ダイソーの雨よけバイザーは日焼け防止になる? 紫外線A波は透過・B波はカットする

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生活

雨天時の視界確保に使う「雨よけバイザー」

 ダイソーで税込220円で買える「雨よけバイザー」は、その名の通り雨の日に徒歩や自転車で出かける際、雨粒が目に入るのを防ぎ、前方の視界を確保するためのアイテムです。
 形状としては、帽子の庇(visor)というよりも、顔の前に透明な板を立てる「簡易フェイスシールド」に近い商品です。

 本来の用途が「雨よけ」なので、当然ながら日差しに含まれる紫外線をカットすることは設計段階で考えられていないと思われます。
 ただし、油断してはいけないのは、雨の日でも紫外線はゼロではないという点です。晴天時を100とすれば、雨天時でも30程度の紫外線が降り注いでいるとされ、特に梅雨の時期は「雨でも紫外線対策が必要」と言われるほど。
 そう考えると、もしこの「雨よけバイザー」にも紫外線カット効果があれば嬉しいですよね。

 というわけで、本当に紫外線を防げるのかどうか、実際に検証してみました。


ダイソー「雨よけバイザー」の紫外線カット実験

テスト方法

 今回もいつものように、紫外線に反応して色が変わる「UVチェックシール」を使います。100枚入りで安価なうえ、可逆性があるため、寿命が来るまでは何度でも繰り返し使用可能。色の濃さで紫外線強度もわかりますので、コスパ的には非常に優秀なアイテムです。
 もちろん、フォトクロミック色素には寿命があり、経年や紫外線の累積照射で変色しなくなる可能性があります。とはいえ、低湿度かつ冷暗所で保管すればかなり長持ちするので、UVテスト用として手元に常備しておくと便利です。

 実験では、バイザーの内側にUVチェックシールを設置し、外側からUV-LEDを照射。シールの色が変化すれば「紫外線を透過している」という判定になります。

使用したUV-LED

 以前、414 nmのHEV-LED(ブルーライト領域)を照射した際には、ほぼ100%透過することが分かっているため、今回は紫外線領域に限定して実験しました。

  • 305 nm(UVB)
  • 325 nm(UVA2寄り)
  • 340 nm(UVA2)
  • 365 nm(UVA1)
  • 385 nm(UVA1)

※各LEDのピーク波長は販売元公称値。

 本来であれば地表に到達する最短波長である280〜290 nmのUVB-LEDでも試したいのですが、手持ちがなく、今後の課題です。UVB-LEDはまだ高価なので入手に少し躊躇しています。


結果

 商品パッケージにも明記されているとおり、バイザー部分の材質は「ポリプロピレン」です。
 ポリプロピレンは光をよく通す樹脂で、この時点でなんとなく最初から嫌な予感しかありませんでしたが、案の定、紫外線カット性能はあまり期待できませんでした。

 実際に試した結果は以下の通り。

LEDピーク波長光線区分カット性能
305 nmUVB◯ カットする
325 nmUVA2✘ 透過する
340 nmUVA2✘ 透過する
365 nmUVA1✘ 透過する
385 nmUVA1✘ 透過する

紫外線カット効果はほとんど期待できない

 結論として、この「雨よけバイザー」はUVB(短波長の紫外線)についてはある程度カットしますが、UVA(長波長の紫外線)はほぼそのまま透過してしまいます。

 特に雨天時は雲によってUVBはある程度遮られており、むしろA波(UVA)が多く降り注ぎます。つまり「雨の日の紫外線対策」にはまったく役立ちません。
 また、快晴時に使った場合でも、UVAは素通りするため、肌の奥まで届いてシミ・シワ・光老化の原因になるA波に対しては無防備です。


まとめ

 ダイソーの「雨よけバイザー」は、あくまで雨粒を避けて視界を確保するためのアイテムであり、紫外線対策を目的としたものではありません。
 「UVカット効果もあるのでは?」と勝手に期待して使うと、肌が紫外線ダメージをしっかり受けてしまうので注意が必要です。

 もし雨天時や日常での紫外線対策を考えるなら、透明タイプでも「UVカット加工済み」と明記されたフェイスシールドやバイザーを、Amazonやホームセンターで探すのがおすすめです。


100均の「雨よけバイザー」に多くを望んではいけない

 今回の検証で分かったのは、ダイソーの「雨よけバイザー」はあくまで雨の日の視界確保用であり、紫外線カット効果はほとんど期待できないということです。
 UVBはある程度カットできるものの、日常生活や美容の面で特に注意すべきUVAはそのまま透過してしまいます。

 もし本格的に紫外線対策をしたいのであれば、透明でも「UVカット加工」が明記されたフェイスシールドやバイザーを選ぶべきです。特に日焼けや光老化が気になる方は、雨の日であってもUVA対策が必要になることを覚えておくと安心です。

 「雨よけ」と「紫外線よけ」は別物。目的に合わせて道具を使い分けることが、快適かつ健康的に過ごすためのポイントですね。


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