると、格安端末に在りがちなチープ感はなく、気品を感じさせる落ち着いたデザインをしており(飽く迄、個人の感想)、流石Motorolaやるじゃないか。と、上から目線で感心してしまいました。そして、これを独占販売しているY!mobileも凄い。
早速動画再生を試してみると、Dolby Digital系の音声もちゃんと再生出来ました。更に、内蔵スピーカーがなんとステレオ。正直、価格と性能が良い意味で釣り合ってない。2024年4月頃に各キャリア(実店舗で見掛けた機種を含む)で販売されている同価格帯の安い端末というと、OPPO A79 5GやAQUOS wish3やLibero 5G III、Redmi 12 5GにRedmi Note 10T、arrows We、Xperia Ace III、moto g13、moto g24……この辺りが思い浮かびますが、それらと比べてもmoto 53y 5gは音響に関しては頭一つ抜けてる気がします。反対に、画面サイズの割に解像度は低い目ですが。(下は、Webで仕様を拾って作成した簡単な比較表。AnTuTu(v10)のスコアは測定状況で1万くらい変動するので、100%鵜呑みにしないで参考程度で宜しく。)
端末 | moto 53y 5g | moto g13 | moto g24 | OPPO A79 5G | AQUOS wish3 | Libero 5G III | Redmi 12 5G | Redmi Note 10T | arrows We | Xperia Ace III |
SoC | Snapdragon 480 + | Helio G85 | Helio G85 | Dimensity 6020 | Dimensity 700 | Dimensity 700 | Snapdragon 4 Gen 2 | Snapdragon 480 | Snapdragon 480 | Snapdragon 480 |
RAM/ROM | 4GB/128GB | 4GB/128GB | 8GB/128GB | 4GB/128GB | 4GB/64GB | 4GB/64GB | 4GB/128GB | 4GB/64GB | 4GB/64GB | 4GB/64GB |
AnTuTu(v10) | 39万中番 | 26万中番 | 26万中番 | 38万前半 | 32万前半 | 35万後半 | 41万前半 | 35万前半 | 34万後半 | 35万前半 |
スピーカ | ステレオ | ステレオ | ステレオ | ステレオ | モノラル | モノラル | モノラル | モノラル | モノラル | モノラル |
Dolby Atmos | ◯ | ◯ | ◯ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ | ☓ |
5G対応 | ◯ | ☓ | ☓ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
画面 | 6.5インチ/1,600×720 | 6.5インチ/1,600×720 | 6.6インチ/1,612×720 | 6.7インチ/2,400×1,080 | 5.7インチ/1,520 × 720 | 6.67インチ/2,400×1,080 | 6.8インチ/2,460×1,080 | 6.5インチ/2,400 x 1,080 | 5.7インチ/1,520 × 720 | 5.5インチ/1,496×720 |
2024年でも未だエントリーモデルはDimensity 700やSnapdragon 480が主流。だが、moto 53y 5gは480 +。
2024年時点の低価格で買えるエントリーモデルは、皆一様にミドル・レンジのSoCを採用しているので、どれもAnTuTu(v10)35万点程度の性能があり(但しHelio G85は除く)、何を選んでも普通使いでは快適動作するでしょう。moto g13とmoto g24は別の意味で尖ったスペックです。
しかし、moto 53y 5gの場合は、他との差別化が狙いなんでしょうか? 普通のSnapdragon 480ではなく、高クロック版のSnapdragon 480 +を搭載する事で、40万に届きそうなAnTuTu(v10)スコアが出ており、他より多少高性能となっている部分にMotorolaの拘りみたいなのを感じて、嬉しくなりますね。(外観とSocが同じでメモリが8g載った兄弟端末のmoto 53j 5gだとAnTuTu(v10)スコアが41万点を超える。Redmi 12 5GのSnapdragon 4 Gen 2はCPUスコアは高いが、GPUスコアに関してはSnapdragon 480より低い。Dimensity 6020はDimensity 700のリネーム品らしく700と性能が同じ。)
AnTuTu(v10)のスコアが幾つくらいからハイエンドなSocに分類されるのかは知りませんが、世間一般の感覚で、Snapdragon 888搭載の端末やGoogle Pixel 7aはハイエンドに分類されるらしいので、スコア70万点超えた辺りからハイエンド端末になると考えておけば大きな間違いはない様な気がします。そうなるとmoto 53y 5gはミドルの中間より少し上の位置付けとなるんでしょうか。動画鑑賞用として使うなら、画面も大きくて見やすく、Dolby Digital系も対応なので、お勧めな端末だと思います。
最後に、moto g53y 5Gの電源切り方が最初判らなかった。
スマホの電源の切り方は普通、電源ボタン長押しorボリューム下+電源ボタン長押し、どっちかだと勝手に思ってました。しかし、moto 53y 5gはどっちを試しても電源が切れなかったので、最初焦ってしまった。
どうやるんだ? と説明書を見た処、正解は、ボリューム上+電源ボタン長押しだった。画面上部からのスワイプ2回からでも電源切るボタン表示されました。面倒臭いので今は、設定から、電源ボタン長押しのみで電源を切れる様にしました。