Amazonでオゾン脱臭機で検索すると何故か一緒に表示されるマイナスイオン式の脱臭器 オゾン式と間違えて購入
この記事は飽く迄も個人の商品使用感です。
Amazonでオゾン脱臭機のワードで検索すると表示される商品で、カテゴリ 脱臭機でベストセラー1位(2024年9月現在)の売り上げを誇る「PAGASA 脱臭機 マイナスイオン」という、全くオゾンは関係の無い脱臭器があります。
価格は599円ととても安い。更に商品のカスタマーレビューを参考にすると、(現時点で)全1,023件中、星5が37%で星4が31%、両者合わせるとなんと高評価だけで全体の68%を占めるという、物凄く良さ気に思える脱臭器だったので、自分も試しに購入してみました。
しかし、高評価のレビューに期待を募らせながら、届いた商品を実際に使用してみたのですが……。うーんなんだろう、これ?
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ! と前置きをして感想を書くと、本当に効果あるのかな? と首を傾げる結果にしかなりませんでした。正直、効いているのかいないのか、体感的に全く判りませんでした。
まあこの商品、実は私は小型のオゾン脱臭器だと思って購入したんですが、届いた後で商品説明をよく読んだら「マイナスイオンによる脱臭」と書いてありました。
マイナスイオン……そう、1999年頃から一時大流行したあのマイナスイオンです。
マイナスイオンには、脱臭効果や除菌効果があるという話が世間に広まり始め、その効能を謳う家電メーカーが数多く現れ、マイナスイオンの発生を売りにした家電が量販店の店頭に大量に並び、一時期メディア等で持て囃されるも、その悉くに科学的根拠が乏しく、実際効果があるのか無いのかよく判らないままにブームが下火を迎えた、あのマイナスイオンです。
Amazonのカテゴリ 脱臭機でベストセラー1位の「PAGASA 脱臭機」の商品紹介欄には、景品表示法的に大丈夫なのかと心配になるレベルで、マイナスイオンを発生させて、その効能で脱臭や除菌を行うのだと、確り明記されておりました。
それを詳しく読んだら、なんか一気に似非科学臭が強くなり、この商品がとても胡散臭く感じられる様になってしまいました。まあ実際にはどうなのか判りませんが。
マイナスイオンの効果自体、今の処は科学的根拠が無いというものの、こんな物は詐欺商品だと完全否定してしまうのは、それはそれで問題がある気がするので、そういう部分も含めて微妙な商品だと思います。
「PAGASA 脱臭機」Amazonのカスタマーレビューの星を購入している可能性もあり
個人的には胡散臭いだけで本当に効果があるのか疑わしくて仕方の無いマイナスイオン式の脱臭器ですが、何故かこのPAGASA 脱臭機には、Amazonカスタマーレビューの高評価が多いのです。
Amazonの商品ページのカスタマーレビューを読んで見れば判るのですが、PAGASA 脱臭機を使用して実際に脱臭効果を実感出来ると書いている人が、それなりの数存在しているのです。
……ただ、この商品。購入して開封すると、箱の中に説明書と一緒に、「星4か5の肯定的なレビューを書いてくれたら、Amazon商品券を300円分プレゼントするよ!」みたいなメッセージカードが同封させているんですね。
こういうカードの文面を見てしまうと、高評価を付けている人の全部が全部そうだとは思いませんが、或る程度、本物の高評価レビューの中に混じって、Amazonの商品券欲しさに書かれた提灯レビューも少なからず存在しているじゃないかな、と勘ぐってしまう訳なんですね。
まあ、この製品はよく売れている人気の品みたいなので、実際に高品質高性能な脱臭器である可能性は決して否めないのですが、肯定的なレビューをそのまま鵜呑みにしてしまうのは、偽客が混じっている可能性が高いのでかなり危険かも知れません。
私もオゾン脱臭機と勘違いして買ってしまった手前、取り敢えず使用してはいるんですが……。正直、最初の方に書いた様に効果の程は本当に不明です。
購入を考えている方は、買ってから後悔しない様に一応ご注意下さい。
科学的根拠の疑わしいマイナスイオンの脱臭効果や除菌効果
マイナスイオンに関しては、その脱臭効果や除菌効果が広く宣伝されていますが、これらの効果に関する科学的根拠は非常に疑わしいとされています。
マイナスイオンに付いて広く宣伝されている効果
- 脱臭効果: マイナスイオンが空気中の有害物質や悪臭成分を分解するという主張があります。多くの家電メーカーが、空気清浄機や脱臭機にマイナスイオン技術を搭載して販売しています。
- 除菌効果: マイナスイオンが空気中のウイルスや細菌を除去するという広告が存在します。これにより、空気中の病原体を抑えるとされており、これも一部の空気清浄機などに利用されています。
科学的根拠の欠如
多くの研究者や専門家は、マイナスイオンの脱臭や除菌効果に対して懐疑的です。その理由は以下の通りです。
- 研究結果が不十分: マイナスイオンの効果に関する信頼出来る科学的研究は殆ど存在しません。一部の研究では効果が示唆される事もありますが、これらの研究の多くは方法論に問題があったり、統計的な信頼性に欠けたりする場合があります。
- 機能とメカニズムの不明瞭さ: マイナスイオンがどの様にして臭いや病原体を除去するのかというメカニズムに関する説明が曖昧です。科学的な理論では、マイナスイオンが空気中の粒子に付着し、それを重くして地面に落とす事で一時的に空気が「きれい」になると説明される事がありますが、これだけでは脱臭や除菌効果を説明するには不十分です。
- 対照研究の欠如: マイナスイオンの効果を評価する為の対照群を含んだ厳密な実験が殆ど行われていません。プラシーボ効果や、他の要因(空気の循環など)が影響している可能性も考えられます。
- 主要な健康機関の認証がない: マイナスイオンによる脱臭や除菌効果を裏付ける正式な認証を出している主要な公的機関や健康団体はありません。多くの国で消費者保護団体や規制機関は、これらの効果を宣伝する製品に対して警告を発しています。
実際の効果の限界
マイナスイオンが一定の条件下で、空気中の塵や粒子を除去する事は可能ですが、その効果は限られています。また、脱臭や除菌に関しては、期待されるほどの強力な効果がない事が多いです。殆どの効果は一時的なものであり、持続的な空気浄化や脱臭、除菌には他の技術(フィルター、UV-Cライト、活性炭など)の方が効果的であるという意見が一般的です。
結論
マイナスイオンに関する脱臭効果や除菌効果の科学的根拠は非常に乏しく、実際の効果も限定的です。科学的に認められていない為、これらの効果を期待して製品を購入する事は慎重に検討するべきです。
真偽の怪しいマイナスイオンの脱臭効果
マイナスイオンの脱臭効果を主張する人々は、主に次の様な原理で効果を説明しています。これらの説明は、科学的な裏付けが十分ではない事が多いですが、以下が一般的に宣伝されている理論です。
1. 空気中の粒子との結合による除去
マイナスイオンが空気中に放出されると、浮遊している悪臭成分や有害な微粒子(ホコリ、花粉、PM2.5、VOC〈揮発性有機化合物〉等)と結び付くとされています。この結合により、悪臭成分や有害物質が重くなり、最終的に地面や物の表面に落下する事で、空気中から取り除かれるという主張です。つまり、空気中に漂っている匂いの元となる粒子が除去される事で脱臭が実現されると説明されます。
2. 酸化還元反応による分解
一部の理論では、マイナスイオンが空気中の酸素分子と結び付き、強力な酸化還元反応を引き起こすとされています。この反応によって、悪臭成分の化学構造が分解され、匂いが消えるという説明です。具体的には、マイナスイオンが酸化力の強い活性酸素種を生成し、これが臭いの元となる分子を化学的に分解するという理論が展開されています。
3. オゾンや活性酸素の生成
マイナスイオン装置の一部は、実際には微量のオゾンや活性酸素を発生させる場合があります。オゾンには強い酸化作用があり、これが悪臭の原因物質を分解する事で脱臭が行われるという主張です。しかし、オゾンは高濃度では人体に有害であり、健康リスクが伴う為、安全性の面で問題視されています。多くの国で、家庭用の装置で許容されるオゾンの排出量には厳しい規制があります。
4. イオン風による空気循環
マイナスイオンを放出する装置は、通常空気を循環させる機能も備えています。この空気循環自体が、臭いを拡散させる事で脱臭効果を齎しているという説明も見受けられます。つまり、マイナスイオンの効果というよりは、空気の動きそのものが室内の臭いを減少させる一因であるとされています。
5. 静電気による吸着効果
マイナスイオンは、空気中の正に帯電した粒子(悪臭成分や汚染物質など)を引き寄せる静電気の力を利用するという説明もあります。この静電気的な引力によって、匂いの元となる粒子が物の表面やフィルターに吸着され、空気中から除去されるとされています。
科学的評価
これらの説明のうち、特に「酸化還元反応」や「オゾン生成」などのメカニズムには科学的な根拠があるように見える部分もありますが、実際にマイナスイオン装置でその様な効果が十分に発揮されているかどうかは疑わしいです。特に、オゾン生成が一部で行われている場合、それは脱臭効果ではなくオゾンの化学反応によるものであり、健康リスクも伴う可能性があります。
また、マイナスイオン自体がどれほど臭いや病原体を効果的に除去出来るかについては、信頼性のある科学的なデータは殆どありません。
真偽の怪しいマイナスイオンの除菌効果
マイナスイオンの除菌効果を主張する人々は、以下の様な原理で効果を説明しています。しかし、これらの理論も科学的な根拠が十分に証明されていない事が多く、実際の効果については疑問視されています。
1. マイナスイオンがウイルスや細菌の細胞膜を破壊するという理論
一部の主張では、マイナスイオンが細菌やウイルスの表面に付着し、細胞膜やウイルスのエンベロープを破壊する事で、病原体の活動を停止させるとされています。この理論は、電荷を帯びたイオンが細胞表面に作用し、構造的なダメージを与える事で細胞が死滅すると説明します。
この理論に基づけば、マイナスイオンが特定の空間に放出されることで、空気中や物の表面に存在する病原体が破壊され、空間が除菌されるというものです。
2. 酸化還元反応による病原体の分解
マイナスイオンが酸化還元反応を引き起こし、これにより細菌やウイルスの分子構造を化学的に分解するという主張です。この理論では、マイナスイオンが活性酸素種(ROS)を生成し、これが細菌やウイルスにダメージを与えると説明されます。活性酸素は非常に反応性が高く、細胞を構成するタンパク質や脂質、DNAにダメージを与える事で病原体を無力化するとされています。
但し、この理論に基づく効果を実現するには、活性酸素が十分に生成される事が必要であり、一般的な家庭用のマイナスイオン装置でこれが達成出来るかどうかは不明です。
3. オゾンによる除菌効果
一部のマイナスイオン発生装置は、微量のオゾンを発生させる場合があります。オゾンは強い酸化力を持ち、細菌やウイルスを不活性化させる事で除菌効果があるとされています。この場合、実際に除菌を行っているのはオゾンであり、マイナスイオン自体ではありません。
オゾンは医療や産業用の空間除菌にも利用されていますが、高濃度のオゾンは人体に有害である為、一般家庭での利用には注意が必要です。マイナスイオン装置が微量のオゾンを発生させる事で、僅かな除菌効果が得られるという理論はありますが、オゾンの濃度が低ければ効果も限定的です。
4. 空気中の浮遊粒子の除去による間接的な効果
マイナスイオンが空気中の浮遊粒子(ホコリ、細菌、ウイルスを含む)に付着し、それを重くして地面に落とす事で空気中の病原体が減少すると説明される事があります。これにより、空気中の病原体が減少する事で、間接的に除菌効果が得られると主張されます。
この理論では、直接的に細菌やウイルスを死滅させるのではなく、単に空気中から除去してその数を減らす事によって「除菌効果」があるとされます。しかし、これも一時的な効果にすぎず、病原体が再び空気中に浮遊すれば除菌効果は失われます。
5. 電荷の影響による病原体の無力化
マイナスイオンが、細菌やウイルスが持つ自然な電荷に影響を与え、これにより病原体の活動を抑制するという理論もあります。電荷の変化が細菌やウイルスの正常な機能に影響を与え、結果的に不活性化するとされていますが、これも具体的なメカニズムが明確ではなく、証拠も不足しています。
科学的評価
これらの理論の中で、特に「酸化還元反応」や「オゾン生成」については、理論的には除菌効果が考えられるものの、マイナスイオン自体の効果は科学的に証明されていないか、非常に限定的です。多くの研究では、家庭用のマイナスイオン発生装置が細菌やウイルスを効果的に除去出来るかどうかは疑問視されており、効果があるとしても非常に微弱である可能性が高いです。
除菌効果を謳う製品に対しては、科学的な裏付けが弱い為、消費者は慎重に判断する事が求められます。
参考:【先生に聞いてみた!】マイナスイオンに効果はあるのか・Study uncovers safety concerns with ionic air purifiers