マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV & UV-Cチェックカード 購入レビュー

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UV-Cの強度が測れるテスターが欲しい

 光の波長を測定する光波長計が欲しいと思うが、100nmくらいの紫外線領域から測れる製品は値段が高い。
 最近購入したUV-CランプやUVC-LEDの光波長や、どの程度の強さで紫外線が照射されているのかを数値として確かめたいのだが、必要最低限の性能があって、安価で購入可能なテスターというのはなかなか無い。
 UV-AとUV-Bだけしか測れない紫外線強度計は安いが、UV-Cに対応していないのでは、実用性的に今一つで、買う意味が余り無い。

 しかし、Amazonで只管、安くて条件を満たす商品はないかと探した結果、波長250~390nm帯の紫外線強度を測定出来る「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」というのを見付けました。
 市販品として買える低価格帯の一般的な紫外線強度計は、大体UV-B以上の300nmから400nmくらいまでの波長の紫外線しか計測出来ません。
 殺菌灯に多く使用される250nm~280nm帯のUV-Cに関しては、殆どの製品が非対応です。
 そんな製品ばかりの中で、珍しく「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」は、測定波長の下限が250nmなので、殺菌用のUVC-LEDやUVランプの紫外線強度もギリギリ何とか測れる優れ物です。
 それでいてお値段は13000円程度で、UV-Cの測定レンジを持つ紫外線強度計としては、とてもお安い。
 どう考えても、買うとしたらこれが良さそうなので、後で来るクレジットカードの支払請求の額が怖いのですが、思い切って購入に踏切りました。

紫外線の種類と波長

  • UV-C:100nm~280nm(短波長紫外線
  • UV-B:280nm~315nm(中波長紫外線
  • UV-A:315nm~400nm(長波長紫外線

SP-82UVはUV-Cの強度を測れるが波長を調べるのは無料

 購入した「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」ですが、仕様に偽り無く、紫外線殺菌灯のUV-Cの強度を間違い無く測れるのですが、1つ問題がありました。
 この測定機、紫外線を測定してその強度を数字として表示してくれるのですが、測った紫外線の波長は教えてくれません。
 更に、どの辺の波長の紫外線をメインで測れという様なレンジ指定は出来ないので、受光部で受けた波長250~390nm帯の紫外線の全てを一緒くたに纏めて計測してしまいます。
 まあ受光部の交換等で測定波長のレンジ切替が出来るタイプの紫外線強度計が欲しければ、桁が1つ多い金額を出さないと手に入る訳が無いので、その辺は仕方がありません。
 しかし、測定波長が不明という事は、例えばUVC-LEDの光を測って紫外線強度が出ていても、それが本当にUV-Cなのか、実はUV-BやUV-Aしか照射して無い詐欺商品なのか、判別の付けようが無いと言う事です。
 通販で買ったUVC-LEDが本物という保証は全くありません。何かしらの手段で、ちゃんとUV-Cが出ている本物か否かを調べる必要があります。何か方法が無いと手詰まりです。
 それを解決する手段として、別でUV-C測定チェックカードという商品も購入しました。

簡易確認に使えるUV-Cを中てると色が変わる紫外線チェックカード

 このUV-C測定用のチェックカードは、UV-Cを中てると紙の受光部が緑色に変化して、照射されている光の波長がUV-C帯で間違い無い事を教えてくれます。
 このチェックカードは、UV-AやUV-B帯の紫外線を中てても色は変わらないので、簡易的な確認には充分に役に立ちます。
 UV-C測定チェックカードでUV-Cの真否を先ず確認してから、「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」で紫外線強度を測定すれば、大雑把にですが、必要な判定は全て試せる事になります。
 ただ、このUV-C測定用のチェックカードですが、使い捨てでは無く何度も再利用可能だとはいえ、ペラッペラの小さいカード2枚で約1000円というのは、流石に高過ぎる気がします。
 もしかしたら、UV-Cに反応して色が変わる塗料が高価なので、この値段が妥当なのかも知れませんが、同じ商品では無いと思いますが、AliExpressだと類似品が10枚500円くらいで買えます。

マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UVの強度測定は340nmで較正されている

 測定器には普通、何かしらの測定基準が設定されています。「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」の紫外線強度測定の基準は、マニュアルを見る限り、340nmの波形に設定されています。
 つまり、340nmのUV-Aを測定した時のみ本来の正確な紫外線強度が表示されるが、その他の波長の紫外線を測定した場合、実際の強度よりも測定値が低く表示されてしまう仕様みたいです。
 例えば、270nmのUVC-LED光を測定した場合、(マニュアルのUVセンサスペクトラム応答性グラフを見る限り)実際の1/4弱の強度の数字しか表示されない様です。因みにマニュアルは、ちゃんとした日本語で書いてあります。
 この「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」は、波長340nm前後の紫外線しか鵜呑みに出来る絶対値を表示しませんぐ、測定する紫外線の波長が判明している場合のみ、マニュアルのグラフを参考にすれば、或る程度の近似値なら求められるよ、という事です。
 お値段がお値段ですし、これなら購入したUVランプやLEDの紫外線強度を調べるのには、充分に役に立ってくれそうです。
 買って損は無い紫外線強度計だと思います。

↑「マザーツール ポケットサイズ紫外線強度計 SP-82UV」マニュアルの表↑

金を掛けずに紫外線の波長を調べる方法は……無い

 紫外線の波長を調べるには光波長計が必要になりますが、結論として安価で手に入る光波長計はありません。
 基本高性能の測定器は普通にウン十万はします。個人がホビー用途で持つのは無理があるので、所有は諦めましょう。
 可視光線域なら金を掛けずに自作の測定器を用意したり、スマホのカメラとアプリで調べられるみたいですが、流石に不可視光線域を、お手軽に測定するのは無理です。

金を掛けずに可視光線域の波長を測定する

 安価な機材で光の波長を調べる方法は幾つかありますが、以下の方法が代表的です。

1. 回折格子を使用する方法

  • 必要なもの: 回折格子(市販されているプラスチック製のものでも可)、カメラ(スマートフォンのカメラでもOK)、光源
  • 手順:
    1. 回折格子をカメラのレンズの前に置きます。
    2. 光源(例えばLEDや太陽光)に向かってカメラを向け、回折した光のスペクトルを撮影します。
    3. 撮影したスペクトル画像を分析し、スペクトルの位置を計測することで、光の波長を推定できます。
  • 注意点: 分解能は限られていますが、異なる波長の光を区別する程度は可能です。

2. CD/DVDを使用する方法

  • 必要なもの: 不要なCDやDVD、スマートフォンのカメラ、光源
  • 手順:
    1. CDやDVDの反射面を使って光を回折させます。
    2. スマートフォンのカメラを使って回折した光のスペクトルを観察します。
    3. スペクトルの分布を分析し、波長を推定します。
  • 注意点: こちらも高精度な測定は難しいですが、簡易的な光の波長分析が可能です。

3. 分光器の自作

  • 必要なもの: 回折格子(またはCD/DVD)、箱(例えば段ボール)、スリット(細い隙間を作る為のもの)
  • 手順:
    1. 箱にスリットを作り、光が入る様にします。
    2. その光を回折格子に通して、スペクトルを生成します。
    3. スペクトルを観察し、色の位置を基に波長を推定します。
  • 注意点: これは少し手間が掛かりますが、自作の分光器として利用出来ます。

 これらの方法は、精密な科学的分析には向いていませんが、教育的な目的や簡単な波長の確認には十分役立ちます。

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