電気殺虫器を複数種類買って使ってわかったこと
コバエがブンブン飛ぶ鬱陶しさよ!
夏になると、どこからともなく部屋に侵入してきて、ブンブン飛び回るコバエ。あの小さくて素早く、どこに止まっているのかも分からない鬱陶しい存在……。私は衛生面の観点からも、コバエのような不快害虫が本当に苦手です。
そんなわけで、家のあちこちに設置する目的で、市販されている電気殺虫器を何種類か実際に購入し、1年ほど使い比べてみました。今回はその実体験をもとに、「外観が似ていても性能に大きな差がある」ことや、「捕獲効率に影響する構造的なポイント」についてまとめてみたいと思います。
殺虫用の電極は「電線ぐるぐる巻きタイプ」がよく捕れる
市販の電気殺虫器には、大きく分けて2つのタイプの殺虫用電極があります。
- 一つは、LEDライトを中心とした円柱構造の周囲に、裸の電線をぐるぐると巻き付けたタイプ。
- もう一つは、LEDの前方(あるいは前後)に、櫛の歯のような薄い鉄板(約2mm幅)を並べて設置したタイプ。
特にコバエ対策として使う場合は、360度全方向から飛んでくる虫に対応できる「電線ぐるぐる巻きタイプ」が断然おすすめです。電極がむき出しで捕獲範囲も広く、実際によく捕れます。
ハエくらいの大きさになると、どちらのタイプでもそこそこ捕れるかもしれませんが、コバエのような小さな虫には構造の差がはっきり出ます。

誘虫用LEDは「高輝度タイプ」のほうがよく集まる
家庭用の電気殺虫器の多くは、上記の電線ぐるぐるタイプの電極を、誘虫用のLEDライトで照らす構造になっています。
この誘虫LEDは、虫が好む360nm前後のUV-A波(紫外線A波)を発するもので、紫外線に引き寄せられる習性を利用しています。ただし、見た目が似ていても、製品ごとに使用しているLEDの明るさ(出力)は大きく異なります。
私自身の体験では、外観がほとんど同じに見える約400円の製品(LEDが暗い)と、約1000円の製品(LEDが明るい)を並べて使用したところ、明るいLEDを使っていた1000円のほうが、明らかに捕獲数が多かったです。
実際に比べてみると、LEDの輝度がコバエの誘引効率に直結しているのがよくわかります。
また、これは補足になりますが、電気殺虫器は部屋の照明を消して使うとより効果的です。室内が暗ければ暗いほど、LEDの光が目立ち、虫が引き寄せられやすくなります。
ただし、高輝度のUVA-LEDを採用している製品なら、部屋が多少明るくてもそれなりに捕獲できます。 明るい場所での使用も視野に入れている場合は、LEDの出力が高い製品を選ぶのがコツです。
200円台の櫛歯状プレート電極タイプ激安殺虫器──粘着シート併用でコバエ激捕れ!
超激安! 200円台で買えた電気殺虫器
AliExpressで、AC100Vのコンセントに直接挿して使えるタイプの電気殺虫器がなんと200円台で売られていたので、思い切って7個まとめ買いしてみました。Amazonでも似たような製品が購入可能ですが、そちらは400円台くらいが相場です。
(ここに画像)


見た目はご覧のとおり、カラフルだけど値段なりのチープな外観。まるで電気街のワゴンセールで売られているジャンク品のような雰囲気です(笑)。しかし、見た目に反して、LEDの明るさはなかなかのもので、紫外線チェックカードで確認したところ、しっかりとUV-A帯(おおよそ360nm)を出していました。
つまり、誘虫灯としての最低限の性能は備えているようです。コンセントに挿しておくだけで24時間自動運転でき、地味ながらしっかり働いてくれます。
ただし、殺虫用の電極は櫛の歯状の薄い鉄板タイプ。コバエは誘引されて近づいてくるものの、なかなか電極に接触せず、感電せずにそのまま飛び去ることも多いです。実際に使ってみた感想としては、コバエのような小型の虫には、プレート電極タイプはやや不向きに感じました。

電気殺虫器の前に粘着シートを置いたら劇的に捕れた!
この激安電気殺虫器、LEDの誘引力はそれなりに優秀なのに、肝心の電極性能がイマイチ。ならば、誘引機能だけ活かして、捕獲は別の方法に任せよう!と思い立ち、前に虫取り用の粘着シートを設置してみました。
粘着シートは100均(ダイソーなど)でも手に入りますが、今回はAmazonで販売されているコスパの良い大判タイプを試しました。どうせ使うなら、と40枚入りのセット商品を購入。まとめ買いのほうが単価も安くなります。
粘着シートにはいろいろな色やサイズがありますが、「黄色」タイプが特にコバエによく効きます。

コバエはなぜ黄色に引き寄せられる?
コバエ(ショウジョウバエなど)は、自然界で蜜や果実を探す際、花の色に似た黄色やオレンジ色に強く惹かれる習性があるとされています。そのため、園芸用品や害虫駆除用品には「黄色粘着シート」が多く採用されています。
これは農業分野の研究でも裏付けがあり、例えば農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)の研究でも、「黄色トラップがコバエ類の飛来数を効果的に増加させる」ことが報告されています。
実際、かなり捕れた!
下の画像をご覧ください。
(ここに画像)
キッチンの流し台のそば、電気殺虫器のすぐ前に粘着シートを敷いて、1週間ほど放置した結果です。電極部分ではコバエはほとんど捕れていませんが、粘着シートにはビッシリとコバエがくっついています。
これはもう、「電気殺虫器というより、強力な誘虫ライト付きの粘着トラップ」として使うべき製品なのかもしれません。
明るい部屋でも捕れるのが粘着シートの強み
通常、UVA-LEDを使った電気殺虫器は、室内が暗いほど効果が出ます。明るい照明の中では、虫がそもそも光に気づきにくいため、捕獲効率が下がります。
しかし、粘着シートを併用したこの方法なら、明るい部屋でもコバエが黄色に反応して飛んでくるため、昼でも夜でも、24時間体制でコバエを捕まえることができます。
唯一の欠点は、シートを敷くスペースが必要になること。ただし、LEDの光さえあれば、シートを置くだけで効率的な「誘引&捕獲トラップ」になるため、急なコバエ発生時の応急対策としては非常に優秀です。
100均のUVレジンライトでも代用可。ただし……
ちなみに、以前試したところでは、セリアで税込110円で売られている「UVレジン硬化用LED」でも、コバエをある程度誘引することができました。UVA波長が出ていれば、専用品でなくてもそれなりに使えるようです。
とはいえ、より効率的にコバエを誘き寄せたいなら、W(ワット)数の高いUVA-LEDライトを使うのがベスト。市販の強力タイプや、DIY向けのLEDパネルを活用するのもおすすめです。

今一つな電気殺虫器は「誘引力」と「捕獲手段」の組み合わせで効果倍増!
電気殺虫器は、見た目が似ていても性能にはっきりと差があります。特にコバエ対策では、「明るいUVA-LED(紫外線)」でしっかり誘き寄せて、確実に捕獲できる仕組みをどう用意するかがポイントです。
私の体感では、電線ぐるぐる巻きタイプの電極と、光量のあるLEDを使った製品が最も効率よくコバエを撃退できました。
一方、激安製品でも「光で誘引する」性能だけは立派なものも多く、粘着シートと組み合わせることで、最初から狙っていたわけではないのですが思いのほか実用的な捕獲装置に変身しました。
◎おすすめの使い分け
- 電線巻きタイプの殺虫器(1,000円前後)
→ これ単体である程度捕れる。暗い部屋で使うとより効果的。 - 激安櫛歯タイプ(200円台〜)+粘着シート
→ 照明が明るい時間帯や、設置スペースが確保できる場所におすすめ。
夏のコバエは放っておくとあっという間に繁殖して大発生しますが、「誘引する光」と「確実に捕まえる罠」を正しく組み合わせることで、簡単かつ低コストで対策できると感じました。
もし電極がハズレの電気殺虫器を買ってしまった場合、ぜひご自宅のコバエ対策に、今回ご紹介した方法を試してみてください。