ハイターよりも使いやすい? ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが超優秀
主にお風呂の残り湯を数日再利用するために購入したジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの粉末ですが、実際に使ってみると、予想以上に便利でコスパも抜群でした。
少量のスプレーボトルに、濃度30ppmの次亜塩素酸水を自作するだけで、手指の消毒から、汗で臭くなりがちな衣類や椅子の座面の消臭まで、まるでファブリーズのように気軽に使えます。用途の幅がとにかく広く、「これ一本で大体なんとかなる」と感じるレベルです。
液体タイプのハイターと違い、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムには水酸化ナトリウム(強アルカリ性の成分)が含まれていないため、肌に触れてもほとんど刺激がありません。私は普段、素手でスプレー作業をしていますが、肌荒れなどは特に感じていません。むしろ、ハイターのように「取り扱い注意」と神経質になる必要がないぶん、日常使いしやすいと感じています。
さらにこの成分、乾燥した粉末状態で保管できるのも大きなメリットです。液体のハイターはボトルが大きく、保管場所を選びますが、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの粉末なら、ジップロックや瓶などにコンパクトに収まります。省スペースで長期保存も可能。少しずつ使えば非常に長持ちします。
正直なところ、漂白目的で使う時を除けば、消毒・除菌・消臭の用途はもう全部これだけで十分では? とすら思っています。もっと早く使い始めていればよかったな、と軽く後悔しているくらいです。
ちなみに、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムには錠剤タイプもありますが、私は断然「粉末タイプ」をおすすめします。というのも、粉末なら用途に応じて濃度も作る量も自由自在に調整できるからです。水500mlに対して何グラム混ぜるかで、30ppm、100ppm、200ppmといった濃度を簡単に変えられます。コスパも操作性も粉末の方が圧倒的に優れています。

用途別に使い分ける!次亜塩素酸水の濃度と作り方の目安
作った次亜塩素酸水は早めに使い切るのが基本
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの粉末は、用途に応じて濃度や作成量を柔軟に調整できるのがとても便利です。
ただし注意点として、水に溶かして作成した次亜塩素酸水は、時間が経つと塩素濃度がどんどん低下していきます。これは空気中への揮発や、容器との反応による分解が原因です。そのため、なるべく必要な分だけをこまめに作り、遅くとも1か月以内には使い切るようにしましょう。
小分けスプレーボトルや加湿器など、日常的に使う分量を都度作ることで、効果を最大限に保てます。
濃度0.4~1ppm:風呂の残り湯や家庭用プール水の除菌・浄化に最適
低濃度の次亜塩素酸水は、浴槽の残り湯やビニールプールなどの家庭用水の浄化におすすめです。
例えば、水100Lにジクロロイソシアヌル酸ナトリウム粉末を0.2g加えれば、約1ppmの濃度になります。少し余裕をもって0.3g加えて1.5ppm程度にしておくと、水中の有機物に反応して塩素が減少したあとでも、翌日には0.4~1ppm程度を保てます。
この程度の濃度であれば、沈殿した汚れを網で掬い取るくらいの作業は必要ですが、毎日お湯を替えることなく4~5日程度再利用することも可能です。適度な塩素濃度を保っていれば、水のヌメリや異臭も発生しません。
濃度が高すぎると人体や風呂釜への影響が懸念されるので、水中の塩素濃度を簡易的にチェックできる試験紙(DPD法など)を用意しておくと安心です。

濃度10~50ppm:手指消毒や空間除菌にちょうど良い濃度
10~50ppmの次亜塩素酸水は、殺菌力がありつつも肌への刺激が少なく、手指の消毒や室内空間の除菌・消臭に非常に適した濃度です。
たとえば、水1Lに対してジクロロイソシアヌル酸ナトリウム粉末を0.1g加えると50ppm、0.05gなら25ppmになります。計量の精度が求められるため、分解能0.01g以上のデジタル秤があると便利です。私は0.01g対応の秤を使っていますが、さらに正確に測りたい方には、0.001gまで測定できる精密秤をおすすめします(詳細は後述)。
私はこの50ppm濃度の次亜塩素酸水を、以下の用途に使っています。
- 手指の消毒用スプレー(持ち歩き用の小ボトル)
- 空中噴霧(小型の超音波式加湿器を使用)
- ペット用品の消毒(舐めても安全性が高いため、一緒に生活しているフェレットのおもちゃにも使用)
我が家ではオゾン発生器も併用していますが、この濃度の次亜塩素酸水を加湿器で空間噴霧すると、フェレットのトイレ臭や、料理後の残り香、加齢臭などが素早く消えるので非常に重宝しています。
加湿器による連続噴霧は部屋の湿度が上がってしまうため、臭いが気になるタイミングで1回10分程度の運転にとどめていますが、それだけでもしっかり効果が感じられます。
さらに、次亜塩素酸水の空間噴霧は、空気中のウイルス・細菌・カビ胞子などの浮遊微生物対策としても即効性があり、風邪やインフルエンザの流行時期、カビが気になる梅雨時などにも効果を発揮します。エアコンまわりの除菌にもおすすめです。
また、スプレーボトルに詰めて直接噴霧すれば、ファブリーズや市販の除菌・消臭スプレーの代用品としても非常に優秀です。市販品に含まれる香料などが苦手な人にもおすすめできます。
フェレットの排泄物それ自体の消臭にも効果抜群
余談ですが、フェレットは一度トイレの場所を決めると、できるだけ排泄物を積み上げるように同じ場所で排泄する習性があります(通称:うんちタワー)。そのため、トイレ掃除を頻繁にしてしまうと、逆にトイレの場所が定まらなくなることがあります。
我が家ではこの習性を尊重して、トイレの掃除はあえてすぐにはせず、排泄物はしばらくそのままにしています。ただしそのぶん臭いがこもりやすくなるため、排泄後すぐに、次亜塩素酸水(50ppm程度)を排泄物に直接スプレーして消臭・除菌を行うようにしています。
このひと手間で、フェレットの健康と飼育環境の快適さを両立できるので、フェレットの飼い主さんには非常におすすめの活用方法です。

このように、「濃度10~50ppmの次亜塩素酸水」は、人間・ペット・空間すべてにやさしく、かつ強力に使える万能濃度です。用途に合わせて自作し、賢く活用していきましょう。
濃度100ppm:雑巾に含ませて拭き掃除に使えるしっかり除菌レベル
水1Lに対して粉末を0.2g加えれば、次亜塩素酸水100ppmが作れます。この濃度になると除菌力も一段と高まり、雑巾を使った拭き掃除や、台所・トイレまわりの衛生管理に適しています。
ただし、肌が弱い方にとっては刺激を感じる場合もあるため、使う際は手袋の着用を推奨します。私は素手でも使っていますが、手荒れが気になる人は注意してください。
濃度200ppm:マスク・水筒・布団などの徹底消毒に
粉末0.4g/Lで作れる200ppmの高濃度次亜塩素酸水を、私は布マスクの消毒や飲料用ボトルの洗浄、洗濯物の生乾き臭対策などに使っています。
具体的には……、
- お茶を入れる水筒の洗浄(水洗いだけでは落ちない茶渋や雑菌ヌメリをリセット)
- モラクセラ菌などの臭い原因菌の除去(洗濯前のつけ置きに活用)
- フェレットのトイレトレーや布団の洗浄(強力な消臭効果がある)
これくらいの濃度なら、消毒力と消臭力が非常に高く、家庭内のあらゆる衛生管理に使えます。食品を直接扱う用途でなければ、幅広く活用できる万能濃度です。
おすすめのデジタル秤は分解能0.001g
次亜塩素酸水の濃度を正確に作るには、微量の粉末を測る必要があります。分解能0.01gのデジタル秤でも使えますが、より高精度を求めるなら0.001gまで測れるタイプを選びましょう。
たとえば0.05gを量る場合、0.01g対応スケールでは0.048gや0.054gも「0.05g」と表示されてしまうため、正確な濃度管理が難しくなります。少し価格は上がりますが、用途の広がりを考えると精密秤への投資は無駄になりません。


市販の消臭剤や除菌スプレーに頼らなくても大丈夫
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムから作る次亜塩素酸水は、濃度を調整することで本当にさまざまな用途に対応できる、非常に実用性の高い除菌・消臭アイテムです。
手指の消毒や空間除菌といった一般的な衛生管理はもちろん、風呂水の再利用やペットのトイレ対策、衣類や布団のニオイ取り、台所や水筒の雑菌対策まで、これ1つで驚くほど幅広く活躍してくれます。
市販のスプレーや除菌剤のように、香料や界面活性剤が入っていないぶん、肌や動物への刺激も少なく、無臭で使いやすいのも大きなメリットです。
「なんでもっと早く使わなかったんだろう」と思えるくらい、実際に使い出すと便利さが実感できます。市販品より圧倒的に安く、環境にも財布にもやさしい選択肢。
もしあなたも、家の除菌・消臭を見直したいと思っているなら、ぜひジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの粉末と分解能の高いデジタル秤を用意して、自作次亜塩素酸水生活を始めてみてください。きっと手放せなくなると思います。